14.

 
「はい、ウンチもおしっこもきれいになって新しい布おむつは気持いいでしょ」
保育園の女性保育士は一也のおむつカバーをポンポンと叩きながら一也にほほ笑む。
「次はと。これは女の子用のスカート付きのロンパースだけど、これを着ましょうね。これを着たら哺乳瓶からミルクを飲みましょうね。でもどうして男の子なのに女の子用のベビー服なのかしらね。女の子になりたいのかな」
「知りません。勝手に着させられているんだから」
「そんなに怒らないのよ。すごく似合っているわよ」
「それよりここは日本ですよね」
「そうよ、東京よ、そして今は3038年よ」
「三千?」
「そうよ、サーティサーティエイトよ」
「え何?サーサ・エイト?」
「3千38年よ。空飛ぶ車に感動してお漏らししちゃったらしいね」
「そう、だって車が宙に浮いてすごいスピードで移動したんだよ。景色も俺の居た2014年といろいろ違いはあったけど、空飛ぶ車はすごかった」
「そうね、昔は車が道路を走って交通事故もいろいろあったらしいけどそのうち自動で危険を探知して止まったり無人で運転したりとか進化を続けたらしいわ。それと並行して重力をコントールして飛ぶ事が実用化されてきて、自動運転の技術と合体してあの車が出来てきたのよ」
「へえ、そうなんだ。このあたりは住宅地なんだよね」
一也は布おむつを当てて女の子用のベビー服を着た恥ずかしさはどこかに消えてしまって未来の街の話に夢中だ。
「そうよ、都心は高層ビルがたくさんあるし、その中を電車や車が空を飛んでいるわよ。そういう場所に住んでいる人もたくさんいるけどここは昔ながらの自然がたくさんあっていい所よ」
「へえ、そうなんだ。都心の風景が見てみたいな」
「いいわよ。でも条件付きね」
「条件って?」
看護士は少し悩みながら言葉を選んでいる。一也は空飛ぶ車だけでも興奮しているのに、高層ビルの合い間を走る車や電車の姿を見てみたいと思う。
「園長先生に許可をもらわないとだめよ。でもその前に赤ちゃんとして素直にならないとね。おむつ替えるのも結構大変だったのよ」
「そうかもしれないけど。都心の風景を見せてくれるならおとなしくなるから」
「じゃ、まず哺乳瓶からミルクを飲みましょうね。それが終わったらおしゃぶりを咥えてね。それからおむつ替えの時は暴れないのよ。ベビー服を着たままいい子になることを約束するならいいわよ。園長先生と相談してくるわよ」
「分った。だから都心の風景を見せてください」
見たこともない未来の都心に風景を見せてくれるなら一也は素直に受け入れたいと思った。哺乳瓶やおしゃぶりは恥ずかしいけどおむつに比べれば楽だ。
「じゃ、約束ね、指きりゲンマンよ」
一也は右手を出すと保育士の右手の小指同士を結んで縦に数回振った。
「指切った。じゃ、哺乳瓶からのミルクですよ、はーい、アーンして」
一也は素直に口を開けると哺乳瓶の乳首が入ってきた。柔らかい感触の乳首を咥えて吸いこむとほんのり甘いミルクが口の中に入ってきた。空腹の一也は一度そのミルクを飲み込むと吸いこんではどんどん飲みほしていく。
「お腹減っていたのね、一杯飲んでね」
保育士は一也の頭を撫でながら哺乳瓶を一也の口元で支えている。一也は保育士に抱かれて頭を撫でられながら空腹を満たしていくととても幸せな気持ちになってきた。
「幸せで安心に包まれた気持でしょ。童心に返ったいい顔をしているわよ」
少し恥ずかしい気持ちがあったが、この居心地の良さに一也はミルクを飲み干していく。
「いい子になったね。じゃ、園長先生と相談してくるからおしゃぶりを咥えて待っててね。園長先生の前でもいい子にしないとだめよ」
一也はおしゃぶりを咥えていて話すことが出来ずに顔をゆっくりと縦に振った。
ベビーベッドに棚を上げられてロックされると周りは全て棚だ。まるで牢屋に入れられた感じもするが、ベビーベッドの棚は優しい木で作られていて、鉄格子のような牢屋とは違う。
その棚の隙間からは同じベビーベッドからいくつも並んでいるのが見える。保育士が赤ちゃんのお世話をしている。ある保育士は立ちながらおむつを替えているのだろうか。またある人は哺乳瓶で授乳しているように見える。保育士は女性もいれば男性も居る。泣き出した赤ちゃんの声が聞こえてきた。どこからともなく保育士が急ぎ足で駆けつけるとしばらく保育士の声が聞こえると赤ちゃんの鳴き声は止まった。部屋全体は静かな雰囲気なのだが、どうあやしたのかの言葉は聞きとれない。窓からは太陽の光が優しく入ってくる。広い保育室を照らす照明も優しい電球色だ。
かなり先の未来でも育児を行う保育園の風景は一也の時代とあまり違いはないと思う。そう思うとやはり都心の風景が見たくなる。そわそわ、わくわくしながらおしゃぶりをチュウチュウと吸っていると話し声がしながら人が近づいてきた。
「森 一也さんですね」
聞いたことのない落ち着いた感じの声に一也は緊張しながらうなづいた。園長らしいその女性は一也に近づくとおしゃぶりを外した。
「高校3年生の赤ちゃんですね。園長の土家原です。赤ちゃんになりきれていなかったようですが、もう大丈夫そうですね。少しお話しましょう」
「はい」
「こちらの保育士さんとは素直になると約束したそうですが、それは本当ですか」
「約束しました」
「おしゃぶりは大丈夫のようでしたね。おむつ替えの最中もおとなしくできますか」
今までは正直、恥ずかしさのために素直にはなれなかった。でも哺乳瓶からミルクを飲みおしゃぶりを吸って落ち着いた幸せを感じた後は正直おむつ替えも素直に受けれる感じがしていた。一也は少し考えるとゆっくりと答えた。
「大丈夫と思います」
「分かりました。では、保育士さん、おむつを開けてお漏らしがないかどうか確認してみてくれますか」
「はい、園長先生、確認します」
保育士はロンパースを開きはじめた。一也は女の子用ベビー服を着ているが男だ。その大事な場所を初めて会った女性の園長先生に見られるのは正直恥ずかしい。でも未来の都心の風景を見せてもらえると思うと素直になれた。
保育士がおむつカバーを開けた。布おむつをずらして股の間に広げてお漏らしがないことを確認した。
「園長先生、お漏らしはないようです」
「分かりました。ありがとう」
園長の土家原は何も見なかったように落ち着いて一也の事を見ている。お漏らししていないおむつを確認したということは一也の大事な部分もしっかり見ているはずなのに、園長は落ち着いたままだ。まさか見ていないということはないと思うが一也は不思議に思う。
「一也君、分かりました。赤ちゃんを受け入れてくれたようですね。では、保育士さんと都心の風景を見てくることを許可しますよ」
「良かったね、一也君」
一也は正直に素直にうなづくと一声、ありがとうと言った。これで都心の風景を見ることができると思えばお安い御用だと一也は納得していた。
「じゃ、準備をしてきますからね」
「30分ですよ」
園長の以外な厳しい言い方にドキッとする。以外に少ない時間にがっかりしながら不安になっていると保育士が察したのか説明してくれた。
「ここは都心からそんなに離れていませんから30分で十分ですよ」
 
 
「上がった。上がっている」
車の後部座席に付けられたチャイルドシートの上に立ちながら一也は車が上がっていく風景に感動していた。どんどん保育園が小さくなっていくと突然水平に移動し始めた。やはり昼間は車の数も少ないのだろう。
「一也君、ほらもう前に見えてきたでしょ。まるで山のようになっているでしょ」
一也は車の進行方向を向くと確かに山のように高層ビルが建っているようだ。横を向くと少し車の数が多くなってきたみたいだ。
「あれは何?」
「あれは電車よ。空飛ぶ電車よ。空中にも線路というか電車専用の空間があるの。もう地上を走る電車はないのよ」
一也は地上を見ても道路も線路も見当たらないことに改めて興奮する。
「地下鉄はまだ走っているわよ」
「へえ、そうなんだ」
高層ビルが近くなってきた。まるで富士山のように中央に高いビルがあり、周りを小さな高層ビルが立ち並ぶ。そのビルとビルの間を車がときどき行きかっている。
「一番中央の高いビルは何階なんですか」
「確か300階よ」
「へえ、すごいや。あ、あの車は横に移動していないよ」
よく見るとビルに張り付いて上下に移動している車がある。
「あ、あれは高層ビルのそれぞれの部屋にある駐車場へ移動しているのよ。空間の道路からビルに入った車はそこからビルに沿って上下に移動していくの。だからあのビルはマンションなのかな」
「あ、電車がビルの中に入っていくよ」
「あのビルは電車の駅なのよ。大勢の人を移動するにはやっぱり電車が一番ね」
「すごい。すごいや」
「良かった。喜んでくれて。さ、帰りましょう」
「え、もう帰るの?」
「そうね、もうあと10分しかないから。今度着たときには飛行場を見せてあげましょうか。昔とはいろいろ変わっていると思うわよ」
「うん、そうしてください」
「でも約束を破ったら連れて行ってあげないわよ」
「是非お願いします」
「スピードをあげて帰りましょう」
 
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一也はおしっこを漏らしながら、自分の親指をチュウチュウと吸いながら寝ていたことに気付いた。そして排泄の実感で目が覚めた。未来の世界では赤ちゃんのように素直になることを約束した。その気持ちは現実の今の世界でも変っていないようだ。おしっこを漏らしながらおしゃぶりのように親指を舐めていたことが未来で芽生えた気持が現実にも反映しているように思う。母親はパートに行ったまままだ帰る時間ではない。
 
ピンポーン。。。
 
誰か来たようだ。病院で当てられた紙おむつはズボンで隠れて見えないことを確認すると玄関に向かう。お漏らししたことも忘れてしまっている。
「宅急便です」
「あ、はい、今開けます」
宅急便の若者が段ボール箱など大小いろいろな荷物を台車に積んで待っていた。一也は特に何も注文していないので、母親宛てだろうと思って受け取りのサインをする。送り先の名前を確認すると一也宛てだ。サインをすると宅急便の若者は段ボール箱を渡してきた。一也は玄関の中に入れて中身を確認しようとすると宅急便の若者が話す。
「あと2箱ありますので受け取ってください」
「3箱ですか。何だろう」
中身を確認したいのを我慢して残りの2箱を受け取ると宅急便の若者はサインを確認してお礼を言いながらもう次の荷物の家へと移動していった。
「ありがとう」
一也は玄関を閉めると送り先に書かれた内容を読んでみた。宛名は一也宛てで間違いない。1つ目の箱の内容欄には衣類と書かれていた。2つ目も同じだ。3箱目はおもちゃと書かれている。不思議に思って箱を振ってみると鈴のような音がする。衣類とおもちゃを一也宛てに送ってきた送り主は誰だろう。
送り元を見てみると桜間 恵子と書かれている。住所は埼玉県だが友達や親戚に心当たりはない。たぶん母さんに聞けば何か分るだろうと思って一也は1つめの段ボール箱を開けた。中身は衣類と書かれている箱だ。
「何だ、これは」
あの未来の世界で当てられたピンクの可愛い花柄のおむつカバーが一番上にあった。その下には黄色やオレンジ色など色や柄は違うようだがおむつカバーが10枚位あるようだ。その下は白い布が底まで詰まっているようだ。これは布おむつか。その数は100枚くらいあるようだ。綾目が当てているおむつに似ていることを思い出しながら、2つめの段ボール箱を開けていく。
「これもか」
一也は内容が衣類と書かれていたので、スーツやワイシャツだと想像していたが、今度はベビー服のようだ。これも綾目が着ているのと似ている。でもその前に未来で着せられた女の子用のベビー服だと思いだした。
可愛いスカート付きのロンパースがピンク色に黄色にオレンジ色など10枚位ある。その下には下着用のシャツだろう、それに涎かけにフリルがたくさん付いた赤ちゃん帽に靴下などがたくさん詰まっている。
「未来の世界だけで十分だ」
懐かしい思いを隠しながらこんなもの要らないと言いながら3つめの箱を開けた。宛名紙にはおもちゃと書かれている。最新のビデオゲームならいいなと期待しながら開けてみると鈴のような音の原因が赤チャン用のガラガラであることが分かった。キャラクターが違うガラガラが2つ。ひとつはウサギにもうひとつはパンダだ。その周りには哺乳瓶が2本におしゃぶりが3つ。その下は大きな缶が2つある。少し傾けてみると可愛い赤ちゃんが写っていて粉ミルクと書いてある。
何でこういうものが俺宛に送られてくるのか分からない。母さんの知り合いからにしても俺宛に送ってくることはないだろう。ダンボール箱の中に手紙らしいものは見当たらない。不安になっているとまたおしっこが漏れている。昼前に漏らしてから何回目だろう。でも紙おむつが吸収しているのでそのままにしている。それより明日、綾目に会って俺もおむつを当てるようになってしまったと正直に話すべきだろうか。それともLINEでそれとなく伝えてから話そうか。スマホを手に取ってはまたテーブルに置き直す。繰り返してる間にそういうことは文字で残すのは止めようと決めた。そう決めるとまた玄関からまた呼び鈴が鳴った。
 
ピンポーン。。。
 
「今度は誰かな」
玄関ドアがさらにノックされると聞いたことがある声が聞こえてくる。返事をしながら一也は玄関に近づく。
「桜間です」
玄関ドアから外を見ると未来で会った女性とマドカちゃんが居た。外はもう夕方で薄暗くなっていたがその姿を確認すると一也はドアを開けた。
「一也ちゃん、元気ですか」
「あの未来の人ですか」
「そうです。桜間 恵子です」
「マドカです。お兄ちゃん元気?」
「ええ、まあ」
「今日はプレゼントが着いたかどうか確認しに来ました」
一也はさっき届いた宅急便の送り主が桜間 恵子であることを思い出した。なんであのベビー服を送ってきたのか一也は話をしたかった。
「どうぞ」
「お邪魔しますね」
桜間親子は玄関から上がるとすぐに3つの段ボール箱を見つけた。中身を確認して間違いことを確認すると一也の手をとってリビングに移動する。
「未来で着ていたベビー服と布おむつとか赤ちゃん用品一式よ。懐かしいでしょ。ベビー服を着て哺乳瓶からミルクを飲んでいると安心して穏やかな気持ちになっていたでしょ」
「それはそうでしたけど」
「間違って綾目さんと同じ女の子用を注文してしまってごめんなさいね。急いでつい間違ってしまったけど、早速着ましょうね」
「いや、それは」
「家に居るときはこうして安心してしないと何時まで経っても直らないのよ。それに未来では約束したでしょ。いい子にして赤ちゃんになれば今度は未来の飛行場も見せてもらうんでしょ」
「何で知ってるんですか」
「ちゃんと報告を受けていますよ。ね、じゃ、お着替えしましょうね」
一也は少し後ずさりをして無言の抵抗をしたが、本音は早くそうしたかった。でも現実の世界でも赤ちゃんの姿を受け入れるのに抵抗があった。そのとき股が痒くなったのに気づいた。一也は女性の前ではと思い振り返って手で股を少しかいた。
「どうかしました?一也さん」
「失礼しました。ちょっと股が痛痒くて。女性の前ですいません。変な病気ではありませんよ。今日も午前中に病院へ行ってきましたから」
「一也さん、あなたもしかして」
「何でもありませんよ」
「一也さん、午前中に病院へ行って、それからおむつを替えてますか?」
一也は頭を横に振った。病院からの帰りのバスの中でお漏らしをして以来、家に帰ってきて何回お漏らししただろう。吸収性のいい紙おむつだと安心して漏らし続けていたことを思い出す。
「一也さん、午前中からお漏らしして夕方までおむつを替えていないということはおむつかぶれだと思いますよ。早く着替えて手当をしましょう。マドカ、手伝ってね」
「はーい」
桜間親子は一也の洋服を脱がし始めた。恵子がシャツを脱がし、身長の低いマドカは一也のズボンのベルトを緩めて行く。一也が紙おむつ1枚の姿になると恵子は一也の紙おむつをお臍の所から手前に引っ張った。一也の大事な場所が見られてしまうと手で押さえようとするが、恵子の声にその手は止まってしまう。
「ほら、股が赤く腫れているわよ。これはおむつかぶれよ」
「おむつかぶれって赤ちゃんの病気でしょ」
「大人でも排泄物に長い時間触れていれば刺激されて赤く腫れてしまうわよ。それがおむつかぶれよ」
「お兄ちゃん、痛い?」
「少し痛いような痒いような」
「間違いないわ。おむつかぶれには、まず清潔して乾燥させることが大事よ。そしてお薬を塗ればすぐよくなるわよ。ママはお尻拭きとドライヤを用意してくるからね」
床にオネショシーツを敷くと一也はおむつ1枚のままで横にさせられた。マドカは一也の頭をイイコイイコと撫でている。一也は赤ちゃんがかかるおむつ被れだと言われておむつを替えておけばよかったと思っても後の祭りだ。
「はい、用意できたわよ」
恵子は一也の紙おむつを外していく。ビリという音ともに重くなって固形上に近くなっている紙おむつを開いた。
「ほら、股だけじゃなくてお尻もよ。こちらの方が赤くなってる。今すぐにきれいにしますからね」
一也のペニスがそそり立っているのには目もくれずに恵子はお尻拭きで一也の股とお尻をきれいにしていく。恵子は一也の両足首を持つと上にあげた。
「マドカ、この足を持っていてくれる」
「はーい。随分赤くなっているね」
「そうね、赤ちゃんにはよくあるのよ。ちゃんとお世話しなきゃね」
「はーい」
大きくなったペニスだけではなく、アヌスも二人の女性に丸見えだ。恥ずかしいの一言だが、おむつかぶれは早く治したい。痛痒さから早く解放されたかった。恵子は一也の股とお尻をきれいにするとおしぼりできれいに拭いた。少し熱い感触が冷めて行くときに気持いい。
「次はドライヤで乾燥させるね」
ドライヤのガーという音と共に熱風が一也の股とお尻を駆け抜ける。おしぼりで濡れた水分が乾燥していくのがよくわかる。その気持ちよさにペニスは自然に小さくなっていた。
「次はお薬を塗りますね」
恵子はタップリの軟膏を一也の股とお尻、さらにはアヌスまで塗っていった。
「すぐ良くなりますよ」
一也はアヌスまでも軟膏を塗られると思わず体を動かしたが、小学校5年の女の子とは思えない力でマドカが押さえた。
「動かないでね、いい子でしょ、マドカ、布おむつとおむつカバーを持って来てくれる?」
恵子は一也の両足を押さえるのをマドカから代わる。さらに両足を大きく広げた。
「少し軟膏を乾燥させた方がいいかな」
「はーい、ママ持ってきたよ」
「ありがと。じゃ、まずおむつカバーの上に布おむつを敷いてからそれを一也ちゃんのお尻の下に入れてくれる」
恵子は一也の両足を上に持ち上げた。マドカはおむつセットを一也のお尻の下に敷いた。
「さ、布おむつよ。優しいでしょ」
恵子は一也の足を降ろすと大きく広げて股から布おむつを当てていく。布おむつの優しい感触が一也の股を包んだ。
「カバーをこうして当てて、パッチンね。その後は紐でキュ、そしてはみ出たおむつをギュッと押し込むとと完成よ」
一也は現実の紙おむつとは違う優しい感じに恥ずかしさも忘れてぼんやりする。マドカがベビー服を持ってくる。
「シャツを着てロンパースを着てね。ほら、短いスカートが可愛いわよ」
一也は思わず短いスカートを抑えておむつカバーを隠そうとするが、隠れるほどスカートは長くない。少しだけカバーがどうしても見えてしまうほどの短さだ。
「涎掛けをかけて、赤ちゃん帽をかぶりましょうね」
「マドカ、一也ちゃんをあやしていてね。ママはミルクを作ってくるね」
「はーい、一也ちゃんはいい子ですよね」
マドカは一也を膝枕にすると頭を優しくなでる。小学校5年生の女の子に高校3年生の一也が頭をなでられてあやされている。それでも一也はベビー服に包れて幸せだった。
「ミルクができたわよ、マドカが飲ませてくれる」
「うん、いいよ、一也ちゃん、ミルクですよ。お口をアーンしてくださいね」
一也はゆっくり口を開けると哺乳瓶の乳首が口の中に入ってきた。吸ってみると暖かいミルクはゆっくりと口の中に入っていく。未来の世界と同じだ。安心する。幸せだ。一也はミルクをチュウチュウ吸っていく。
「一也ちゃん、お漏らししたら泣いて教えるのよ。そうしないとまたおむつかぶれになってしまいますよ。分かりましたか?」
一也は首を縦に振って答えた。そしてそのお漏らしという言葉に反応するともうおむつの中におしっこを漏らし始めていた。ミルクを飲み干すとマドカはすかさずおしゃぶりを一也の口の中に入れてきた。
「今度はおしゃぶりですよ」
「一也ちゃん、家に居るときはこの布おむつを当ててベビー服を着てミルクを飲んでゆっくりすることが大事なのよ。やすらぎを感じて安心して優しさを感じることが大事なの。分かりましたか」
一也はミルクを飲みながら桜間の話を聞いていた。おしっこを漏らし終えるとマドカの膝枕の居心地の良さに満足した。そのまま目を閉じるとおしゃぶりを時々モグモグ吸いながら寝てしまう。
「マドカ、一也ちゃんに枕をして、タオルケットをかけてあげましょう。お寝むのようよ。一也ちゃんのお母様によく事情を説明しましょう。きっと分かってくれると思うのよ」
「はーい」
マドカは小さな声で返事をすると枕に差し替えてタオルケットをかけてあげると横に添い寝した。そして一也の頭をいい子いい子と優しくなでていた。
 
ピンポーン。。。
 
「あら、お母様が帰ってきたと思うわ」
 
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