303エイト

8.

「綾目、もうそろそろ夏休みだね。2学期からは高校へ行くように考えなさいね」
綾目の母親は慎重に言葉を選んで綾目に忠告をした。綾目の体は問題なく、また精神的にも問題ないことを医者から告げられていた。綾目が高校へ行きたくない理由はお漏らしだ。高校でお漏らしをして保険室でおむつを取り換えられることを想像すると綾目は高校へ行くことを拒否してしまう。でももうそろそろ何かで変らないといけないと綾目は悩んでいた。ついこの前に未来に行ったとき、マドカのママは男性におむつを替えてもらったことを新しい経験としてもうすこしだから頑張ってね、と言ったが今だにそのがんばるという意味が分らない。
森君とはかなり親密になってきたし、キスももう何回も経験した。森君はその先を希望しているようだが、おむつを当てている綾目はかたくなにその先を拒否している。本当はもう少し先を森君と経験してもいいと思っているが、おむつを当てている恥ずかしさが綾目を包んでいるのだ。

「母さん、考えてはいるけどどうしたらいいのか分らない」
「お漏らしの事ね。おむつを当てて高校へ行くのは嫌なのでしょう」
「そうよ。分ってくれるでしょ」
「綾目、それはそれとして、母さんのパートの時間をそろそろ長くしたいと思っているけどどうかしら。夕方少し遅くなるし、夕飯も遅くなるけどいいかしら」
綾目は夕飯の時間が遅くなるのは構わないが、お漏らししてしまうとおむつを替えてくれる人が居なくて、そのことだけが心配だ。
「それはいいけど」
「お漏らしの事は、出かける前にはきちんと替えてあげるから、少しお漏らしを我慢してみようね」
「うん、そうしてみる」
綾目はしぶしぶそう答えざると得なかった。友達にも恥ずかしくてそれをお願いすることなど考えられない。
「夏休みも森君は勉強を教えに来てくれるの?」
「うん、森君も2学期からは高校に行っても成績が落ちないように勉強を教えてくれるって」
綾目は森君のことになると急に笑顔になって答えた。そんな綾目を心配する母親だが、もう2人で勉強していることは母親の公認事実になっていた。
「そう、それは良かったわね。じゃ、早速で悪いけどパートの時間を少し長くするからね」

森君はいつも夕方に綾目の母親が帰宅する直前くらいに帰って行った。何回かは綾目の家の玄関でばったりと会って挨拶して帰ることも多かった。だが、綾目の母親のパートの時間が長くなってからは会うことも少なくなっていた。
「綾目さん、今日は大分いい調子だね」
森君は綾目のことを苗字ではなく、名前で呼ぶようになっていた。綾目は2学期から高校へ通ってもいい成績を残したいと思うようになり、必死に森君と一緒に勉強をするようになっていた。その集中さは緊張も伴う。綾目は勉強に集中していて尿意に気づくのが遅かった。綾目は急に身震いをした。
「綾目さん、どうしたの、寒いの、エアコンを弱くしようか」
「そうじゃないの。今日はお仕舞いにしよう」
「もう少しで区切りがいいところまでいくからがんばろうよ」
「いいの、今日はもう帰ってください」
「どうしたの、急に。2学期から通学するためにもう少しだから」
綾目はもう漏れてしまいそうなおしっこを必死に我慢しながら森君を帰そうと思うが、森君は今日に限って帰ろうとしない。
「あ、もうだめ」
綾目は急にうな垂れるとおしっこをおむつの中に漏らし始めた。その様子を見た森君は何も言わずに黙って綾目が落ち着くのを待った。
「綾目さん、もしかして」
「もう、帰ってください」
綾目は素直に首をたてにゆっくり降ろして肯定しながら、森君を帰そうとしたが、事情を気付いた森君は決心をした。
「綾目さん、お漏らしだね、おむつ取替えようね」
「え、それは駄目」
「でもお母さんはパートが少し遅くなったのだろう。お漏らしのままじゃだめだから替えよう、替えてあげるから」
「いいの、母さんを待っているから、もう帰ってください」
「駄目だ、そのままじゃ、おむつ被れになっちゃうよ。替えてあげるから、安心して」
「でも、でも。。。」
気持ち悪いおむつを替えて欲しいのは事実だが、男性の森君に替えてもらうなんて恥ずかしくてできない。でも綾目は未来の世界で男性におむつを替えてもらったことを思い出し、マドカのママの新しい経験という言葉も思い出した。
「本当に汚れたままじゃよくないよ。開きながらこういう風に当てているんだと分れば替えにおむつを当てられるから大丈夫、任せてよ」
「でも、恥ずかしいから」
森君はもう少し優しく替えてあげることを説得すれば、綾目もおむつ替えを受け入れてくれると信じた。優しく、いやらしくなく、素直に説得した。
「本当におむつ被れになったら駄目だから替えてあげる、ね、大丈夫だから」
森君は優しく、素直に綾目の目をじっと見つめた。そこにはイヤラシサもなく、純粋におむつ被れになってしまうことを心配している目があった。綾目はその目を見て、マドカのママの言葉も思い出して、ゆっくりと首を立てに振った。
「分かった、じゃ、すぐに替えてあげるからね。替えのおむつはどこにあるの」
綾目はゆっくりと部屋の隅を指差した。すぐにおむつを替えられるように母親がおむつとおむつカバーがセットにしてあるものが積んであった。森君はそのひとつを取ると初めて触る布おむつを手に持って綾目のベッドの上に置いた。
「布おむつなんだね。替える前にきれいに拭いてから当ててあげるね。ベッドに横になってね」
綾目はおむつ被れになってしまうかもという不安から素直に森君に言うとおりになっていた。初キスもしている森君だから何も変なことはしないと信じるしかなかった。森君もおむつ替えに集中して嫌らしいことはなしだと心に誓いながらおむつセットをベッドの脇に置いた。
「ロンパースから外すね」
綾目は恥ずかしさから両手で両目を覆い、森君の言葉に首を縦に振るだけだった。森君は綾目の両足を広げるとロンパースの股のホックを外し始めた。一つ一つ丁寧に外していくと、ロンパースをずらす。すると可愛い花柄のおむつカバーが現れた。
「可愛いおむつカバーだよ。いい子にしていてね」
森君はおむつカバーの腰紐を外して太股の根元にある紐も外す。そしておむつカバーのホックも外していく。
「やっぱり、駄目」
綾目が最後の抵抗の言葉を出したが、それは肯定の駄目だった。綾目が暴れるかと心配したが暴れる様子はないことを確認するとおむつカバーを開いた。カバーを開くとプーンとアンモニアの臭いがした。それは気にもしないで汚れた布おむつを外しながら濡れていない布おむつの端で綾目の股を拭きながら外す。
「足を持ち上げるよ」
森君はそのまま綾目の両足の足首を左手で持って上にあげた。お尻拭きを右手に取ると綾目の大事な部分にアヌス、そしてぷっくり脹らんだお尻も拭いていく。シッカロールを綾目の股からお尻に付けていく。ほのかなアンモニアの臭いが消えてシッカロールの匂いに変わっていく。森君は綾目の両足はそのまま上に上げながらおむつセットを広げて綾目のお尻に下に置いた。
「足、降ろすね」
ゆっくりと綾目のお尻をおむつの上に降ろしていく。綾目の両足を広げて布おむつ股を通してお腹まで当てる。その上からおむつカバーも当てて行きホックをはめていった。腰と足のところの紐をキュッという音を聞きながらおむつ替えは終了した。森君はロンパースを穿かせようとすると黙っていた綾目が口を開いた。
「ありがとう。その前にこうするの」
綾目は手を伸ばしておむつカバーからはみ出ている布おむつをカバーの中に押し込もうとした。
「あ、分った。もし濡れたらロンパースも濡れてしまうからか。分った。僕がやるよ」
森君は綾目の手を退けるとカバーからはみ出ている布おむつをカバーの中に押し込んでいった。きれいに布おむつがカバーの中に隠れるとロンパースを元に戻して股のところのホックを付けてあげた。
「できあがりだよ。さ、口を開けてごらん。おむつがきれいになって今度はおしゃぶりかな。でもその前に」
森君は綾目の唇を吸った。いつもより濃厚に唇を吸って、口に中に舌を入れてきた。綾目は無我夢中で森君の舌を受け入れた。森君はそのまま綾目のバストに手を伸ばした。
「嫌、だめよ」
「そうだね、分った」
森君は素直に綾目の唇から離れると伸ばした手も引いた。綾目の口におしゃぶりを入れてあげると何もなかったように今日のサヨナラを言う。
「今日は綾目のおむつを替えてあげられて良かったよ」
「おしっこで汚いのにすいません」
「そんなことないよ。あそこはピンク色できれいだったよ。じゃ、今日は帰るね」
「うん、また来てね」
「もちろん、じゃ、バイバイ」
「バイバイ」
綾目は森君を送り出すと汚れたおむつを洗面所に持っていき、朝から溜まっているおむつ入れのバケツに入れた。初めての森君からのおむつ替えに綾目は森君の欲求を受け入れようかと悩む。大事な場所を見られてきれいにしてくれた。そこはきれいだよと言ってくれた。でも学生だからと綾目は悩んでいた。キスを奪われ、おむつ替えで女性の大切な場所も見られた。でも嫌らしいことは何もせずにいてくれる森君により大きな信頼感を抱いていた。
次の日の明け方、綾目は未来を訪問していた。

***

「綾目ちゃん、おっきしましょうね」
マドカのママの声に綾目は目が覚めた。また未来へ来たようだ。見渡せば可愛い動物などの絵柄に囲まれた部屋に居て、下半身にはしっかりとおむつが当てられているようだ。
「朝、時間の無いのは昔も今も変わらないわ。マドカは小学校へ行くし、私もパートへ行くの。そのついでに綾目ちゃんを保育園に預けて行くから。もう出かけるわよ。ごめんなさいね。おむつは汚れてない?」
「ええ、大丈夫です」
「そう、じゃ、後は保育園にお願いすることにして出かけましょう」
綾目が車に乗せられるとマドカも乗ってきた。ママが運転席に座り、簡単な操作をすると、もう車は浮かび始めた。
綾目は窓にしがみつくように風景を見ていると、何か違うことに気付いた。天気が良ければ普通にあるおなじみの風景がそこにはなかった。
「すいません、皆さん、洗濯物は干さないのですか」
「ええ、そうよ。以前より自然が豊かになったのよ。それはそれでいいのですけど、昆虫や花粉も多いのよ。日常生活には困らないけどね。それで洗濯物は太陽の光で乾かしたいけど洗濯機で洗った後自動で乾燥してもらうのが当たり前になったのよ。特に高層ビルでは100%そうだし、この辺の住宅地もそれが当たり前ね」
「へえ、そうなんだ」
「そうよ、それはそうと綾目チャンは大分赤ちゃんらしくなったわね。もうひとこえよ」
「ひとこえって?」
「そう、いろんな経験を積んでいるでしょ。だから私と会うのももうそろそろ最後かもね」
「えー、何ですか、なんでそういうことが分るのはですか」
綾目は森君にキスを奪われたこと、男性の森君におむつを替えてもらったことなど新しいことを体験して何かが変わろうとしている予感は感じるがそれが何かは分らない。
「綾目ちゃん、素直にね。素直になって赤ちゃんになって愛されなさい。そうすればきっといいことあるわよ」
車は地上に降り始めた。保育園の駐車場に降り立つと、ママは綾目を抱きかかえて保育士に預ける。今日は男性の保育士だ。でももう怖くないし、男性の保育士におむつを替えられてももう恥ずかしくない。綾目はそんな自信に満ちていた。

 

おとなの赤ちゃん返り

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