赤旅館

芥川秀一

 

 

 

車で行きばったりの旅行のある日の夕刻、道に迷ってやっと見つけた人里離れたひなびた旅館。運転も疲れたし、次の目的地の名古屋まではまだかなりあるし、和夫はその旅館に泊まろうと思った。

和夫は28歳。毎年、会社の同僚との夏休みを過ごしていたが今年は一人旅に出ることにした。彼女は居ない。行き先は北陸として特に目的は無い。北陸から信州へ、信州から高山へ抜けて名古屋に出ようとして車を走らせていたが、道に迷ったようだ。

その旅館は一風何の変哲もないが、赤い色の看板に赤旅館と書いてある。どういう旅館かよくわからないが、大きな一軒屋という感じのこじんまりした旅館だ。夏とはいえ、7時近くになるともうだいぶ暗くなっている。

「ごめんください」

「はい、いらっしゃいませ」

「予約はしていませんが、今日部屋は空いていますか」

「ええ、ございます。お一人様ですか」

「そうです。一泊お願いします」

和夫は旅館の奥を見てさらにロビーも一巡して、雰囲気もまあまあと思って泊まろうと思った。昼間であればこの赤旅館のさして大きくない庭には異様な風景が見られるので、一元さんで泊まる人はめったにいない。しかし、今は夕刻で暗くなってからはその異様な風景は無くなる。それは大きなおむつやおむつカバーが干してあるからだ。しかし、和夫にはそれを見ることは無かったし、まして迷ったあげくにようやく見つけた旅館である。

そうこの赤旅館はいわゆるベビープレイの旅館である。人里離れた旅館で他人の目を気にしないで俗世間のいやなことを忘れるために無垢の赤ん坊の生活を楽しむ人たちの定宿であった。しかし、旅館の中は一見はそういう雰囲気は感じられない。すぐにわかるとすれば昼間のおむつが干してある風景であるが、夜ともなればそれは無い。

「一泊お幾らですか」

「一泊2食で2万になります」

「2万ですか」

和夫は受付兼、女将であろう、少し美人な女性をまじまじと見た。

「ご予約があれば、もう少しお安くできたのですが」

「そうですか」

和夫は宿の周りには何もなく、また道にも迷ったことから多少高くても仕方ないと思ったが、それにしても人里離れたそう豪華でもなさそうな旅館に2万円を払うのは尺にさわる。

「名古屋までは車でどの位でしょうか」

和夫は、近くに別のホテルがあればそっちにしたかった。

「お客様、ここは人里離れたことを魅力に来ていただくお客様が多いので、近くの町に出るにも車で最低でも1時間近くはかかります」

そう言えば、高山を出てから名古屋を目指したが、途中で道を間違えたようだ。いいわ、いいわで、音楽をききながら2時間位走ったような気がする。

「わかった。お世話になります」

「ありがとうございます。私共は極力お客様が何もしなくても十分くつろげるような、精神的にも楽になるサービスをしています」

「でも、この宿、あまり人気を感じないけど、営業しているんですよね」

「私共は少ないお客様にしかサービスできませんので、部屋は3部屋しかありませんし、今日は月曜日ということで、お客様のみです」

「へえ、週末は満室になるの」

「シーズンにもよりますけど」

「わかった、では行き届いたサービスをしてもらおうかな」

「こちらに署名と連絡先をご記入ください」

和夫は何やら、いろいろ書いてある書面をみたが、旅館に泊まるときの儀式と思い、特に気にもせず署名した。

「成田 和夫様ですね。では、お部屋に案内します」

和夫は和服の良く似合う女将の後について行った。小さな浴室らしき入り口を通りすぎてから振り向いて女将は言う。

「こちらが浴室です。夕食の前に御入浴ください」

「わかった。すぐに入りたい」

「こちらがお部屋になります」

10畳ほどの和室である。落ち着いた感じの部屋だ。

「夕食はこちらに準備致します。30分後でよろしいでしょうか」

「わかった、少しゆっくり入って来ますよ、しかし、周りには何もないようですね」

そう言いながら、和夫は窓の方に移動した。

「浴衣はこちらです。また、タオル、バスタオルはこちらにございます」

「ありがとう」

窓の外は本当に真っ暗だ。和夫は窓から外をみたが、街頭ひとつ無い。あるのは赤旅館と書かれた宿の看板だけだ。

「そうですね、何もないところが、いい所でして。もうあの看板の電気も消灯しますので、窓からは何も見えなくなります。雨戸をお閉めいたしましょうか」

「そうだな、朝はゆっくり寝ていたいし」

「かしこまりました。では、ご入浴ください。失礼致します」

そう言って女将は部屋を出て行った。和夫は貴重品だけはきちんとして風呂に行った。いつもより、長めに湯につかり、いつもよりしっかりと丁寧に体と頭を洗っていた。

 

***

 

「美佐子、彼いけると思うけどどう思う?」

「そうね、一人旅しててまじめそうで、少し暗い感じで、気も強くないようだし。そしてわりと小柄だよね。中肉中背でヒゲも濃くないし」

「最近はお馴染みさんも少なくなって来ているし新規開拓もたまにはやらないとね」

「母さん、やりますか」

女将と娘の美佐子は新規の顧客開拓と決めて和夫に赤ちゃん体験をさせることで一致した。女将は結婚後、交通事故で主人を亡くした。会社勤めしながら1人娘の美佐子を育てた。美佐子は22歳で結婚し赤ちゃんを授かり1年は幸せな生活を送っていたが、夫と一緒に一人娘もやはり交通事故で失った。1年間さびしい生活を2人は送った。

「あれから5年ね。早いものね」

2人でテレビを見ていたときに大きな赤ちゃんが写った。おむつをしてミルクを飲み、ママに甘えている姿がとっても印象的だった。仕事上のストレスや人間関係から何もかも忘れて赤ちゃんになり切る人の多さにびっくりしたのだった。2人はそういう精神面のケアのために赤ちゃんにしてあげて世話をする宿を計画した。もともと2人ともしばらくしたら独立して小さな宿をやろうと計画していたのだった。しかし、どこへ行っても小さな宿やペンションもあるし、特徴を出そうとしてペット同伴の宿も有りふれていた。規模は小さくも特色のある宿をやりたかったのだがその特徴を探していたのだった。

 それがその大きな赤ちゃんのテレビを見て2人は思わず「これかな」と思った。どちらからともなく大きな赤ちゃんの宿をやろうか、となっていた。資金は女将の主人の生命保険が5千万ほどあった。すこし田舎に行けば小さな宿ならできるかなと始めたのが赤旅館であった。

 2人とも結婚や子育てにはもう興味がなかった。交通事故で女将の主人も、そして娘の美佐子の主人も子供も亡くしたことによる後遺症としてそういう普通の幸せには興味がなくなってしまっていた。

 

***

 

「いいお風呂でしたよ」

和夫は夕食の支度をしているだろう調理場がロビーの奥にあると思い、声をかけた。

「はーい、ただいま夕食になります」

1人旅をしている人間は何かを忘れたい、何かを探したい、自分を見つめたい、そんな気持ちで旅に出るものだ。2人は相槌をして意思を確認しあった。和夫に赤ちゃんの体験を強制的にさせて赤旅館の顧客にしようと決意した。

奥から女将の声を聞くと和夫は安心して自分の部屋へ入った。まもなく、女将は夕食を載せたお盆を持ってきた。お茶や茶菓子があるお膳の上をきれいにかたづけると女将は夕食のお盆をのせた。

「何か、お飲み物は」

「そうだな、ビールをください」

しばらくすると、ビールとご飯、お吸い物などと持った女将が来た。

「それではビールをお注ぎ致します」

「ありがとう。それにしても寂しい所ですね。買い物も大変でしょう」

「そうですね。1週間に一度程度です」

「あーうまい。風呂上りのビールはうまい」

和夫は女将が注いでくれたビールを一気に2杯飲んだ。そして山の旅館らしい山菜や鱒の塩焼きなどを食べていた。女将とは当たらず触らずの会話ではあったが話し相手のいる食事はいい物だ。最初のビールを飲んでから30分位たっただろうか。

「ご飯にしますか」

「いや、焼酎はありますか」

「ええ、芋焼酎ならあります。お湯割りにしますか、それとも水割り?」

「オンザロックは美味しいですか」

「ええ、美味しいですよ」

「なんか、体がだるくなってきて、思うようにうごけなくなった。疲れたのかな」

女将は和夫の疑問には答えず和夫の要求に従う。

「オンザロックをお持ちしますね」

和夫は確かに車の運転で疲れていたのだろうが、いつもはもっと元気に飲めるのにどうしたのかと疑問に思い始めた。残ったビールを飲もうとコップに手を差し出すのが精一杯になってきた。

「どうしました」

「いや、ビールを飲み干そうと思ったのだけれど、手を伸ばすのもいやになる位、体がだるくなってきてしまった」

女将は黙っていたが和夫の仕草を見ていてそろそろかなと判断し、その事情を話そうと決めた。じっと和夫の顔をみている女将に気づいた和夫は何かあるのかと疑問におもった矢先だった。

「じつは、私共の赤旅館はいわゆるベビープレイの旅館です」

「ベビープレイ?」

「そうです。忙しく慌しい世の中がいやになった人が何も気にせず、考えず、何も体を動かすことなく、赤ちゃんのようにしていただくための旅館です。私をママと思って甘えてくださいね」

「そういう場所には行ったこともないし、ここがそういう場所という説明もなかったじゃないか」

「さきほど、署名していただいた紙がその契約書になります。この旅館がそういう旅館と知らないでお泊りになる方もときどきいらっしゃいます。でも、どなたにもお断りなしにサービスを提供するのではありません。あなた様にはきっと気にいっていただけると思ったので、サービスさせていただきます」

「もしかして、ビールか何かに何か薬でも入れた?」

「そうです。やはり最初のお客様の場合にはこうさせていただかないとサービスの良さがわかっていただけないもので。筋肉弛緩財をビールにいれてあります。でも、時間がたてば元に戻ります。大丈夫ですので、ご安心ください」

「安心してくれって言ったって、体が思うように動かなければ何もできないじゃないか」

「何もする必要はありません。私共が一から十まで赤ちゃんのようにお世話しますので、何もすることなく、赤ちゃんのように甘えてください。それでは支度をしましょうね」

「美佐子」

女将は大きな声でさらに別の女性を呼んでいる。

「美佐子、準備はいいわ。赤ちゃんのお着替えを始めるから手伝って」

「はーい」奥から美佐子と思われる女性の声が聞こえた。しばらくすると若い女性が和夫の部屋に入ってきた。

「失礼します。おむつとおむつカバーとベビードールを持ってきました」

娘の美佐子は27歳、女将は47歳。そのきれいな女性2人が和夫を赤ちゃん扱いするという。

「おむつって何に使うの?」

和夫はベビープレイがどんなものか興味もあるが、さしあたっておむつが目の前にでてきたのには驚いた。老人用の可愛げも何もないおむつではなく、かわいい金魚がたくさん泳いでいるような布おむつとキティちゃんが入った可愛らしいおむつカバーだ。そしてそれらは赤ん坊用ではなく、大人用のサイズだ。びっくりしている和夫に向かって女将は言う。

「かわいらしいおむつでしょ。私共は紙おむつを外出のときは使用させていただくこともありますけど、原則布おむつです。だから昼間はあの庭にいつもおむつを干しています」

「そう言われても今日はそんなもの見なかった」

「それはそうです。夕方前には皆きれいに畳んでしまいますから。さ、その浴衣をまず脱いでこのベビードールを着て、それからおむつをしましょうね」

女将は浴衣を脱がそうとする。座椅子に座っている和夫の後ろから回り込み、帯を取り、浴衣の右袖、左袖を外して浴衣を脱がしていく。

「この浴衣のままでいいよ」

そう和夫が言って、浴衣を脱がされるのに抵抗しても体が動かない。体は女将と美佐子の思うままに動かされ、浴衣を取られてしまった。

「さあ、頭からこのベビードールをかぶりますよ」

そう言いながら女将は抵抗できない和夫の頭からピンク色のベビードールを被せて腰の辺りまで伸ばした。

「さあ、次はおむつ。体をここに横にしますよ」

そういうと女将は美佐子が持ってきたおむつカバーを和夫の座っている座椅子のとなりに置き、その上におむつ5枚ずつ交差に並べた。

「美佐子、一緒におむつの上にお客様を寝かしましょう」

「本当におむつはいらないから、そういうベビープレィは要らないから」

和夫を抵抗したくても体が動かないし、筋肉弛緩財のため話すのもめ面倒くさくなってきた。抵抗したくても抵抗できない和夫を慣れた手つきで女将と美佐子はおむつの上に寝かせた。

「すぐ済みますからね、おとなしくしてくださいね」

そう言うそばから和夫のブリーフは脱がされ、男の一物がだらしなく垂れ下がっているのが丸見えになった。

「お薬のせいでおちんちんも元気がないと思うけど、薬が切れれば元通りになりますから」

そういう慰めや、赤ちゃんへのおとなしくしていてとかの言葉をかけながら、女将はおむつをおちんちんの上に回した。そして横からのおむつも回して、おむつカバーもセットした。

「パチ、パチ、パチ」

おむつカバーの横のぼたんを付け、その後は腰に回った紐を「キュッ」と締めた。

「さあ、おむつの完成ね。赤ちゃんのお着替え終了ですよ。ピンクのオムツカバーです。かわいいわよ」

「おむつはいらないからとってくれよ」

「だめです。お漏らししたとき大変でしょ」

「トイレに行けるから大丈夫だよ」

「その動けない体では無理ですよ」

和夫は薬で動けない以上仕方ないとも思いながらも、やりきれない。

「それでは、お客様、大人になってからのおむつは初めてと思いますので、トレーニングをしましょう」

「トレーニング?」

「そうです。赤ちゃんになっておむつをしてお漏らしをしたときおむつを替えなければいけませんが、初めてのお客様はやはり恥ずかしがります。そこで、お漏らしをこちらで擬似的にさせていただき、おむつ交換の練習をするわけです。本当のお漏らしではありませんので恥ずかしくないと思います」

「美佐子、準備してきてくれる」

「はい、ママ」

美佐子は部屋を出て行った。

「その前に、ミトンとお帽子もかぶりましょう。そう、よく似合いますよ」

「これじゃ、手がつかえないじゃないか」

「ミトンはそういうものです。赤ちゃんが危険なものに触って怪我をしないようにするためのものです」

「でも、体が動かないのにミトンまでいらないでしょう」

和夫は反発するが、女将の口調は抵抗すればするほど厳しくなっていく。

「赤ちゃんなんだから素直にしなさい」

「トレーニングの準備ができました」

「はい、ありがとう、それじゃ、お客様、いえ、これからは和ちゃんにしましょうか」

「そうね、母さん、和ちゃんをまた座椅子に座らせましょう」

「トレーニングって何をするの。体が動かないから何もトレーニングできないよ」

「和ちゃんはそのままじっとしていればいいのよ」

また、座椅子に座らせられた和夫は今度は何をされるか、ワクワクという訳でもないが、女将と美佐子の動きを見ている。美佐子はただ、お皿に載った豆腐と、麦茶1リットル位を持ってきただけだ。女将はその豆腐に触り、顔をうなづいている。さらに麦茶の入った容器にも手を入れてさらにうなづく。

「丁度いい加減だわね、美佐子」

「少し暖かい位でいいわよね」

「じゃ、おしっこからしましょうか」

和夫には二人の会話が理解できない。

「おしっこは出ないよ。一体トレーニングって何ですか」

何をされるか不安の和夫はさすがに問いただす。

「赤ちゃんになって初めておむつをしてそしてお漏らしをした後のおむつ交換はたいていの人が恥ずかしがります。それでこの麦茶をおしっこに見立ててお漏らしをした状態にさせてもらいます」

「ということはその豆腐は。。。」

「そうです、うんちを漏らした想定でお尻に入れさせてもらいます」

「そんなことわざわざしなくてもいいですよ」

女将は返事をせずに和夫のへそのあたりからおむつを強引に開けて麦茶を入れる隙間を作ろうとする。

「本当にいいですから、止めてください」

体が動かない和夫は必死に言葉で抵抗する。

「だめです。まずこのトレーニングでお漏らしした後の感触を楽しんでもらい、そしておむつ交換に慣れてもらうための必要なトレーニングなんですよ。じきにお漏らしの感触を楽しむことができますよ」

「う、あったかい」

美佐子が入れ始めた麦茶に思わず和夫は驚く。それと同時にお臍、肉棒、そして玉の後ろから肛門の方まで温かい麦茶が流れていくのを感じた。

「どうです、別に何でもないでしょう、と言うかいいでしょう」

和夫は返事に困る。確かに下腹部に伝わる暖かい流れる感触が肉棒から肛門の方までいくのが悪くないというか今までに無い感触を味わっている。そしてその液体は座椅子や床をぬらすことなくおむつが吸い取っている。

「今度はうんちです」

そう言うと、女将は和夫の体を前かがみにして背中からやはりおむつを開け始めた。少しお腹がきつくなったが、抵抗はできない。

「そう、もう少し奥まで入れないと背中に出てきてしまうから。そうね、和夫ちゃんに少しだけ四つんばいになってもらう感じで肛門のあたりに入れましょう。そうそう、それでいいわ」

元の座椅子に改めて座った和夫のお尻には暖かい豆腐がある。そして座ったことにより行き場を失った豆腐は肛門にも入ろうとし、背中の方にも移動しようとし、そして男の肉棒の方にも移動してくる。

「うう、もう一度風呂に行きたい」

「だめですよ。どう、いい感じでしょう。そのまましばらくはそのお漏らしをした感触を味わっていてくださいね」

「もう、いいよ、風呂に行きたい」

「だめです。その感触を楽しんでください。もし、いやならそれを忘れるようにしましょうね」

和夫はおむつに入れられた麦茶が少しずつ冷めているのを感じている。そしてお尻から肉棒のあたりに入れられた豆腐が妙に肛門や一物を刺激しているのを感じている。しかしその感触を女将や美佐子に正直に言うことはできない。今までにない感覚でこのまま浸っていたい。しかし冷えてくるのは寂しい。そして今までに味わったことの無い感触に和夫の肉棒は大きくなっていた。

「さあ、ではミルクを飲みましょうか」

そう言うと女将はブラウスのボタンを外し始めた。そして右側のおっぱいをブラジャから外すと和夫に微笑んだ。

「母乳は出ないけどさあ吸いましょうね」

美佐子は和夫を再び、座椅子から外して床に寝転ばせた。そして女将の膝の上に和夫の頭を載せた。和夫の目の前に女将の大きなおっぱいとその乳首があった。

「さあ、おっぱいを飲みましょうね」

女将は和夫の頭を持って和夫の唇を乳首に近づける。和夫はそのまま乳首を口に含みゆっくりと吸う。女性特有の匂いとその柔らかな乳を顔で感じながら。和夫は左手をそのおっぱいに近づける。そしてそっとおっぱいを握る。筋肉弛緩剤のため、手を伸ばして触るのにかなりの力が要る。

「いいわよ、そう握って、吸って」

和夫は久しぶりの乳房をまるで赤ん坊のように吸う。女将は左手で和夫の頭を撫でながらおっぱいに押し付ける。

「もう、いいかな。今度は左側ね」

女将は和夫の頭をおっぱいから離れさせ、また寝かせる。そうして右側のおっぱいをブラジャにしまうと、今度は左側を出し、体位を入れ替えてまた和夫に吸わせる。和夫はもうそのままなすがままにまた乳首を吸う。

「気に入りましたか。まるで赤ちゃんのようですね」

和夫は何も答えずただ、何もでない乳首を吸い続けている。

「おっぱいは出ないからミルクにしましょうか、美佐子、哺乳瓶にミルクを作ってくれる?」

女将は和夫の頭を外そうとするが、和夫はそのまま吸い続けている。女将は和夫の頭を撫で続けているが、そろそろと判断すると少し力を入れて和夫の頭をおっぱいから遠のけた。

「このくらいで終わりにしましょうね」

「もう、少しいいでしょう」

「今夜はお客様お一人なので特別サービスしましたよ。本来であればそう長い時間はお断りです」

そこへ美佐子がミルクの入った哺乳瓶を持ってきた。

「和ちゃんはおっぱいが好きみたいね。今度はミルクですよ。本当の赤ちゃん用の粉ミルクですよ」

美佐子が和夫の口に哺乳瓶をいれようとする。

「今度は美佐子さんのおっぱいが飲みたい」

女将より、美佐子の方が若いしボインのように見える。

「それは標準サービス以外です」

「以外というと?」

「別料金になってしまいますけど」

「いくらですか」

「一万です。そしておっぱいだけです。それだけですよ」

「一万?!触って吸うだけで一万ですか」

「美佐子はまだ若いし、そうさせてもらってます」

和夫は考え込んだが、美佐子がまた哺乳瓶を和夫の口にいれようとする。それを顔で振って振り払った。

「支払いはクレジットできます?人里離れた旅館だから無理ですよね」

「いえ、大丈夫ですよ」

「本当ですか」

和夫は一人旅で多少は現金を持っているが、1万、2万単位での請求には神経質になる。

「わかった。一万でOKだから」

「ありがとうございます。そして30分が限度ですよ」

「30分ですか、でも母乳も出ないので首が疲れちゃうから十分かも」

美佐子はブラウスのボタンを外すと、ブラジャも取った。和夫は美佐子の白い肌に豊満な乳に見とれた。そして美佐子はゆっくりと和夫の頭を膝に乗せて乳首を咥えさせる

和夫は女将のおっぱいでも十分に満足していたが、美佐子の乳首はまたより大きくなり、和夫を興奮させていた。美佐子の体は女将とはまた別の匂いがあり、和夫はしばらくは目を閉じて本当に赤ん坊のように乳首を吸っていた。

 

***

 

和夫は東京での会社勤めに疲れていた。仕事、人間関係そして恋人との別れ。今年の夏はそんな東京での生活から離れたくて1人旅を始めた。東京とはいっても都心から電車で30分離れた駅から徒歩10分に所にある工場だ。

仕事に慣れてきたが、逆にそれは毎日が単調になっていくことを示していた。上司はテニスのことで一杯。仕事の合間にはテニスの練習スケジュール、試合のスケジュール、メンバとの懇親会などテニスのことをやっているほうが多いように感じる。仕事もできるがそれ以上に会社のテニス部の仕事が多い。会社のテニス部のことだから仕事といえばそれまでだが、仕事、仕事に追いまくれている和夫からすると尊敬できるタイプではなかった。

 そして大学時代に知り合った恋人との別れ。和夫はまだ結婚には早いと思っていたが、同じ年齢の恋人は田舎で見合いをして結婚すると言う。2年も遠く離れて暮らしていると

心変わりもあって当然だ。それは和夫も同じだった。結婚には踏み切れず、かと言って恋人のままで継続もできない状況を和夫は理解して、恋人に結婚のお祝いをして別れた。この6月のことだ。恋人はジューンブライドで旅たった。

 和夫の職場は女性が極端に少ない工場だ。1つの課に50人程度がいるが女性は庶務の1人だ。会社は今後女性も積極採用をする予定としているが早くても来年の4月に1名の配属がある程度だろう。

そんな恋人との別れ、上司との信頼関係のなさから友人との夏休みの計画も断り、1人旅に出た。幸い、工場は夏休みをまとめて一斉にとることになっている。今年は8月に10日間だ。お盆にかかっているが早めに東京を出た旅だった。だから、和夫は今回のこの偶然とはいえ赤旅館に泊まれ、赤ちゃんのように扱われることに内心は満足していた。

 

***

 

「和夫ちゃん、おむつが少し冷えてきたようね。トレーニングの最後におむつを交換しましょう。時間もそろそろ30分です」

「もう、ですか」

「そうです、和ちゃんはおっぱいを吸いながら少し眠ったようです。あまりに気持ちよさそうなのでお越しませんでしたけど」

和夫は壁にある掛け時計を見た。確かに30分はすぎているし、目を閉じた後の記憶はあまりなく、本当にうとうと眠ってしまったようだ。

「はい、じゃーミルクと交代ね」

そういうと美佐子は哺乳瓶を和夫の口に入れた。和夫は仕方なく、少し冷えた粉ミルクをチューチューと吸い始めた。

 

「では和ちゃん、麦茶も冷えてきたし、お尻のお豆腐も冷えてきたでしょ。おむつをかえましょうね」

そう言えば、暖かい感触から冷えた感触が男の肉棒やお尻を襲っている。さっきまでの暖かいなんとも言えない感触から変化していた。

「さあ、ではおむつを替えますね」

女将は和夫が着ているベビードールを捲りあげた。そしてオムツカバーの紐を外し、ボタンをパチンパチンと外していく。

「いい子だから、ミルクを飲んでいてね、美佐子、哺乳瓶を押さえてあげて。まだ体はあんまり動かないでしょうから」

和夫は動かない体を仕方なく受け入れ、そのままミルクを飲んでいる。

女将はおむつカバーを外すと、おむつも外していく。お臍のところから順番に広げていく。

「そう、いい子ね。動かないでね」

女将はおむつで和夫の肉棒やお尻についている豆腐をふき取った。そしていつのまに準備をしたのか暖かいお絞りでまた肉棒やお尻を拭いていく。

「さあ、少し熱いかな?でもそのほうが気持ちいいでしょう。お尻の穴もきれいにしますよ」

和夫は肛門まできれいに掃除をされ、恥ずかしいやら気持ちいいやら、そのままなすがままにされていた。

「白粉をつけますよ」

女将は和夫の肉棒、お尻、肛門までも真っ白にしていく。

「はい、じゃ、またきれいなおむつをあてますよ」

女将はまた和夫に手際よくおむつをあてていく。和夫はミルクを飲みながらそのままにしていた。そして赤ちゃんの世界に酔いしれた。

「和ちゃんはいい子ね。はい、新しいおむつをしましたよ。今度は黄色いおむつカバーですよ」

和夫は飲みきった哺乳瓶を落とした。そして自分のお腹の方を見ると確かにおむつをされた感触を再度自分の目と下半身で味わった。

「お客様、当旅館はチェックアウトが10:00、チェックインが15:00です。さきほど言い忘れましたので」

「何か、体が言うことを聞かないよ。明日は大丈夫だろうか」

「初めてのお客様は皆さん、そう思われますけど、一晩ぐっすり寝れば大丈夫ですよ」

「ねえ、また女将のおっぱい頂戴」

「もう、サービスは終わりです。今日はお一人なので、あのお値段にしては十分なサービスでしょ。常連様からはもう少しいただいています」

「さっきも一万払ったじゃない。もう少しサービスしてよ」

「本当に赤ちゃんのようになってしまいましたか。今日だけの特別ですよ」

女将はまた、おっぱいを出した。和夫はきれいになったおむつに包まれて、女将の乳首に吸い付いた。

しばらくすると、和夫のお腹から「グー」という音が聞こえた。女将も美佐子の何も言わないが、和夫の腹には下剤の効果が現れ始めた。

「和ちゃん、ウンチはもう少し我慢しましょうね。少し溜めてから出しちゃいましょう」

「なんか、急にお腹が痛くなってきた」

「さっきのミルクに下剤と利尿剤が入っていたのよ。別に変なものを食べたからではありませんから大丈夫ですよ。今度は本当のお漏らしをしておむつ替えをします。さっきトレーニングをしたからもうおむつ替えは大丈夫でしょ」

「さっきは麦茶と豆腐だろ、でも今回は本物だからトイレに行くよ」

「体が動かないからそのまま、じっと我慢して溜めて溜めて出してくださいね」

「そんな、トイレに連れていってくれ」

「それが無理なのはわかってくれたでしょ。おむつをしているから大丈夫ですよ。この後のおむつ代えは別料金になります。お休みになってから夜中におむつ代えが必要な場合には、このボタンで呼んでいただければ、おむつを代えさせていただきますが、別料金になりますのでよろしくお願いします」

女将は平然と今後のことや万が一のオムツ替えの料金について説明する。和夫は尿意と便意と戦いながら女将の説明を聞いている。

「時間としては夜11:00から朝の7:00までです。その前後は無償でおむつをかえさせていただきますが、この時間帯は有料になりますので、よろしくお願いします」

和夫は更なる便意と尿意と戦っていたが、お腹の音もかなり大きくなり、そろそろ限度かなと思った。

「和ちゃん、そろそろ全部まとめて出していいですよ。さっきみたいにおむつを代えてあげますから、安心して出しなさい。それでおむつ替えをしたら今日は就寝しましょう。さっきおむつ替えのトレーニングをしたから、もう恥ずかしくないし、要領もわかったでしょ。黙って動かないでいい子にしているだけでいいのよ」

「ビリ」

和夫はとうとうお尻からだしてしまった。次の瞬間には肉棒から暖かいおしっこが出始めた。下腹部を暖かく染め上げてそして肛門のほうにもしみていく。そこで肛門からでたものと合体してはおむつに吸収されていくのもわかる。和夫の下半身は恍惚の状態だった。おしっこが止まったと思ったところに第2回の肛門からの噴出しが始まった。あまり踏ん張ることもなく、肛門から液体のようなやわらかいうんちが出ているのがわかる。

「そう、いい子ね、全部だいしちゃましょうね」

そういうと和夫の口におしゃぶりを入れた。

「このおしゃぶりがおっぱいだと思ってさっきみたいに、チュー、チューしましょうね。少し時間を置かないと全部でないでしょう。このおむつ代えの後、夜中のおむつ代えは有料ですので、お願いしますね。お金の問題もありますけど、やはり夜中に起こされるのは大変ですので、わかってください。はい踏ん張って。もう少し出しましょう」

「美佐子、写真とカメラを持ってきてくれる」

「カメラ!」

和夫は怒鳴った。ただでさえ恥ずかしいおむつをした姿を女性の前でしているので、さらに写真はおもいがけなかった。こんな姿を写真になんてとんでもない。

「赤ちゃんはそんなに怒ならいのよ。もう少し時間をおいて全部出しきるまでに、今までのお客様の赤ちゃんの写真を見せてあげるわ」

女将は和夫の頭をなでながら、いい子、いい子をする。

「おしゃぶりが落ちちゃったわね」

女将はおしゃぶりを取って、和夫の口に入れようとした。女将は和夫の顔をまじまじと見た。

「今日だけのサービスよ」

女将は和夫の唇に自分の唇を重ねた。和夫はいきなりのことで驚いたが、女将の唇と舌を吸い続けた。

「母さん、今年の分だけでいいよね」

女将は美佐子の声を聞くと唇を外した。

「そうね、お客様の顔は皆隠してあるから大丈夫ですよ。和ちゃん、ほら皆おむつをしてちゃんと交換もしているし、私や美佐子のおっぱいにもしっかり吸い付いているでしょ」

女将は和夫に一枚一枚説明をしながら写真を見せた。確かにそこには顔を隠された何人かが女将と美佐子の赤ちゃんになっている。おむつ姿やおむつ替えの場面、おっぱいを吸っている写真もあるし、旅館の中で遊んでいる写真もある。それは大きな歩行器に入っている姿もあるし、滑り台から降りた写真もあるし、人形と戯れている姿もある。

和夫は肉棒とお尻、肛門を刺激するものに下半身をゆだねながら、それらの写真をみた。

「ねえ、みんないい赤ちゃんでしょ。和ちゃんもこういう写真を残しておきましょうね」

「写真は要らない、要らないから」

「秘密はお守りしますので、大丈夫ですよ。さっきのおむつ代えのトレーニングも、おっぱいに吸いついてる和ちゃんも立派な赤ちゃんだから何も心配ないのよ」

「でも写真は止めてくれ」

「これは当旅館の規則ですので、だめです。私たちの思い出ででもあるのでわかってください。さきほど署名いただいた契約書もありますので」

和夫は動かない体ではどうにもならないことを知りながら、そして肉棒とお尻、肛門へのあの感触を楽しみながら自分のそういう写真を想像した。おしっこやウンチに塗れた自分の下半身の感触を楽しむというのは可笑しかったが、初めての経験に酔いしれていた。

「母さん、そろそろかな」

「そうね、では本当のおむつ交換をして就寝しましょう」

女将はまた、和夫のおむつを外し始めた。今度はおしっこやうんちの匂いが立ち込めていく。

「美佐子、軽く扇風機を回しましょう」

美佐子は扇風機のスイッチを入れる。和夫にもその匂いは来たが、扇風機のおかげで充満することない。夏なので部屋にはクーラがかかっている。だから窓も閉まっている。その匂いは早く散らばしたいため扇風機は威力がある。

「一杯、しましたね。出ましたね、そう、美佐子、写真を撮ってね」

女将は和夫をあやしながら、和夫のおしっことウンチに汚れたおむつを手際よく代えていく。女将が和夫のおむつを外すと今度は美佐子が和夫の両足を持ってあげる。

「今度はようくきれいきれいしないとおむつ被れしちゃうからね。はい、今度は私が持つから写真をお願いね」

そう言うと、お絞りで肉棒も肛門もお尻も念入りにきれいにしていく。美佐子はデジカメでパチパチと写真を撮っていく。和夫は写真を断ることもできずにそのままにされている。しかし、さっきのトレーニングとは異なり、自分のおしっこやうんちを見られ、さらに美佐子に両足を上げさせられ肛門まで女将に目の前で見られ、触られていることに興奮した。

「和ちゃん、あらま、おちんちんが大きくなったわよ。本当は赤ちゃんのようにおむつして交換させられるのが好きなんでしょ」

和夫は答える言葉がないが、自由が効かない体なのに肉棒だけが元気よく大きくなったのは感じていた。

「もう、おしっこ出たから、おちんちん大きくなってもいいけど、おしっこするときに大きかったら大変だわ。でも、もう大丈夫ですよ」

女将はまた、シッカロールを下腹部の隅々まで付けてまた新しいおむつを和夫に着けた。

「今度もキティちゃんの色違いのおむつカバーですよ。朝までキティちゃんとおむつで一緒ですよ」

和夫はきれいになった下腹部に新しいおむつを感じてほっとした。

「それでは、就寝の時間です。朝の7:00にはまたおむつを取替えに来ます。それまでにもし、交換の必要がある場合には、このスイッチで呼んでください。ただし、有料です。そして、TVのリモコンと、これがお部屋の電気のリモコンです。戸締りはしていきますのでゆっくりとお休みください。明日、今お取りした写真をみていただきますね」

女将はそういう説明をしながら、布団を敷き、美佐子と二人で和夫を布団の中に寝かせた。

「それでは、お休みなさい」

和夫は女将と美佐子が出ていった後もしばらくはおむつの感触に酔いしれた。そしてさっきのおしっことウンチに塗れた下半身のおむつを替えてもらったこと、女将と美佐子お豊満な乳を吸ったことなどを想い浮かべていた。

「おれは、赤ん坊みたいにされることが本当は好きなんだろうか」

そんなことを考えながら睡魔を感じたので和夫は電気の明かりをリモコンスイッチで切って眠った。

 

***

 

翌朝、女将が和夫の部屋に挨拶をしながら入ってきた。

「おはようございます、失礼します」

女将は窓を開け、和夫の布団のそばにやってくる。

「どうですか、よく眠れましたか。おむつはどうですか、失礼しますよ」

女将は和夫の下半身の布団を捲り上げると、おむつの脇から和夫の肉棒めがけて手を入れてきた。

「大丈夫ですね、おしっこはしていないし、ウンチも匂いが無いから大丈夫ね」

女将は和夫のおむつに顔を付けて匂いを嗅いでいる。

「オネショとウンチは大丈夫ね。チェックアウトまででしたらおむつ交換しますよ。あるいはもう、体が動くでしょうからおトイレでも行きますか。その場合にはもうおむつは片付けます。朝食の後はチェックアウトまでゆっくりしてください。チェックアウトは10:00です。また朝食は8:00にこのお部屋にご用意させていただきます」

「女将、まだ体がだるくて仕方がないよ」

「もう、体は動くと思いますよ。そんなに長く効く薬ではありませんので」

「動くのは動くけどなんか、すごく体がだるい」

「いいですよ、チェックアウトまでは赤ちゃんですから、おむつも交換させていただきますよ。もし、トイレに行けなければおむつの中にお漏らししてください」

和夫はなんとか、体が動くのはわかっていたが、昨夜の赤ちゃんとしてのもてなしが忘れられない。おむつの中にお漏らしをした感触、おむつをきれいに取り替えてくれる感触、おっぱいを吸っている時間。それらがまだ忘れられずにいつまでもそういう環境にいたい。そんな気持ちで一杯だった。

「すいません。昨日見せてもらった写真の赤ちゃんは皆、女性だったような気がしたけど」

「ほとんどは男性ですけど、中には女性の方もいらっしゃいますよ」

「ほとんどは男ということは?」

「そう皆さんには女装もしてもらっています。おむつを代えるのにスカートの方が代えやすいでしょ。ロンパースの人もいたでしょ。衣装も持参する人もいらっしゃるし、こちらでお貸しすることもできます。それからお化粧もしてあげますよ。赤ちゃんだから女性の姿のほうが可愛いでしょう。和ちゃんにもこのベビードールを着てもらっているし。そう、そう、朝食の用意がありますので失礼します」

「すいません、あと一つ」

「はい、なんでしょう」

「遊んでいる部屋の写真があって滑り台や歩行器やがらがらなんかもいろいろ赤ちゃんの用具も一杯写っていたけど」

「よろしければ朝食のあとにご案内します。赤ちゃんのお部屋が奥にありますので。それでは朝食後にお見せします」

和夫は赤ちゃんの格好をしておむつをしておっぱいまで吸ったが、女装はどんなもんかと思った。また赤ちゃん部屋ではたぶん何人かの大きな赤ちゃんが遊ぶのだろう。和夫には想像できない世界であったが、忘れなれない世界を聞いた。

「後で見せてもらおう」

和夫はまだ布団の中にいる。さきほどから溜まり始めた尿意をどうしたものかと思った。

一人でトイレに行こうと思えば行けなくもない。しかし、昨日の筋肉弛緩財のせいだろうが、すごく体がだるい。いっそこのまま、おむつの中に漏らしてしまおうか。昨日のあの感触をもう一度味わってからチェックアウトしてもいいだろう。和夫はそんなことを考えながら布団の中で過ごした。ふと時計を見るともうすぐ8:00になってしまう。漏らすなら今だと思い和夫は布団の中でおむつを濡らした。

「失礼します。朝食です」

おむつの中におしっこをお漏らしした直後に女将の声がした。

「あら、まあ、まだ布団の中ですか。朝食ですので起きてください。おむつは大丈夫かな?」

女将はさっきと同じように布団をめくり、おむつの隙間から手をいれてくる。

「あらま、おしっこ出ちゃいましたか?和ちゃん。ではおむつを取り替えてから朝食にしましょう。あ、そうそうチェックアウトの日はこれでおむつはおしまいなので、きれいにした後はお客様の下着と洋服、または浴衣でもいいですがそちらをお召しになってくださいね」

女将はまた要領よくおむつをはずしていく。そしてお絞りでふき取ったあとはおしろいを塗った。

「後はお客様の下着をお召しになってください。朝食のご飯とお味噌汁を持ってきますね」

和夫はあっけなく終ってしまったおむつ替え、ではなくおむつを外すだけの作業にがっかりした。チェックアウトまではおむつをしていられたかもしれないのに。

「さ、冷めない内に召し上がってくださいね」

和夫が下着と昨日着ていた洋服を着た後、女将はご飯と味噌汁をお膳の上に載せた。

「チェックアウトの日は赤ちゃんをなるべく早く卒業して、皆さん出発の準備をされますよ」

なんとなく不機嫌になった和夫の姿を見て女将が言った。

「連泊する人もいるんですか」

「それはいらっしゃいますよ。そのときは一日中、赤ちゃんに成りきっていただいて、後でお見せする赤ちゃん部屋で遊んだり、外に散歩にいったり、赤ちゃんに浸っていただいています」

「女装をしてですか」

「女の子の赤ちゃんの姿になってもらうだけです。和ちゃんもピンクのベビードールをさっきまで着ていたでしょ。とてもお似合いでしたよ」

和夫は昨日の洋服に着替えた後で、朝食を食べ始めながらいろいろ質問をした。

「昨日の私の写真は」

「まだできていないんですよ。今度こちらに来るときにお渡しするか、郵送しましょうか。後、他のお客様にも見てもらいます。もちろん顔は隠しますので大丈夫ですよ」

「昨日のカメラはデジカメでしょ。すぐに見れるよ」

「そうですけど、顔を隠したり当旅館なりの編集がまだ終わっていませんので」

和夫は朝食を食べ終えた。

「もう、一泊しようかな」

「ええ、どうぞ、週末は予約があるんですけど、それまではお客様はいらっしゃいませんので、サービスさせていただきます。ただし、普通のお客様は一泊5万円です」

「5万ですか」

「今回は初めてでしたので、サービスです。通常こういうサービスがあって一泊で2万円というのは都会では考えられないお値段だと思いますよ」

そう言われればそうかもしれないが、予想外の値段に二の足を踏んでしまう。もう一度あの感触を味わい、一日中赤ちゃんとして過ごしてみたい気もするが、背に腹は変えられない。

「クレジットでも大丈夫ですよ」

女将は迷っている和夫に追い討ちを掛ける。

「そうしたいけど、やはり今回は今日チェックアウトします」

「そうですか。また来てください。和ちゃんはおむつが好きになったようですね。女の子の赤ちゃんの姿も良く似合うと思うのでまた是非来てください。インタネットで予約状況は見ることが可能ですよ。でも、予約は電話でお願いしますね。間違って当旅館に来ていただいても残念なので、電話で予約をしてもらっています」

「ご馳走様」

「はい、お粗末様です。それではチェックアウト時間までゆっくりしてください」

女将は朝食のお膳を持って部屋から出て行った。和夫は窓から庭の方を見た。そこには大きなおむつとおむつカバーが既に干されていた。美佐子が次から次へとおむつを干している。和夫はチェックアウトの支度を始めたが、さっきの赤ちゃん部屋を見るのを忘れてフロントから女将を呼ぶ。

「すいません、さっきの部屋を見せてほしいのですが」

「はい、少々お待ちください」

奥から女将の声がする。和夫はフロントから改めて回りを見回した。するとフロントの隅にもう一つのドアがあるのに気づいた。そのドアには何も書かれていない。もしかするとこのドアの中が赤ちゃん部屋かと思った。そこに女将が現れやはりそのドアを開けて和夫を招き入れる。

そこには大きなベビーベッド、ベビーウォーカ、滑り台、そしてディズニーの大きなぬいぐるみが3つあった。小さな人間の子供よりだいぶ大きい。壁にもディズニーのキャラクター達がところ狭しと並ぶ。天井にはメリーゴーランドがあった。女将がスイッチを入れるとガラガラと鳴った。部屋全体が薄いピンク色にそまっている中でそのメリーゴーランドからはオルゴールも鳴り出した。

「赤ちゃん用品が皆大きいですね」

「そうですね、大きな赤ちゃん専用ですので」

「ディズニーのぬいぐるみもかわいい」

「東京を離れてこちらに来る前に記念にディズニーランドに行ってお土産でいろいろ買ってきたり、通販で購入したりです」

和夫はそれほど広くないが大きな赤ちゃんが2人くらいは十分遊べる部屋を隅から隅まで歩いた。そしてベビーベッドに行けばそれに触り、ベビーウォーカの所に行けばそれに触りを繰り返した。

「お気に入りましたか」

はっと我に返った和夫は照れるようにして振り返り女将を向かい合う。

「今度は連泊してここで遊んで、そして外にもお散歩にもいきましょうね」

「でも、他のお客様もいると何か恥ずかしいな」

和夫はもう、大きな赤ちゃんの虜になってしまった。それを自然に表現するまでにはまだ抵抗感があるが次にここに来て今度はどんなプレイをするかを想像していた。

「皆さん、同じ気持ちの大きな赤ちゃんですし、プライバシーはお守りします。もちろんお客様同士の交流は自由ですよ」

「一般のお客様と一緒になったらどうするの」

「一般のお客様と大きな赤ちゃんは一緒には泊まれません。大きな赤ちゃんがいるときは一般のお客様は泊まれないことにしています。ですので安心してください」

「でも、高いな、東京からの交通費も考えると大変だ」

和夫はまた来たい気持ちは一杯だが、費用については二の足を踏んでしまう。中堅サラリーマンで独身貴族だから払えないことはない。近いうちにまた来たい気持ちは本当だ。しかし、おむつをした赤ちゃん姿に酔いしれても何かすっきりしていない気持ちがある。

「お客様、昨日は大きな赤ちゃんのお試し版でしたので、すっきりサービスは無かったのですが、正式料金であれば大人としての爽快さも満喫できます。そうであれば納得のいくお値段と思います」

「すっきりサービスって何?」

「おむつをしておちんちんが大きくなっていましたけど、それを小さくするサービスはお試し版には含まれていません、ということです」

「へえ、それはどういう方法で?」

「いわゆる男と女のセックスはありません。私たちは娼婦ではありません。私たちはおむつで大きくなったおちんちんを目、手と口で奉仕します」

「目、手、口?」

「そうです。目はもちろん、おむつ姿をご自身で確認していただく、そして私たちの乳を見ていただく。次に手はもちろん私たちの手です。口についてはお客様がお風呂に入られた後のいわゆる尺八です」

「ようはおフェラという事?」

「そうですねかね、またのお楽しみですね。ですのでよろしければまた近いうちに来てくださいね」

和夫はもやっとしている気持ちの原因がわかった。そう男として大きくなってそのままで放出していないのですっきりしていないのだ。それに気づいた和夫の気持ちは固まった。

「今度近いうちにまた来よう。今度は連泊したいな」

和夫は荷物をまとめてフロントへ向かった。チェックアウトの後、庭に大きなおむつやおむつカバーを美佐子が干している。それを横目で見て和夫は車のエンジンをかけた。

女将と美佐子がその車の音に気づくと駐車場に近づき、和夫に一礼をする。和夫が再度赤旅館の玄関を見るとそこに立っている2人の姿が和夫の目に入った。

「お気をつけて」

女将と美佐子は別れの挨拶を言うと再度一礼した。和夫も思わず一礼をして言った。

「お世話になりました」

和夫は車に乗り込み、昨日来た山道を走り出した。朝から夏の強い日差しの中が和夫の車を照りつける。和夫はその日差しの中を走りながら思う。

「もう一度ここに来よう」。

(続く)

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