4.コンビニ・ベビー
 
翌朝の日曜日、恵子は8時に目が覚めた。今日は昼からコンビニのレジの担当だ。和也を赤ちゃんにして面倒をみることができるのは午前中しかない。恵子は早速朝ごはんの支度にとりかかる。朝食のめどが立つと、和也を起こしにかかる。
「お漏らしさん、もう朝よ。今日は私は昼からコンビニの仕事なの。赤ちゃんになってもらえるのは午前中しかないから早く起きて」
和也は昨日の恵子との幸せを感じていたが、恵子の赤ちゃんになるということを軽く引き受けてしまったことに後悔していた。それが、今の恵子の言葉で不安になってくる。赤ちゃんになるというのはどんなことをさせられるのか。不安を感じながらも朝のトイレのモヨオシを感じると、トイレで用を足す。
「あら、おむつをあててあげる前にトイレに行ったの」
「え、そりゃ、トイレで用は足すよ」
「そうじゃなくて、私の赤ちゃんになってくれるのでしょう。おむつも当ててあげるからお漏らしはおむつにしていいのよ」
「そんな」
和也は思いかけない言葉にびっくりするが、赤ちゃんになるということはそういうことなのかと初めて気づくが、そこまではしたくないと思う。
「もう、朝ごはんの準備ができたけど、お着替えして、赤ちゃんの格好でごはん食べましょうね」
恵子は奥の部屋へ消え、しばらくすると手に一杯の衣服を持って和也の前に現れた。
「まず、おむつからね。大人用のかわいい布おむつとおむつカバーは作るのに苦労したのよ。はい、パジャマを脱ぎましょうね」
恵子は有無を言わさず、和也のパジャマのズボンを脱がし始めた。ズボンを下まで降ろし足をあげて取り除かれるや否や、恵子は和也のトランクスも一揆に下へと降ろす。
「ひゃ」
思わず和也は声を出し、あらわになった急所を手で隠す。
「いいのよ、隠さなくて、大丈夫、赤ちゃんなんだから。昼間はおしっこのお漏らしだろうから布おむつね。朝のうんちのお漏らしの時には洗濯が大変だから紙おむつね。だから、今は布おむつをあててあげますね」
恵子は抱えてきた衣服の中から、おむつカバーを広げ、その上に布おむつを広げていく。横に2枚、縦に2枚を広げると和也の手を取り、おむつの上に座るように誘導する。
「あの、おむつはいいですから。トイレで用を済ませるから」
「何言ってるの。約束したでしょ。私の赤ちゃんになってくれるって」
恵子は力を入れると、和也を引っ張り、和也をおむつの上に座らせる。そして頭を後ろにして寝かせると和也の両足を広げていく。
「あの、本当にいいですから」
「最初っから言うことを聞かない赤ちゃんだこと。怒りますよ、さ、手をどけて、おむつが当てられないでしょう」
急所を隠している和也の両手を払いのけると、恵子は和也の股の間からおむつをお腹の方へと当てていく。腰の方から横になったおむつをあてると、また股からおむつカバーをあてていく。そしておむつカバーのホックを一つずつはめていく。
「パチ、パチ」
和也はその音を聞くと、自分のお尻に今まで感じたことのないおむつの実感を感じた。やさしくお尻と急所を隠した布おむつが温かく、やさしい。
「さ、これでお腹のところで紐を閉じれば完了よ。おむつかわいいわ。どう、この熊さんのデザインはいいでしょ」
まっ白なおむつをピンクのおむつカバーが隠し、おむつカバーには熊さんが笑っている。
「さ、次はシャツね。これはいいのがなくてね。まずTシャツで我慢してね、でも、スカート付きのロンパースを用意してありますからね」
恵子は和也のパジャマの上着も脱がすとTシャツを着させていく。次にロンパースを着させられる。大人用では見かけないロンパースだが赤ちゃん用と同じくその下部にはホックが付いている。
「お漏らし君、なぜ赤ちゃんはこういうロンパースを着るか分かる?おむつ替えの時にこうしてロンパースのホックだけを外せばすぐにおむつを替えられるでしょう。全部脱ぐなくてもおむつ替えができるから楽なのよ、ロンパースは」
初めて聞く内容だったが、和也にとっては要らないものである。だが、今は赤ちゃんにさせられているのだから仕方ない。
「ほら、このロンパースにはスカートも付いているから女の子らしいでしょう。それからよだれかけと帽子ね。そうそう、少し寒いかな、靴下はハイソックスにしてあげる」
梅雨の季節なので寒くも暑くもないが、ハイソックスくらいないと下半身は多少寒い。スカートが付いているロンパースとはいえ、おむつカバーの位置を隠すのがようやくの超ミニのスカートだ。
「はい、できた。立ってみて」
和也は仕方なく立ってみるが、お尻を覆うおむつが股を多少開けさせる。股に違和感というか今までに感じたことのない感触は本当に自分がおむつをあてられてしまったということを実感させられる。恵子は和也を誘導すると恵子の三面鏡の前へと誘導していく。三面鏡の前に立つと、和也は女の子に赤ちゃんのような格好になっていることに驚きながらも変わり果てた自分の姿に唖然とする。和也は身長150cmでやせ形だ。ミニスカートのロンパースはよく似合う。でも、露わになっている太ももからふくらはぎのあたりには毛深いというほどではないが男らしい毛が生えているし、女の子らしいもち肌でもないのが違和感を感じる。
「やっぱり、肌が男ねえ。この肌も赤ちゃんのようにしましょうね」
恵子は今さらながらに和也が男であることに関心すると引き出しからクリームのような入れ物を出してくる。
「これ、赤ちゃん肌クリームなの。まずは両足に付けるわね。今度おむつを替えるとときにはお股にもたっぷり付けてあげるわね。それと応急処置にはタイツを履きましょう。まずは無難な白いタイツね。そうそうハイソックスは一度脱いでそれからタイツを履くとかわいくなるわ」
和也が男らしい毛の生えた両足が隠れると少し女の子の赤ちゃんらしくなってくる。恵子は少し満足した顔になってくる。
「朝ごはんを食べたら、少しお化粧してあげる。それで女の子の赤ちゃんらしくったら写真を一杯取ろうね。今日は赤ちゃんの誕生日だからね、あ、それから、両膝を付けて、足は内またで歩くのよ。そう、その方が女の子らしいわ。じゃ、朝ごはんを食べましょう」
キッチンのテーブルに移動すると、恵子はごはんに味噌汁、そしてハムエッグを並べていく。
「少し冷めちぇったかな。でもそのほうが赤ちゃんには安全かな、さ、食べましょう。そうそう、食べさせてあげるわね」
「いいよ、自分で食べるから」
「駄目よ、食べさせてあげる」
恵子はスプーンで味噌汁を少しすくいあげると自分の口で息を吹きかけて、フーフーと言う。
「さ、冷めたかな、はいお口を開けて」
和也は仕方なく、口を開けると恵子はすかさずスプーンを和也の口に入れる。
「はい、上手よ、つぎは卵ね」
卵に続いてごはんもスプーンで和也の口に入れる。愛らしい赤ちゃんを見るようにして和也が口を動かして飲み込むのを確認すると今度はハムを少し箸でちぎっている。
「もう、自分で食べるから」
「仕方ない子ね、でも最初はこれくらいにしましょうか。私もお腹がへっちゃったわ」
それからの朝ごはんは自然に大人らしく食べることができた。恵子が入れてくれたお茶を飲むとほっとする。食後も間もなく恵子は和也へのお化粧について話をしてくる。
「赤ちゃんらしくなるためにはまずお顔よね。それも女の子の赤ちゃんらしくするためのお化粧が必要よね。少し髭が伸びているわね」
「ああ、休みの日はだいたい剃らないから。それにいつもは電気シェーバで簡単に済ませている」
「だめよ、チャンと剃刀できれいにしなきゃ」
恵子は男っ気のない家に中ではあるが、髭剃り用の剃刀とシェービングクリームと温かそうなタオルを持ってくると和也の顔にタオルを当ててくる。ちょうど口とが隠れるくらいに温かいタオルを当て続ける。
しばらくすると、タオルを取ってシェービングクリームをたっぷりと縫ってきれいにそっていく。
「ほら、きれいになった。それから顔と首にも赤ちゃん肌クリームを塗りますよ。それからお化粧ね」
恵子は手際よく和也に化粧をしていく。うっすらと赤い口紅を塗り終わると、リビングの上にカメラをセットし始めた。最近のコンパクトカメラに比べるとずいぶんと大きい。それは最近女性にも人気が出ているデジタルの一眼レフのカメラだった。
「どう、いいカメラでしょう。ふんぱつして買ったのよ。さ、そこへ立ってみてくれる?」
和也はソファの前に立つと恵子はさっきと同じことを言う。
「膝を付けて、そ、両足は内股にしてね。ハイ、チーズよ」
カシャ、カシャとデジタルカメラのシャッター音が鳴り響く。恵子は和也の正面から横から、後ろからとシャッターと押しつづけていく。時にアップになったり、引いて全身を撮ったりと忙しい。
「もう、いいでしょう?」
「そうね、でも、もう一枚」
恵子は和也に近づき和也の近くで膝を付いて下からのシャッターのポーズを考えている。
「そ、そのおむつを隠したロンパースが見えた写真が撮れたわ」
恵子はカメラをテーブルの上に置くと、さらにセットしているようだが、それが終わるとキッチンへミルクの準備に行く。
「さ、ミルクの時間ですよ。無精ひげの状態で哺乳瓶からミルクを飲ませるのは抵抗があったけど、これならかわいい赤ちゃんね」
ソファに座った恵子は和也を膝枕にして寝かせるとミルクを哺乳瓶から飲ませていく。
「おいしい?熱くない?大丈夫かしらね、じゃ、このツーショットで1枚かな」
恵子は右手で哺乳瓶から和也にミルクを飲まし、左で何かをした。その瞬間、カシャという音とフラッシュの光で和也はまた写真を撮られたことを知った。
「お漏らし君、あのテーブルの方を見てくれる」
和也が振り返った瞬間、またシャッターがきられる。恵子は左手にカメラのリモコンを持って操作していることを説明すると和也も何が起きたのかを知った。
シャッター音も途切れて和也はほの温かいミルクを哺乳瓶から吸った。物心ついてからは初めての哺乳瓶の感触でこういう感じかと納得しながら柔らかい感触に目を閉じてミルクを吸う。その瞬間、今度は少し小さい別の音のシャッター音が響いた。
「今度は携帯のカメラで至近距離からのアップ写真よ。そのまま哺乳瓶を吸っていて」
いつの間にか恵子は右手で携帯を持ち、ディスプレイに写った哺乳瓶から飲んでいる和也を確認するとシャッターを押していく。
「この場面のツーショットも撮ろうね」
恵子は満足しながら携帯のシャッターを押し続けていく。そうこうしてうちに哺乳瓶のミルクがなくなってきた。空気を吸うような音に恵子もミルクがなくなったことに気づく。
「いい子ね、ミルクはこれでおしまいね。哺乳瓶を取りますよ。口を開けて乳首を離してね」
和也は少し意地悪な遊び心で口の中にある乳首を離さずにいると恵子は怒りもせず、和也をあやしていく。
「あら、哺乳瓶が大好きなようね。でも次はおっぱいよ。母乳も飲んでくださいね」
和也はびっくりすると哺乳瓶を加えている口を開ける。恵子は哺乳瓶を丁寧にゆっくりと取り上げると着ているブラウスのボタンを外していく。そして左側のブラウスのカップを恥ずかしげもなくめくると恵子のバストが露わになった。それは夜の男の女の営みのうす暗い中での印象とはまた違う赤ちゃん用のおっぱいだ。透き通るような白いもち肌に濃い肌色の乳首が和也の眼の前に現れた。恵子はその乳首を和也の口へと誘導すると左手で和也の頭を抑えてバストに押し付けてくる。和也は口に入ってきあ乳首をやさしく舐めながら吸う。当然母乳は出てこないが、必死に吸っては舐める。
「いい子ね、母乳は出ないけど我慢してね」
恵子は和也の目をじっと見つめながら母乳を授乳する。そしてまた、携帯を取り出すとおっぱいを吸っている和也をアップで撮ったり、自分の顔を入れたツーショットの写真を何枚か撮っていく。
「はい、もういいかな。今度はおしゃぶりね」
恵子は和也の口から乳首を抜くと、いつの間にか持っていたおしゃぶりを和也の口に入れる。そして自分のバストをブラジャで隠し、ブラウスのボタンをはめていく。
「そうそう、おむつは濡れていない?まだおむつ替えをしていないわ」
「大丈夫だよ」
恵子は和也のおむつの中に手を入れて確かめると、お漏らししていないのでおむつ替えする必要はないと思うが、まだ、赤ちゃんにしてあげていないことが心残りだ。
「あら、もうこんな時間。11時半だわ。私はお昼の12時から仕事だから今日はおしまいにしましょう。お漏らしした後のおむつ替えは次にしましょうね。また今度の土曜日の夜にいらっしゃい。夕食の準備をしていますから。そしてお泊りして次の日の朝はおむつにお漏らししてね。きれいにおむつを替えてあげますからね」
「お漏らしは遠慮するよ」
恵子はそのことには触れずに和也を起こさせて和也のおむつを外しにきた。
「おむつは汚れていないけど洗濯して、そしてお化粧して仕事に行かなきゃ。あとの着替えは自分でできるわね」
恵子はおむつだけを外すと、浴室のほうへと行きそのあとは化粧を初めてようだ。和也はよだれかけを外し、赤ちゃん帽を外すと自分の下着を付け、洋服を着る。洗面所に行って自分の顔を見ると赤ちゃんのような顔を確認すると何度も顔を洗う。髪の毛の七三に手でかき分けるとようやくいつもの自分に戻った。
「こんなことをしていていいのだろうか」
自分に問いかけるが、和也は今のところ恵子の女性の体とやさしい心に勝てそうもない。そう自分に言い聞かすと、今日の予定を考える。どこかで昼飯を食べて家に帰ろう。
和也がリビングに戻ると恵子はおむつを持ってリビングからつながっているテラスに出ていき、物干しざおに和也が当てていたおむつとピンクのおむつカバーを干していく。
「お漏らししたわけじゃないから簡単に洗濯して干しておくわね」
和也はさっきまで自分が当てていたおむつを不思議そうに見る。すべてが干されて恵子が部屋に戻ったところで、和也は帰ろうとする。
「お漏らし君、じゃ、また今度の土曜日の7時に待っているから」
「じゃ」
和也は簡単に返事だけすると玄関から出て行った。2階の玄関から出て、階段を下り始めると反対側から1人の女性が上ってくる。
「こんにちわ」
「ええ、こんにちわ」
お互い知らない同士だが、コンビニのオーナとのつながりがあると確信しているので、簡単な挨拶が自然と出ていた。和也はそのまま、階段を下りるとそのまま駅の方へと歩いていく。
階段を登りはじめた女性は同じコンビニでアルバイトをしている加藤明子だ。看護学校へ通っているが時間が空いているときはコンビニでアルバイトをしている。その明子は実家からの呼び出しで久しぶりに北海道で里帰りしてきてそのお土産を恵子に届けに来たのだった。明子が階段を登りつめると玄関を開ける前に明子に目に飛び込んできたものがあった。それは最近ではほとんど目に付かなくなった洗濯物だった。明子はそれは赤ちゃんのおむつとおむつカバーであることは理解できたが、理解できないのはその大きさだった。玄関から丸見えのその洗濯ものをもう一度確認すると玄関のチャイムを押す。
「あら、明子ちゃん」
「ただいま、これ北海道のお土産です」
「あらありがとう。お茶でもと思うけど、これから仕事なのよ」
「はい、私もこれから仕事です」
「あらそうだったわよね」
「でも、店長、一つだけいいですか?」
「あら、何?」
「そこに干してあるのはおむつでしたっけ」
「そうよ、今ここから出て行った人がいたでしょう、あの人のおむつよ」
明子はあのおむつの大きさの理由はわかったが、なぜ、あの人がおむつを当てていたのかがわからない。さらにさっきすれ違ったときにはおむつをしているようにはみえなかったし、さらに店長とあの人との関係もわからない。
「さ、もう時間よ、仕事しましょう」
「あの、あの人は?」
「あ、休憩時間にでも話してあげるわ」
恵子と明子は二人してコンビニの仕事に向かっていった。
 
おとなの赤ちゃん返り
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