5.もう1人のママ
 
次の日曜日の朝、和也は恵子のベッドで目を覚ました。恵子はもうベッドにはおらずキッチンで朝食の支度をしているようだ。時計を見ると8時半だ。いつもの日曜日ならもう少し寝ているが、恵子の部屋だと緊張しているのか早く目が覚めてしまう。それともうひとつ昨日寝る前に当てられた紙おむつの感触が気になっていることも原因かもしれない。そしてパジャマとしてベビードールを着させられ眠りについたがどうも下半身がスウスウすることも原因だと思う。かわいい女の子の赤ちゃんのパジャマにはベビードールが似合うからと恵子は押し通したのだった。ベッドの中でそんなことを考えていると、恵子はやってきた。
「お漏らし君、もう9時になるわよ。朝ごはん食べるからもう起きなさい」
「もう起きているよ、トイレに行ってくるから」
和也はべっドから起きてトイレに行こうとするが、恵子は和也の手を取って行かせようとさせない。
「どうしたの」
「約束でしょ。今日はお漏らししておむつを替えてきれいにしてから朝ごはんにしましょ」
「お漏らしはいやだよ、トイレに行くから」
「あ〜あ、今日はあのバイトの女性の明子さんが遊びにくるわよ。うら若き女性の前でおむつ替えをしたほうがいいのかな?」
「明子さん?」
「そう、二十歳かな。加藤明子さんって言うの。あなたのことを話したら是非遊びに来るって。10時に来るって言ってたわよ。まごまごしていると来ちゃうわよ」
「そんな、だからトイレに行くのだから」
「お漏らし君、約束でしょう。そのために昨日の夜に紙おむつを当ててあげたでしょう。小さいのも大きいのも早く出して、きれいにしてあげるから。そして昼間は布おむつにしてあげるからね。布おむつには大きいのは漏らさないでよ」
「でも、立ったままでなんかできないし、汚いし、恥ずかしいから」
和也はいつもの朝の排泄欲が大きくなっているのがわかる。ベッドの中で眠気で寝ていると大小両方の排泄欲が大きくなって起きることがよくある。今日もその排泄欲がありいつもより早く起きたのかもしれない。そこへ恵子がやってきて話しをしているとますます両方の排泄欲が大きくなっているのがわかる。
「お漏らし君、あなたのお漏らしはもう一度ケアしてあげているでしょ。あの時はバリウムで少し白かったわね。もう経験済みだから恥ずかしくないわよ。でもね、じゃ、こうしましょう。立ったままじゃ難しいし、トイレに行きましょう」
「本当?」
和也はようやく恵子から解放されたと思い、すぐさまベッドから起き上がりトイレに向かう。だが、恵子は和也の後を付いてきながら話しかけてくる。
「トイレに座ってならできるわよね。見ていてあげるから早く出してすっきりしなさい。もちろんおむつの中によ」
和也は恵子の言葉に現れた見ているとか、おむつの中にという意味がよくわからなかったがもう排泄欲がかなり大きいので、和也はかまわずトイレへと向かう。トイレの電気と換気扇のスイッチを付けてドアを開けて中に入り、ドアを閉めようとすると恵子がトイレのドアを抑えて中に入ってくる。
「トイレは狭いから、ここで見ていてあげるわね」
「早く出て行ってくれよ」
和也はベビードールを捲くりあげて紙おむつを外そうとしたが、恵子はその和也の手を除けると和也を便座に座らせる。
「おむつを外さないと」
「いいのよ、そのまま座って早くチーチーしましょうね。おむつが外せるようになったらちゃんとトイレの使い方を教えてあげるから。赤ちゃんはおむつの中にお漏らしするのよ。いいわね」
「そんな、早く外さないと出ちゃうよ」
「いいのよ、早くしましょう。このまま時間が経つと明子ちゃんが来ちゃうわよ。明子ちゃんの前でおむつ替えすることになってもいいのかしら」
「それは嫌だけど」
「じゃ早くしましょうね」
恵子はおむつをしまた便座に座っている和也の頭を撫でたり、肩を撫でたりして和也にやさしくしてくる。和也はもう限界の大小便の排泄欲に勝とうとしていたが、若い女性の明子には見られたくないという思いからついに排泄欲が勝ってしまう。最初は小便で温かい液体が放出されていく。液体は紙おむつに吸い込まれているのだろうが勢いがあるので液体はお尻の方までたどり着いている。そして大きな方も一線を超してしまった。これも温かいものがお尻の方まではみ出していくのがわかる。両方の排泄が終わると、恵子がそばにいるのも忘れて和也はホットと息をついた。
「お漏らし君、上手にできたかな。全部出し切ってね。きれいにしたら布おむつしましょうね。もう全部出たかな」
和也は言葉もなく俯きながら顔を立てに振った。それを確認すると恵子は和也の手をやさしく握る。
「じゃ、おむつ替えましょうね。きれいきれいしてあげる」
恵子は和也をリビングへ誘導してソファに座らせようとする。和也はソファに座ったらあれが広がってしまう思うとそのままそこに立ったままでいるしかなかった。
「今、準備をしますからね。ビニール袋とウェットティシュとそれから、おむつかぶれ防止の軟膏薬とそれから布おむつとおむつカバーね」
恵子は要領よく必要な物を準備していく。和也は相変わらずそのまま立ったままだ。大小便の両方は少しずつ冷えていくがまだほの温かさを持っている。気になるのはその重さだった。両方の重さにより紙おむつが下に落ちていくのではないかと心配をしていると恵子が声をかける。
「はい、準備ができましたよ。ここに横になってね」
恵子はソファの前に和也を横に寝かすと、紙おむつを外し始めた。
「あ、そうだ、換気扇を回してくるね」
和也は汚れたをおむつを自分ではケアできずに恵子が戻ってくるのを待つしかない。重くなった紙おむつが下にずれ落ちそうな感覚はなくなったが、自分の排泄物を見られながらおむつを替えてもらうのはやはり恥ずかしい。
「お待たせ、今、きれいにしますよ」
恵子は手際よく、和也の紙おむつを外すと、汚れた物が見えないようにして紙おむつ毎包んでいき、ビニール袋に入れていく。そして汚れた和也の両足を片手で持ち上げ、もう一つの手でティッシュとウェットティッシュできれいにしていきそれらもビニール袋に入れて臭いの元を封じていく。最後におむつ被用の軟膏を和也の大事なところやお尻から肛門にまで手の指で塗られると和也の大事なところが大きくなっていく。
「あら、女の子の赤ちゃんなのにここが大きくなってる」
恵子は不思議な物を見るようなしぐさをしながら軟膏を満遍なく塗っていく。一通り塗り終わると和也の足を降ろす。
「はい、今度はふかふかの布むつを当てましょうね」
恵子はおむつカバーの上の布おむつを置いたおむつ一式を右手に取ると、左手で和也の両足を持ち上げる。おむつを和也のお尻の下に置くと足を降ろさせ、股の間から布をおむつを当てていく。おむつカバーのホックを閉じ、布おむつの位置を調整すると、おむつカバーの紐をキュッと閉めて完成させた。
「はい、おむつ交換おわりましたよ。お着替えもしましょうね」
恵子は和也を起き上がらせベビードールを脱がすと、ブラウスとスカート付きのロンパースを着せていく。最後にハイソックスを履かせると完成だ。
「明子ちゃんが来てしまうから、お化粧とお帽子はマンマを食べてからね」
恵子は和也を連れて朝ごはんを食べ始めた。恵子は時間を気にしているのか、少しそわそわしながら食べている。
「ベビーフードは次までに準備してあげますね」
「ベビーフードっておいしいの?」
「おいしいベビーフードを準備しますからね」
朝ごはんを食べ終わり、お茶を飲んでゆっくりしていると、玄関のチャイムが鳴った。
ピンポーン!
「あら、明子ちゃんかしら、早いわね」
時計を見るともう10時少し前だった。明子が来てもおかしくはない時間だった。
「いらっしゃい、早かったわね」
「ごめんなさい、少し早かったかしら」
「大丈夫よ、さ、入ってください」
和也はどうしていいのかわからぬまま、テーブルの椅子に座ったままでいた。おむつを当てられ、スカート付きのロンパースの姿は恥ずかしかったが、急に来ると知らさせてもう家に入ってしまっている以上どうしようもない。どこかに隠れたい衝動はあるがそういう場所を探す間もなく、明子が和也の目の前に駆け寄って来ていた。
「あら、かわいい」
和也は明子を一瞬見ると下を向いてしまったが、明子は和也のことをじろじろと見続ける。恵子が戻ってくるまで和也は下を向いたままだった。
「明子ちゃん、話をしたお漏らし君、あ、名前は鈴木和也君よ」
「明子です。加藤明子と言います。よろしく」
「まだ朝ごはんを食べ終わったばかりで、あら、そうそう涎かけもしないでごはんを食べてしまったわ。涎かけをして、それからお化粧しましょうね。それからお帽子を被ってね。それからそうそうミルクを飲みましょうね」
「店長、私手伝います」
「ええ、お願いします。大きな赤ちゃんの世話をやきに来てくれたんですものね。いいわね今日は若いママも参加よ」
「店長、名前ですけど、お漏らし君というより和也君だからカズコさん?カヨコさん?カヨさん?少し古い名前かな」
「そうね、かずさチャン、横1本のいちに織物のサという字を書いて、一紗ちゃんはどうかしらね」
「店長、センスいいわね。かずさチャンにしましょう。一紗ちゃん、ちょっと立って見てくれる」
明子は和也の姿を見ながら本当に赤ちゃんの着るロンパースを着ていることは信じたが、まだ本当におむつもあてているのか半信半疑だった。お腹からお尻の部分が妙に膨らんでいるのはわかったが、それを確かめようとして和也を立ち上がらせた。そして和也が着ているロンパースのスカートを捲ってみたがまだ半信半疑だった。
「あら、おむつがはみ出しているわ」
恵子は近寄ると和也のおむつカバーからはみ出ていた布おむつをおむつカバーの中に押し込んでいく。
「明子ちゃん、一紗ちゃんの布おむつがはみ出ていたわね。こうしてカバーの中に押し込んでおかないとおしっこをお漏らしした時に布からもれてしまうでしょう。だからこうして押し込んでおくのよ」
「へえ、そうなんだ」
「一紗ちゃん、もうおしっこのお漏らしをしても大丈夫よ。汚れたらきれいなおむつに交換してあげますからね」
明子はようやく和也が本当におむつをしていることを信じることができた。目の前に本当におむつを当ててロンパースを着ている赤ちゃんの姿になっている男性はまぎれもなく、大人の男性だ。しかし身長150センチでやせ形の和也の姿はかわいい女の子の姿そのものだった。
「さ、お化粧しましょう。そうするともっとかわいくなるわよ」
恵子は和也にお化粧をし始めた。明子は恵子の和也への化粧を黙って見ていた。口紅も薄く塗り終わる一通りの化粧が終わると明子は明子流の意見を言う。
「店長、もう少し目をぱっちりさせるために付けまつ毛をしたほうがかわいいです」
「そうかな、私はあまりお化粧はしないほうだから。明子さんは詳しいの?」
「私も10代のころはいろいろ試したわ。最近は少し控え目ですけど。それと一紗ちゃんは女の子に見えるけど、やっぱり体は赤ちゃんより大きいからバストが少しでもあったほうが女の子らしい見えるかな」
「そうね、そうかもしれないわね」
「そうだ、じゃ、下のお店で付けまつ毛とブラを買ってきますね」
「あら、いいわよ、私が買ってくる。お客さんはここで待っていて」
恵子はそういえば下の店でそういうものも販売していたことを今さらのように思い出すと、二人を残して下の店へと急いで行ってしまう。
明子は恵子が用意した涎かけと帽子をかぶせるとまじまじと和也の姿を見て感心していたが、急に質問をしてくる。
「一紗ちゃん、あなたは本当にそういう女の子の赤ちゃんの姿が好きなの?」
恵子が居なくなったことを幸いに明子はずばりと聞いてくる。和也はそんなばかなとは思いつつ、恵子からどういう話を聞かされているかは知らないのでやむを得ない。
「これは店長の趣味で俺の趣味じゃないよ」
「でも店長の言うことを聞いているのね。偉いわ。そして似合っているわ」
「仕方がなかったんだ」
「へえ、どんな風にしかたなかったの?」
和也は男と女の関係のことまでは触れたくなかった。ダンマリして回答を濁すと明子は突っ込んでくる。
「どんな風に?年上の人が好みなの?」
「そうじゃないけど」
「私ね、北海道の実家から呼び出されて何かとおもったらお見合いよ。私まだ二十歳になったばっかりというのに、しかも相手はさえない男性でさ。年齢は一紗チャンと同じくらいだったかな。父の付き合いだからと言われて会うだけはあったけど、もう断って帰って来ちゃったわ。私ね、結婚はまだ早いと思うけど、店長の言うとおり赤ちゃんはいいわね。あなた、私の赤ちゃんにもなってくれる?結婚は試しにという訳にはいかないけど、あなたの育児は試しにできるじゃない。ね、携帯のメルアド教えてよ。私の携帯で赤外線受信するからあなたのを送信してくれる」
和也は明子の話に心を奪われながら明子の言いなりになってしまった。強引ではないが、明子の言うなりになってしまう和也がそこに居た。和也は携帯を取り出し自分の電話番号を表示するとそこから赤外線送信をする。正常に送信完了の表示を確認し、携帯をしまうと店長の恵子の声がした。
「ただいま、お待たせ」
店長の恵子の声を聞いて明子と和也は見まがえたが、何もなかったように恵子を迎える。
「付けまつ毛もブラもそんなに種類はなかったけど、迷って時間がかかってしまったわ。お待たせ。ブラはCカップにしたわ。これを付ければバストがあるように見えて女の子らしくなるわね。早速付けてあげる」
恵子は和也のロンパースと上半身とブラウスを脱がすとブラを着けていく。今までに感じたことのない感触に戸惑いながらも恵子の言いなりにしていると恵子は和也の背中でホックを止める。一瞬胸が締め付けられるような感じだ。
「あら、ちょうどいいわ、似合うわよ」
「じゃ、付けまつ毛は私がつけてあげる」
「ええ、そうしてくれる」
今度は明子が和也に付けまつ毛を付けは始める。付けまつ毛に接着剤を薄く塗ると和也の顔をじっと見る。
「一紗ちゃんは二重瞼だから付けやすいかな。目を閉じてくれる」
和也は目に入る危険も察知し、言われるままに目と閉じると明子は器用に受けまつ毛を着けていく。両目共に着け終わり、目の上から手で押しあててくる。
「はい、いいわよ。目を開けてみて。うん、目がパッチリしてかわいくなったわ」
「どれ、あ、本当だ。かわいくなったわよ。写真を取りましょうよ」
恵子はデジカメを取ってくると和也のアップやツーショットを何枚も撮っていく。途中からは明子も参加して両手に花の状態だった。
「あら、もうこんな時間。お茶も出さないですいません。さ、仕事の準備をしましょう」
「私はいつでも大丈夫ですから」
「あらそう、じゃ、一紗ちゃんの着替えを手伝ってあげて。また女の子の赤ちゃんから男性に戻るのも勿体ないけど仕方ないわね。また次のお楽しみね」
和也はまたいつもの男性に戻ると自分の家へと帰っていった。そしてその日の夜9時に明子から携帯にメールが入った。
「一紗ちゃん、今日は楽しかったです。ところで今度の土曜日のお昼に遊びに来てください。場所はあの店長のコンビニから駅に向かう途中に大空信用金庫がありますけど、その角を曲がって坂を上るとメルシーという青いレンガ作りのマンションがあります。その301号室です。私なりの赤ちゃんにしてあげますからね。待ってます」
 
大人の赤ちゃん返り
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