6.もう1人のベビー
 
何回か通った恵子のコンビニが遠くに見えてくると間違いなくすぐ近くに大空信用金庫が見えてきた。真っ青な青い色の看板は大空をイメージさせてくれる。そこを右に曲がると確かに青いレンガ作りの5階建てのマンションが見えてくる。
メルシーというマンションの ドアを開けるとセキュリティの操作盤がある。301号を押すと、明子の声が聞こえてきた。和也であることを告げると、カチ、と音を立ててセキュリティのドアの鍵があく。
 エレベータで3階に行きベルを鳴らすと明子がドアを開けてきた。
「いらっしゃい。すぐわかったでしょ。どうぞ、狭い部屋ですけど」
「おじゃまします」
明子の部屋は2DKで独身の女性1人暮らしには勿体ないくらいだが、北海道の両親の意向のため、セキュリティのしっかりしたマンションならということで東京の1人暮らしにお許しが出たそうだ。
「和也さん、お昼はスパゲッティでいいかしら。ソースはミートソースかカルボナーラね。どちらがいいかしら。レトルトですけどね」
「じゃ、定番のミートソースをお願いしようかな」
「はーい、じゃ、そのソファに座って待っていて。そこにアルバムがあるでしょう。北海道の景色がなつかしいから一杯撮ってきちゃったわ。見ながら待っていて」
和也はアルバムの写真もそこそこに20歳の明子の部屋をしみじみと見ていた。独身の若い女性の部屋は生まれて初めてだ。中年の恵子の部屋は落ち着きがあったが、若い明子の部屋にはぬいぐるみがあちらこちらに置いてあってまた楽しい。
「さ、できたわ、食べましょう」
ミートソースがかかったスパゲッティから湯気が出ている。こういう昼食を食べるのは始めだろうか。いつも外食かコンビニで買ってくる弁当やパンとは違って手料理という感じがする。
「うん、おいしいよ」
「そう、よかった」
明子は先週行ってきた北海道の話から看護学校の話までよく話す。和也もそれにつれて自分のこともポツリポツリと話すが明子は少し聞いてくれたかと思うとすぐ自分のことを話す。
「ところで、メールの内容は読んでくれているわよね。だからこうして二人でいるのだけど、私の気持ちを受け入れてくれたのね。赤ちゃんになってくれるのね」
「あまり、進んでというわけじゃないけど」
「じゃ〜ね。こうすればいいのかな」
明子はやみくもに和也の唇を奪った。それも恵子のお淑やかなキスとは違い、触れ合った感触後には舌を入れてきた。和也も負けずと舌を明子の唇に入れる。和也は明子の腰に手を伸ばして自分の体に引き付けようとすると、明子はすっと体をよけて和也から離れる。
「この先は赤ちゃんになってから。どう、私の赤ちゃんになってくれる?」
「わかったから、いいだろう」
和也は明子の手を握り、体を近づけようとするが、明子は毅然とした態度になって再度聞いてくる。
「私の赤ちゃんになってくれたらね。この続きは。いいわね」
和也は仕方なく、明子の言う通りにしようと思う。中年の恵子とは違う若い女性の魅力には勝てそうもない。赤ちゃんになると言っても恵子にだいぶさせられているので、明子の希望する赤ちゃんも同じようなものだと想像する。
「わかったよ。どうすればいいの」
「私の言う通りにしてくれればいいだけよ。店長の赤ちゃんとはいろいろ違うわよ」
「わかったからいいだろう」
和也は勢いが始まってしまいどうにも止まらなくなっている。明子はそんな和也の状態を弄んでいるようだ。じらしているようにも見える。
「じゃ、昼間は大事なところはだめよ。その代わりフェラはどう?本番は夜のお楽しみね」
「フェラ、うんいいよ」
「でもその前にあの毛をきれいにしましょう」
「あの毛」
「そうよ、そこの」
明子は和也が指さした自分の股間の部分にうなづいて急所の毛を剃るという。和也はいきなりのことでびっくりするが看護学校に通っている明子にすれば医療の現場での常識なのだろう。恥ずかしさのかけらもなくあっけらかんと平然という。さらにもうひとつの理由を明子が言うと和也はそこまで言うのならと剃毛に同意する。
「ねえ、フェラするときにあの毛は邪魔なのよね。ちょっと縮れていて、顔がくすぐったいのよね。だからいいでしょ」
「そこまで言うのならいいけど」
「じゃ、早く脱いで。用意をしてくるから」
和也は初めてフェラしてもらう期待に包まれてズボンとトランクスも一揆に脱ぐ。だが、そのままのすっぽんぽん姿で立って待っているのもみっともないので、脱いだトランクスで急所を隠してソファに座って明子を待つ。
「お待たせ」
明子は湯気が立っているお絞りと剃刀をクリームを持って現れた。和也はその姿に一歩引くが、明子は平気な顔で近寄ってくる。
「じゃ、そのソファのそのまま横になってね」
和也は言われるままにソファに横になるが、大事なところはトランクスで隠したままだ。明子はそのトランクスを当たり前のようにどけると暖かいお絞りで和也の股間を拭いてくる。
「あら、大きくしてるわね、足を上げて、自分で足を持っていてね。ほらお尻もきれいにしないと」
和也は大事なもちろんお尻の穴まできれいにされ始めると恥ずかしく大事なところも少しなえてしまう。
「汗とおしっこの匂いを消して、それからお毛ケをきれいにしますよ」
明子は慣れた手つきで和也の股間をきれいにしてから、シェービングクリームを付けて剃り始める。
「動いちゃだめよ」
「わかったよ」
和也は明子の言いなりになるしかなかった。ここであそこを傷つけられたらたまらない。和也は必死で動かないように我慢する。
「よし、きれいになったかな。そしたら乳液を付けて仕上げですよ」
和也は最後の段階の乳液を付けられる始めるとまた興奮してきた。明子は乳液を和也の大事なところにも生手でつけているのだから。股間の付け根や袋にもたっぷりと乳液を付けると明子はようやくという終わったという顔になる。
「さ、赤ちゃんのようにきれいになったわね。ご褒美をあげようかな」
「うん、早く」
和也は明子の言う意味がわかる。ようやくフェラをしてくれるかと思うとわくわくする。大事な股間の毛を剃らせてあげたのだからフェラを早くして欲しいと期待する。
明子は和也がよく我慢してくれたと感謝しながら約束通り、和也のものを口に含もうとする。
「じゃ、いくわよ」
「あ、いい」
和也は店長との交わりとも違うなんともいい感触に思わず声がでる。明子は慣れている様子で亀頭から硬い部分までを嘗め回しては亀頭を口で含んで舌で弄ぶ。
「ああ、いいよ」
明子はさらに両手を使って袋を弄び、亀頭へ手を這わしていく。和也の興奮は頂点に達していく。
「あ、出ちゃうよ」
明子はその声を聞くと口を離す。だが、手はそのままで和也の頂点を待っている。すぐに和也の先から白濁液がほとばしる。明子はそれをティッシュで受け止めると、きれいに拭いていく。
「よかった」
「そう、よかった。この先は夜ね」
「え、夜は用事があるから」
「あら、そうなの」
明子は和也だけいい気持ちになってフィニッシュを迎えたことに苛立ちを覚えるが、和也の夜の都合を聞いていなかったのも事実だし、仕方ないかと思うが、その用事の内容が気になる。
「夜はどんな用事?友達と?」
「いや、そうじゃないけど。そこのコンビニへ」
「え、店長のところにお泊りなの?」
「もう約束しているから」
「あらそう」
明子は和也と夜を過ごそうと思っていたのにあの店長に負けたかと思うと嫉妬心が沸いてくる。だが、今日は和也との初めての儀式は済ませたのだ。自信をもって和也の気を引こうと明子はニヤッと笑う。まだ、店長のコンビニへ行く時間までには時間がある。もうすこし和也を赤ちゃんとして扱ってからでも遅くはないし、次の約束をしようと思う。
「じゃ、夜の部は来週の水曜日はどう?」
「いいよ、毎週水曜日は残なしで早く帰れるから」
「じゃ、決まりね。それともうひとつ、私は夕飯は友達と一緒に作るから、買い物に付き合ってね。まだまだ店長のコンビにへ行くまでには時間はたっぷりあるでしょう」
「ああ、いいよ」
「じゃ、ちょっと待っててね。あ、そのままでいいのよ。服は着ないで。準備するから」
 
しばらくすると、明子はいろんな衣類のようなものを手にもって現れた。何か白を基調にした服のようだが、どんなものだかよくわからない。
「お待たせ、赤チャン。約束通り赤チャンとしてかわいがってあげますからね。もうあそこも赤ちゃんみたいにきれいになったしね」
和也は明子がそんなことを言って招いてくれたのを思い出した。和也は明子のフェラでもう十分満足していたので、あ、あの話か、という風にしか感じなかった。
「じゃ、まず、おむつしましょう。私は店長みたいに洋裁はできないから紙おむつよ。あなたは身長は150センチかな。体重も40キロぐらいでしょう。だから、幼児用の紙おむつのスーパービッグサイズなら穿けると思うのよ。ちゃんと女の子用の絵柄が入っているのを準備してありますからね」
「また、おむつ」
和也は明子からも恵子と同じようにおむつを促されると滅入ってしまう。明子はそんな和也の気持ちは無視して、ソファの上に紙おむつを広げようとする。
「ほら、見て、ピンク色のおむつに熊さんがかわいいでしょう」
明子は幼児用といっても小学生の高学年でも穿けるサイズの紙おむつを和也の目の前に広げると、和也をまたソファに寝かす。
「はい、足を上げてください」
和也はいやいやながらも明子の言うとおりにお尻を上げると、明子はすかさず、紙おむつを和也のお尻の下に入れこむ。「はい、いい子ね。赤ちゃんといっても体は大きいものね」
明子は手際よく紙おむつをセットすると、和也を起き上がらせると和也の上着も脱がしていく。
「おむつをした赤ちゃんだけど体は大きいからブラジャをしていないとおかしいからね。これは新品のブラよ。かわいいでしょ」
明子は和也にブラを付けていく。前にコンビニの店長宅でやはり恵子がブラを当ててくれたのを思い出す。なにか上半身が締め付けられているように感じてしまう。
「お洋服はね、いろいろ着させてあげたいけど、まだ、私のお古の整理がよくできていなくて、今日はテニスルックね」
和也に着させる洋服をいろいろ考えていた明子だったが、店長への嫉妬から和也に恥ずかしさを味わってもらおうと思い、短いスカートのテニスルックに決めたのだった。
「まず、上着のトレーナとそれとスカートね」
明子のお古とはいえ、白いテニスルックは和也にはまぶしい白だ。だが、短いスカートでは紙おむつがすぐに見えてしまいそうだ。明子は次にフリルのたくさん着いた白いアンダースコートを出すと和也に穿くように差し出した。
「これを穿けば、おむつが見えることはないわよ。それとスカートの丈を少し調整してあげる」
明子が調整して少しはスカートからスコートが見えにくくなったかなと思われるが、それにしても太ももから足がこれでは少し寒い。運動して汗をかくためにはこのくらい短いほうが運動機能性が高くていいのだろうが、和也には恥ずかしい。
「太ももから膝は閉じて、歩くのよ、わかった」
「わかったよ」
「じゃ、歩いてみて」
和也は太ももと両膝を閉じて数歩歩いてみる。股の間にある紙おむつが邪魔で太ももはぴったりとはいかないがほぼ閉じて歩くことができる。
「そうよ、それと足は内股にしてみて」
和也は窮屈な感じではあるが明子の言うとおりにさらに内股で数歩歩いてみる。
「いい感じね。それとしゃがむときは腰から下ろすのよ。そうでないとスカートの中が丸見えよ。慣れれば簡単だから」
和也はスカートの中のおむつが見えてしまうのではないかと思えば明子に言われるまでもなく、お嬢様座りをせざるを得ない。
「それと両手でスカートのお尻のところを押さえて座るのよ。短いし、タイトスカートじゃないから押さえないとスカートがふわっと舞い上がっておむつじゃなくてスコートが見えちゃうわよ」
和也はまた立ち上がり明子の言う通りに両手でスカートのお尻を押さえてしゃがんでみる。よく女の子が両手でお尻を押さえて座る姿を自分がしていると恥ずかしいがスカートの中が見えてしまわないようにするには必要なしぐさだということがよくわかった。
「いいわよ。そしたらかつらをかぶってお化粧してそれからお買い物に行きましょうか」
「え、この服で外出するの?」
「そうよ、買い物に付き合ってくれるってさっきOKしたでしょう」
「でも、この格好じゃ」
「大丈夫よ、さっき教えたように歩けばかわいいテニス好きの学生にしか見えないわよ。頭にカツラをかぶってお化粧すればぜんぜん問題ないわよ」
いつの間にか持ってきたのか、明子は茶色のオカッパのカツラを手に持つと和也の頭にかぶせてみる。
「丁度いいわね。私は以前使っていたカツラよ。もう使わないから貸してあげる。でも少し蒸すのよね。だからちょっと待っててね、アイスコーヒーを入れてあげる。梅雨の季節にしては少し暑いから喉も乾いたでしょう」
明子はキッチンへ行くと冷蔵庫からペットボトル入りのコーヒーを出し、氷をコップに入れて準備する。
和也は茶色のカツラをかぶらされどんな風になっているかを近くにあった手鏡で見てみる。
「なんか恥ずかしいな」
明子はその声を確認しながら、そっとコップに利尿剤を入れて氷とよくかき混ぜる。
「お待たせ。氷をたっぷりと入れたから、自分でお代わりして飲んでね」
和也は頭から少し蒸している感じですぐにいっぱいのアイスコーヒーを飲み干すと後は自分でコップについで飲んだ。
「お化粧しましょうね。乳液でお肌を白くして、口紅くらいかな。スポーツ姿だから、つげまつげとかは今日はなしね」
明子は和也の顔に化粧をし、少し明るい赤の口紅をうっすらと和也の唇に塗っていく。
「さ、いいわよ、かわいくなったわ。じゃ、買い物に行きましょう」
「本当に行くの」
「そうよ、ここから店長のコンビニは反対方向に5分くらい歩けば大きなスーパーがあるのよ。店長とは会うはずがないし、荷物持ちで付き合ってよね」
和也に微笑みを返して言いながら、店長への嫉妬の気持ちで意地悪をしてあげる薄笑いに和也は気づかなかった。2人はスーパーまで歩いて出かけた。
 
「そう、ここよ、1階が食料品売り場よ」
「わ、涼しいね」
「生鮮食料品の肉、魚、野菜を扱っているから冷房を強めにしているみたいね」
明子は夕飯の支度で何を買うのかはまったく決めていなかった。あちらこちらと和也を連れまわしては試食もしながら歩き回っている。明子はここで食料品を買う場合には1枚余分に着込むようにしていたが、和也は短いスカートの下はほぼ小さな靴下とスニーカーだけだ。和也は足元から冷えてきて、アイスコーヒーと利尿剤が追い討ちをかけておしっこをもよおしてきた。最初はもう少しで終わるだろうと思っていた明子の買い物はいつ終わるのか検討もつかない。買い物かごには少しの食料品を入れているようだが、涼しいを通り超した寒い生鮮売り場をうろうろしている。和也は強まってくる尿意にたまりかねて明子に訴える。
「ここは寒いね。そろそろ帰ろう」
「そうね、もうちょっとだから付き合いなさいよ」
「でも」
「でも、何」
「そ、そのトイレに行きたいから」
「あ、場所を教えてあげるわ」
「そうじゃなくて」
明子は構わず和也を連れてスーパーの2階へと上がっていく。
「ここのトイレは2階にしかないのよ」
2階に上がると少しは冷房が弱い。和也はほっとするが、寒さとコーヒーと利尿剤の効果はもう待ったなしに強い。すぐ目の前にあるトイレに駆け込みたい。だが、和也は男子用と女子用トイレのどっちに入ればいいのかとっさにわからなくなった。自分の格好はどう見ても女性だが、中身は男だ。だが、この女性の姿で男性用トイレには入れない。
迷っている和也を明子は冷たい視線でただ眺めていた。和也の尿意はもう限界のはずだ。トイレの前までは連れてきてあげたが和也がどうするか見ものだとばかりに。そして明子の狙いは和也におむつの中にお漏らしをさせることだ。
今日の夜は楽しもうと思っていたのに、店長の家へ行くと聞いたからには嫉妬心から和也を困らせてやろうという魂胆が湧いていた。
そこへ、小学生くらいの女の子が女性用トイレに入っていった。
「あ、もう入れない」
「何?早くトイレに行ってらっしゃい」
入るかどうか迷っている最中に小学生の女の子がトイレに入ったので、さすがにその後に続いて入ることができなくなった和也だった。
「他に誰かいるかどうか、見てきて」
「何、言ってるのよ、早く済ませてきなさいよ」
和也はそうは言っても女性用トイレには入れなく、両足で地面を踏続けて強くなる一方の尿意と戦っていた。明子は女性用トイレには入れなく、かといって女装している体では男性用トイレにも入れない和也の気持ちがよく分かっていながら女性用トイレに入ることを催促する。うすきみ悪く笑いながら和也のおしっこを必死で我慢している姿を楽しんでいる。
「早く行ってらっしゃいよ、女性用トイレに」
和也は思い切って男性用トイレに入ろうと思う。元々というか和也は男なのだから男性用トイレに入るべきだ。だが、ミニスカートのテニスルックに茶髪のおかっぱの髪の毛に化粧を施した女学生の身だしなみでは男性用トイレには入れない。さらにそこに中年の男性が歩いてきてちらっと和也を見ながら男性用トイレに入っていく。なんでスーパーにテニスルックを着た女性がいるのかという疑問のまなざしが和也に突き刺さる。
「あ、男用トイレにも入れないじゃないか」
女子用も男子用トイレにも先に他の人が入られてしまい和也はトイレに入るに入れない。トイレの中に誰もいなければ思い切って入ろうと思っていたが、目の前で現実には別の人がトイレに入っていくとトイレに入る勇気がなくなってくる。
トイレの前で全部の人が出てくるのを待ってからトイレに入ればいいのじゃないかとも思いながら和也は強烈な尿意と戦っている。
トイレの前で我慢し続けている和也を見ながら痺れを切らした明子は和也の体を背中から急に押した。和也はよろけると転びそうになったが、下半身に力を入れて踏ん張ると転ぶことは避けられた。だが、強い尿意に見舞われている下半身に急な力は尿を出すきっかけになってしまった。
「あー」
和也はそのまま黙って腰を少し落とした体制のままでとうとうおしっこを漏らし始めてしまった。強まっていた尿は一度出始めるともう止まらずそのままおむつの中に漏らし続けるのだった。
明子はクスッと笑うと和也がおむつの中にお漏らしをしたことを確信した。和也はお漏らしを終えると何もなかったように明子も訴える。
「もう、帰ろう」
そのときだった。中年のおばさんが女性用トイレに入ろうとした。明子はこのときだとばかりに和也に恥ずかしい言葉を大きな声でかけた。
「トイレに間に合わなかったのね。もう全部出た?でも、おむつを当てていてよかったわね」
中年のおばさんは事情を察するとさらに恥ずかしい言葉をかけてくる。すると和也の顔が真っ赤になっていた。
「あら、まあ、おむつなの。大変ね。ここにおむつ替え室があるから、私がおむつを買えてあげましょうか?」
和也は首を横に振ってイヤイヤの返事をした。明子は今日はここまでかなと思うとようやく救いの言葉で今日の外出が終わった。
「お気遣いありがとうございます。でも紙おむつだからおしっこ1回分くらいは大丈夫でしょう。家はここから近いので、家に帰っておむつを替えますので。さ、帰りましょうね。お漏らしさん。この子は赤ちゃんのようにお漏らしするのでいつもおむつを当てていますので」
明子はうな垂れている和也の肩を抱いて歩きはじめる。だが、明子はコンビニの店長のところにまだ通うようなら今度はもっと恥ずかしい思いをさせてあげるからと秘かに薄笑いをするのだった。
おとなの赤ちゃん返り
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