間抜けな強姦魔

翌日は、由香の言う通り、皆用事があると言って朝から順番に家を出て行った。由香は出かける前に約束通り和夫に念入りな化粧をしていった。下着のブラジャから、紙おむつそしてロリータファッションの洋服を着させ、茶パツのおかっぱのかつらをかぶると、本当に映画 上げ妻物語の深田京子のように見えた。昼近くになると最後の母親も出かける時間になった。
「和夫、気分転換に岡山の駅まで行っておいで。電車賃とお昼代くらいのお小遣いはあげるから。お前、お金ないんだろ」
「助かるよ。引越しとかなんかで財布も通帳もほとんど空だから。ありがとう」
「じゃ、戸締りして出かけてね。近所の寄り合いで夕方には戻るから」
母親は和夫に小遣いを渡すといそいそと出て行った。和夫は家にいてもつまらないので、出かけることにした。特にあてはないが、面白いものでも見つかるといい。でも、一番の目的は気分転換だ。就職先の情報もほしいし、駅のまわりでも散歩しよう。そう、ロリータファッションの女の子の格好をさせられているのだから、女性の下着売り場でもじっくり覗いてやろうか。そんなことも考えながら和夫は出かけた。
 和夫は岡山駅前の繁華街を散歩した。由香の言う通り、デパートやスーパそしてパチンコやゲームセンタなどもある。ロリータファッションをしているという訳ではないが、男なら近寄れない女性の下着売り場も歩き回り、手にとってこうなっているのかなど思わぬ発見をしたりしていた。デパートめぐりが終わると、しゃれた喫茶店で軽食をとり、繁華街を歩いていた。興味本位に少し裏道に入りぶらぶらと歩いていた。そしてそこで見た店は東京でもよく見かける1ルームがいくつか集まったカラオケルームだった。東京ではときどき3人くらいで閉じこもって大きな声で歌っていたのを思い出す。
「よう、ねえちゃん、カラオケで遊ぼう」
和夫はいきなり20代くらいの2人組のお兄ちゃんに声を掛けられた。
「かわいい洋服着て、一緒にカラオケしよう」
見るからに柄が悪いが、ナンパされるほどの女の子に見られていることに和夫はおかしく思う。
「ねえちゃん、一人?」
「そう。1人」
「そういう格好はここではあまり見ないね。でもかわいいぜ」
「今、流行っているのよ」
和夫は思わず女らしい言葉を使う。和夫の声は男らしくない。背丈も高くはなく、小柄なほうだ。深田京子のように見える和夫にナンパがあっても不思議ではないかもしれない。
「1時間カラオケしようよ」
「そう、夕方には終わるから家に帰るのは全然心配ないよ。カラオケ好きでしょ」
「嫌いじゃないけど」
「そう、じゃ決まり、そこのワンボッスでさ。楽しもうぜ」
「いいです。止めときます」
「そう、硬い事言わないでさあ」
2人組は和夫の右側と左側に付き、背中を押しながら部屋の前に誘導していく。和夫は気分転換になるからいいなと思いつつ、女としてナンパされることに反対の考えもある。決心が付かないまま、二人組に誘導されながら部屋の前に来た。
「兄貴、これ鍵。開けるね」
「さ、入ろう。カラオケしようぜ」
二人組は和夫を後ろから押して部屋に入れた。続いて二人も部屋に入ってくる。そこは東京で入ったことのあるようなカラオケ部屋だった。小さなソファと椅子。そしてテレビとカラオケのリモコン。東京で楽しんだカラオケが思い出される。二人組の1人はドアの前に立って、開き窓に紙を張っている。もう一人は何やらにやにやしながら和夫の後ろにいる。
「OK。これで外からは見えないし、俺がここに居ればドアはあかない。いいぞ、初めようか」
「OK。兄貴」
その言葉に続いて1人が和夫の手を後ろに回すと背中で両手をロープで結んだ。
「ねえちゃん、カラオケもいいけどよう。少し楽しもうぜ」
状況を察知した和夫はまさか、と思いつつ男であることを言えば終わるだろうと思った。
「え、お、俺は男だ」
「男?最近は男だとか、ニューハーフだとか言って逃げようとする女が多いんだよ。もうその手にのらない。この前もそうやって女に逃げられたからな」
「そうだぜ、兄貴。早くやっちまおうぜ。ここじゃ大きな声を出してもほとんど外には聞こえないぜ。ホテルより安くていいぜ。兄貴は上の口がいいんだろ。先にいいぜ」
「よう、姉ちゃん、ここはカラオケだから最初に尺八を吹いてもらおうかな」
「尺八?」
和夫の性経験ではすぐには「尺八」の意味が理解できなかったが、会話の内容からして想像はできる。男の俺にそれをやらすのか、こんな格好やっぱりしてこなきゃよかったと思っても、もう遅い。
もう一人が和夫を跪かせると後ろから羽交い締めにする。もう1人はナイフを和夫の顔に付け、おとなしく咥えないと刺すぞと脅す。そしてズボンを下ろし、トランクスを下ろしていく。そこには勃起した肉棒がそそり立っている。
「ほら、もう溜まっているから大きいや。しっかり咥えろ」
和夫のほっぺたに冷たいナイフの感触がひた走る。
「本当に俺は男なんだよ」
和夫は再度訴えるが男はもう止まらない。
「もう喋るな。喋ったら刺すぞ。早く口を開けろ」
和夫は肉棒の目の前まで顔を近づけられ、頭を抑えられて肉棒に唇が触れてしまう。すこしアンモニアの匂いが鼻に付いてくる。
和夫は逃げようとし、顔を離そうとするが、後ろで抑えられ、顔も動かせない。ナイフが少しほっぺたで動いた。冷たい感触がほほを走る。
「きれいなお肌が台無しになるぜ。早くしろ」
そのナイフの冷たいものが動く感触に怯え和夫は口を開けた。男の肉棒が和夫の口に入ってくる。陰毛が鼻に触り、すこしくすぐったい。
「噛むんじゃないぞ。ナイフはいつでもここにあるからな」
「兄貴、どう、いいですか。早くしてくださいよ。俺のももう大きくなって」
「もう少しだ。待ってろ」
「そうだ、舌を使ってアイスクリームのように舐めるんだ」
和夫は肉棒が口の中の奥に入ってこないように必死で舌を使って押し戻そうとしていたが、それが男には気持ちが良かったようだった。
「姉ちゃん、なかなかうまいじゃないか」
「兄貴、良かったですね、じゃ。俺にも尺八吹いてもらおうかな」
「どっちでも好きにすればいい。もう少し待ってろ」
男はやがてだんだん激しく和夫の顔を振る。和夫の意思はもうない。男の力で和夫の頭は男の股間の前で振られる。
「あ、いくぜ」
男はそう言うと同時に和夫の口の中で果てた。
「うー」
と和夫はもがきながら奇声を発するが、男は和夫の頭を離さない。最後だとばかりに和夫の頭を抑えたままだ。和夫は唾と一緒に口の中のザーメンを吐き出そうとするが、顔を押し付けられていてできない。ようやく男が和夫の頭を離すと和夫は唾と一緒にザーメンを吐き出した。ハンカチを出して口を拭くと同時にあふれ出る惨めな涙を拭く。
「今度は俺だぜ」
もう一人が和夫をソファに座らせると仰向けし、フリルがたくさんのスカートを捲っていく。
「俺は男だ」
「まだ、言ってるぜ、こいつ」
男はスカートを捲っていくと紙おむつを発見した。
「なんだ、こいつおむつしてやんの」
「あ、やっぱりこいつ本当に男だぜ」
紙おむつをひっぱり臍の上から覗かれ、和夫は男であることをようやく認めてもらった。
「おむつ姿も写真にとっておけ。尺八もとったか」
「兄貴、ばっちりだぜ。ニューハーフもいけるかもしれませんね」
「そうだな。下の穴は無いからおまえも尺八してもらえ。こいつなかなかうまいぜ」
和夫は、尺八の現場もオムツ姿もデジカメに写真をとられ、さらにもう1回となりそうな気配に後ずさりするが、二人は和夫をしっかり離さない。
「じゃ、尺八でいいや。ほら、咥えろ」
今度は兄貴が和夫を押さえつけ、弟分がその肉棒を出す。さっきと同じようにナイフで脅され和夫は早く終わることだけを願い彼らに体をまかせざるを得なかった。やがて弟分も和夫の口の中で果てて行った。
「ねえちゃん、携帯の番号は?」
「携帯はありません」
二人は和夫の洋服を探すが、それらしいものは無いし、和夫はバッグも持っていない。
「ないらしいな」
「メルアドは?」
「メルアドはって兄貴が聞いているんだよ」
兄貴分はまた、ナイフを顔に近づける。
「XDWXXXXX」
「の@以下は?」
「グフー」
「グフーなら@gohooだな」
「そう」
「ここにメールしておくから、今日中に返事をよこせ。わかったな。そうでないとこの尺八とおむつの写真をネットに流すからな。わかったな」
「わかったか」
ナイフをまた頬に近づけられると和夫は反射的に答えてしまう。
「わかった」
「いいな、警察に連絡したら、すぐにネットに流すからな。ニューハーフの尺八もいいけど、おむつも話題になるぜ」
「わかった」
「後まだ、30分あるぜ。1人でカラオケでもやってな」
二人は開き窓の紙を剥がすと出て行った。和夫はスカートを整え、ソファに座るがどうしていいか、分からない。少し溜まった尿意だけが、和夫を現実に戻す。警察に言いたい。しかしおむつのことまで警察に知られるのはいやだ。どうしようと思うが答えは出ない。
「お母さん、ママ」
と心の中で叫びながら和夫はおしっこをおむつに漏らした。家に帰っておむつを替えてもらおう。そのとき、いやなことも忘れさせてくれる。そして甘えることでこの現実から逃げられる。和夫はおむつの暖かい感触を確かめるとカラオケ部屋を後にした。
 

大人の赤ちゃん返り
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