赤ちゃん本格化
(ママはコギャル)


芥川秀一

出資金はあっという間になくなった。先週三郎からもらったバイト代も浩二の事業のために費やされたが、事業の方はますます手応えが無い。金も時間も先週よりももっと早く過ぎていった。そして三郎との約束である真子の赤ちゃんになる2回目の土曜日がやってきた。もう、赤ちゃんになっておままごとを真子とする不安は無くなっていた。むしろ事業の方が心配なのであったが、出資者の三郎との約束を破るわけにもいかず、先週と同じように出かける準備をしていた。先週の帰り際に真子が言っていたうんちを洩らすことなどは絶対にいやだから浩二は確実にトイレで用を足した。そして三郎の家へ行く駅についたら駅でション便もしていけば今度は洩らすことも無いだろう。ション便にしろ、うんちにしろおむつの中に洩らしておむつを交換させられるのはもう無いようにしたかった。
三郎の家に着くと先週と同じようにインターフォンで呼び出し、浩二は家の中に入った。
「いらっしゃい。こうちゃん、さ、早く赤ちゃんの部屋に行きましょう」
真子はいきなり浩二の手を取って浩二を部屋に連れて行った。浩二はコーヒー位ご馳走になって5分でも10分でも赤ちゃんになる時間を短かくしようと考えていたが、真子は真子で5分でも10分でも浩二に赤ちゃんになってもらう時間を無駄にしたくなかった。先週はうんち洩らしまでいかなかった反省としてこういう行動に出ていたのだろう。
「今日は時間もないからこうちゃんのお洋服脱ぐのを手伝うわよ。早く裸になって」
真子は時間を気にして浩二の洋服を脱がしていった。
先週と違い浩二はあっという間に丸裸にされてしまった。
「こうちゃん、このベビーベッドに横になってくれますか?まずおむつしますからね」
真子は早速赤ちゃん言葉を使いはじめた。浩二は先週やったから踏ん切りはついているとは云え、なさけない気持ちで立っていた。
「ここからこうちゃんにおむつをあてますから、ベッドにこう横になってくれる。さあ早くするのよ」
真子のお母さん言葉がきつくなった。浩二はしぶしぶ言われた通りおむつを当てやすいような位置に横になった。
「今日はこの花柄のおむつとうさぎちゃんのピンクのおむつカバーですよ。かわいいでしょう」
真子は浩二の目の前でそのおむつとおむつカバーを見せるとにやにや笑った。
「どうしたの、今日はなんだか薄気味悪いな」
浩二は真子の笑い方に奇妙な雰囲気を感じて言った。
「なんでもないのよ、はい足を上げてください」
真子は浩二を横にさせた後におむつのセットを始めた。カバーを浩二のお尻の下に置き、次に3枚重ねの布おむつをそれぞれ縦横に置いた。
「はい、足をおろしてもいいわよ。そして今度は足を開いてください」
浩二はおむつをする恥ずかしさはもう先週捨てたと思い真子にされるままにしていた。
真子は浩二のお腹の方へおむつを回し次におむつカバーもまわしてマジックテープと紐でおむつカバーを閉じた。浩二は先週おむつをあてたとは云え、また17才のコギャルの真子におむつをあてられていると不思議と股間に厚いものがあり、自分の急所が大きくなっているのを感じていた。
「まあ、かわいい、そのおむつカバーのレースがうさぎちゃんととっても合っているし、浩二さんにもよくお似合いよ」
由美が赤ちゃん部屋に入ってくるなりそう言った。
「ねえ、ねえさん、今日は赤ちゃんらしく粉ミルクを飲ましてあげようと思うの。こうちゃん専用の哺乳瓶でスペシャル・ミルクを作ってください」
真子はまたにやにやしながら由美に依頼した。
「そうね、浩二さん専用のスペシャル・ミルクを作りましょう。浩二さん、お味はどんなのがお好きですか」
由美もにやにやしながら浩二に聞いた。
「ミルクにどんな味かもないでしょう。どうせ飲ませられるなら少し暖かいほうがいいな」
浩二はどんなミルクを飲まされるかは知らないが、もう先週のような冷たい牛乳を飲まされて体が冷えたり、お腹が痛くなったりで、おむつの中にお洩らしはいやだと思いこう言ったのだ。
「はい、じゃ暖かいスペシャル・ミルクを作ってきますね」
由美はまたにやにやしながら部屋から出ていった。
浩二は今日の真子も由美もえらく機嫌がいいなあと思っていたが、真子と由美には先週出来なかったうんち洩らしに対する作戦があったのである。
「こうちゃん、今日は黄色のタイツを用意したの。それからこのピンクの超ミニタイプのベビードレスと涎掛けとお帽子と、皆こうちゃんのために用意したのよ。早く着ましょう」
真子は浩二に赤ちゃんの洋服をつけさせた。
「はい、お着替え終了。ミルクが出来るまで私の母乳をあげるわね」
そういうと真子はブラウスのボタンを外し、ブラジャを持ち上げて乳首を出してきた。浩二は真子の膝枕になり、真子の乳首を吸った。コギャルらしく真子のおっぱいはあどけないところがあるが、真子の体つきからすると豊満なおっぱいであった。
真子は浩二の顔を眺めながら浩二の頭を撫でている。真子はママ役の悦に入っていた。
「スペシャル・ミルクが出来ましたよ。あら、母乳を上げているの、後で私もあげたいな」
由美が哺乳瓶を持って現れた。浩二は三郎の妾である由美の母乳は遠慮したかった。なんと言って妾である。そう思っている間に真子は哺乳瓶を受け取り、浩二の口を乳首から外し哺乳瓶を口に入れた。
「今日のミルクは暖かくてスペシャルよ、おいしいでしょ」
浩二はミルクの味にそう違いがあるものかと思いつつ、スペシャル・ミルクを吸った。
味は牛乳より少し甘いような感じがしたが牛乳とあまり変わりない。浩二は哺乳瓶の吸い口が小さいのは吸いにくいと思いながらもどんどんミルクを飲んでいた。
「いい飲みっぷりね。ミルクはそれでおしまいにして私の母乳も飲んで」
浩二がスペシャル・ミルクを飲み終わったとき、由美も自分の乳をあらわにして浩二を自分の膝枕にした。
「ねえさんは母乳出るの」
真子は半信半疑で由美に聞いた。
「私も出ないけど浩二さんがあまりにかわいい赤ちゃんだから私もあげたくなったのよ」
由美は浩二の顔を眺めながら浩二の股間をおむつカバーの上から弄くっていた。浩二は由美のものまでは吸いたくないと思っていたが、ミルクを飲み終わった時点で由美はもう乳首をあらわにしていた。浩二はそれよりかは由美が弄ぶ自分の股間が大きくなって感じていることが気持ち良かった。由美は31歳という年齢から大人のおっぱいという感じで豊満さはあまりないが熟している。その乳首を浩二は思いっきり吸っていた。
「もう、いいかしらね、浩二さん歩行器に入りましょう」
由美と真子は二人して浩二を歩行器に入れた。浩二は先週寸法合わせということで歩行器に入っていたので、またかと思いつつ二人のリードに従った。


「浩二さん、歩行器の鍵をかけておきますね。これは赤ちゃんが出て怪我をしないようにするためのものですけど、念の為ですからね」
浩二は歩行器から出ようと試してみたが、腰にぴったり合っている歩行器は浩二の胸の方にもお尻の方にもずれそうにない。
「出られそうにないよ、夕方の帰る時間までには鍵を外してくださいよ」
首を縦に振って由美はにやにやしている。
「はい、おしゃぶりよ」
真子は浩二の口の中におしゃぶりを入れてきた。そして次に少女雑誌を持ってきた。
「こうちゃん、外出用のお洋服を作ろうと思うの。どんなデザインがいいかママと一緒に選んでくださいね」
真子は浩二の目の前に少女雑誌を広げ、次々とページを捲っていく。
「これはどうかしら、レースが一杯ついたブラウスに赤いミニスカート。色は平凡だけどこのレースがいいのと、ミニスカートもかわいいデザインよ。こうちゃんこれどう思う?」
真子はいろいろな写真を見ては浩二に話しかけてくる。
「真子さんの着るものはご自分で選ぶか、由美さんと相談してください」
浩二はおむつの赤ちゃん姿になって歩行器に入っているだけでも鬱陶しいのに、こんな少女の洋服のデザインをあれこれ見せられても余計気が滅入ってしまう。
「これはこうちゃんの着る洋服よ。おむつ代えが楽なようにスカートタイプで、外出できるような洋服をこうちゃんのために作るのよ」
「俺がこれを着て外出するの?止めてよ」
浩二は呆れた顔で真子に言った。
「そう、今日デザインを決めて作り初めても1週間くらいかかるでしょ。だから今日決めたいの」
「そうじゃなくてこんな格好しているんだからもういいでしょう」
「こうちゃんは私の赤ちゃんですから、ママの私が選んで上げましょう」
そのとき、浩二は腹具合がおかしいことに気づいた。朝の通じは正常であったし、お昼も変なものは食べていないし、真子の家に着いてからは暖かいミルクしか飲んでいない。
まあ、大丈夫だろうと思っていると、今度は“グー”といいながら強い便意が襲ってきた。下痢だと思ったが、その原因はよくわからない。
「どうしたの、こうちゃん」
真子は心配そうに浩二に聞いた。
「いや、ちょっとお腹の具合がおかしいみたいで。時期に収まるだろう」
真子はまたさっきの雑誌を見ては浩二の格好も見ることを繰り返していた。由美はいつの間にか部屋から出ていったららしく真子と浩二の二人きりになっていた。
「幼稚園に来ていくようなお洋服も必要かしらね、ねえ、こうちゃん。それからバレーを習いましょうか?女の子のたしなみですから。バレーボールではないのよ、踊るバレーのほうよ。そのためのレオタード、由美さんは作れるかな?」
真子はあれこれと浩二に話かけてくるがどれも浩二には現実の話とは思えない。おむつまでした赤ちゃん姿に既になってしまったが、このバレー用のレオタードを着させられて“アン・ドウ・トワ”のバレーですかと自分で思うと真子の話相手になってやるのも嫌気がさしてくる。しかし、相手をしないと何でも勝手に決められ本当にレオタードを着せられて“アン・ドウ・トワ”をやらされるかもしれない。これはいけないと思い真子をその方向にはいかせないために話し相手をして方向を変えさせなければいけないと思った。
「真子ちゃん、バレーよりも女の子のたしなみと言ったらやっぱりピアノでしょう」
浩二は昔少し習ったことがあるピアノならレオタードも着なくて済むと思い咄嗟に言ってみた。
「そうね、こうちゃん、ピアノも必要ね。でもバレーも必要だからバレーも習いに行きましょうね」
真子は大分バレーが気にいってようだ。
「真子ちゃんはバレーが好きなの?」
「私は好きよ。でもこうちゃんにレースのたくさんついたレオタードを着てもらいたいのよ。もちろん写真もとるのよ。短かいスカートタイプのもので、よく白鳥の湖なんかを踊っているでしょう。あのレオタードをこうちゃんに着てほしいの。だってすごくきれいだし、女の子らしいでしょう」
「俺は男だよう。あんなの似合うはずがないだろ。だからその話しはやめよう」
浩二は必死に話しを別の方向へ持っていこうとするが真子の意思も固かった。
「こうちゃんは私の女の子の赤ちゃんなのよ、ママが決めて上げるから心配しないでね。でも心配といえばおむつをしたままでレオタードは着れるかしらね?ねえこうちゃん」
浩二は目を丸くして真子を見た。
「赤ちゃんはレオタードを着ないし、バレーも踊らないでしょ、逆にバレーやる子はおむつなんていらないだろ、それおかしいよ」
浩二はこれ幸いと思い、少しむきになって言ってみた。
「こうちゃんは私の女の子の赤ちゃんだから全然おかしくないのよ。おむつをした赤ちゃんがレオタードを着てバレーの練習をするのよ。同時に2つのことができるのだからこうちゃんは幸せでしょ」
こんな会話をしているうちに収まっていた浩二の便意がまた一段を強くなってやってきた。
あのミルクを飲んだのが最後であれから小1時間たっているからやっぱり原因はあのミルクだろうかと浩二は考えていた。浩二のお腹からの変な音に気づいた真子は2度目の変な音を聞いたことで由美を呼びに行った。
浩二の便意はさっきよりさらに強く、これはトイレを貸してもらわないとだめかなと浩二は思った。
「浩二さん、お腹の具合が悪いのですか?」
真子に呼ばれた由美が部屋に入ってきた。
「いや、朝は通じがあったし、それから特に変なものは食べていないし、体が冷えたという訳でもないんだが、なんかお腹の具合がちょっとおかしくて。トイレを貸してもらえますか、由美さん」
「浩二さん、あなたは真子さんの赤ちゃんですから、トイレには行けません」
由美はきつく浩二に言った。
「こうちゃん、あなたは私の赤ちゃんなのよ、オシッコもうんちもおむつの中にしていいのよ、判っているわよね」
浩二はちっともわからなかった。いや、正確には判りたくなかった。そんな現実を受け入れたくなかったのだ。体にはおむつがあてがわれ、赤ちゃんのように歩行器に入っているが、生理的現象はやはり、トイレで済ませたかった。しかし、三郎との約束で仕方なく真子の赤ちゃん役をやっているのであって、好き好んで赤ちゃん役、それもおむつをしているわけではない。しかし、それを真子に面当向かって言えるわけでもない。
「判ってはいるけど、うんちは臭いし、もし、洩らしたら、気持ち悪いでしょう」
「その気持ち悪いうんちをきれいにしてあげるママ役の私の気持ちをあなたはわかっているの?」
真子は半分泣きながら浩二に迫った。
「だから、そんな気持ち悪いことだから、俺をトイレに行かせてくれと言っているんだ」
浩二の便意もかなり大きくなって来ていて、浩二はあせりながらもつい、大きな声で真子に言ってしまった。
すると由美もきつい口調で言い返してきた。
「浩二さん、もう一度言うわね。あなたは真子さんの赤ちゃんなの。オシッコだろうと、うんちだろうと赤ちゃんはおむつの中に洩らしてしまうのが仕事なの。それはわかるわね。そして、浩二さんは真子さんの赤ちゃんになることをご主人の三郎様と約束したのよ。これも判っていただいているわね。」
そこまで、聞いた浩二はわかっている約束ではあるが、いざ、お腹の具合がおかしく、トイレに行きたい状況で、しかも、さっきからお腹からの異様な音がどんどん大きくなってお腹が痛いことも事実であった。
真子や由美とこういう押し問答をしてもらちが空かないと思えるほど、お腹の具合がせっぱ詰まって来た。
「約束は判っているんだけど、今回だけ、トイレに行かせてくれ」
切羽詰まってきた浩二は哀願するような形で真子と由美に言った。
「だめです」
真子はキツイ口調で浩二に言った。
「仕方ない、強行突破するからね、トイレはどこだっけ」
もう、限界と感じた浩二は強行突破で真子と由美を払い退けてでもトイレにかけこもうと思った。しかし、三郎の家でのトイレの場所はそう言われてみれば行った記憶が無い。
しかも、体は歩行器に入っていて、鍵が懸かっている。そんなのは外せるだろうし、とにかくトイレは探せばなんとか見つかると思い、赤ちゃん部屋のドアから出ようとした。
しかし、歩行器は無残にもドアよりも大きく浩二はドアから一歩も出ることができない。
「頼むからトイレに行かせてくれよ」
そう言っても真子も由美も返事もしない。
さらに強くなった便意に本当にもう限界と思い、歩行器を持ち上げ横にしてみたり、斜めにしてみたりしたが、歩行器はドアにぶつかってしまい、出ることができない。
「もう、出ちゃうよ」
浩二は本当に子供のような声で、情けなく言った。しかし、真子も由美もじっと浩二の様子をみるばかりで、何も言って来ない。
迫ってくる便意にもう限界と再度自分でも思いつつ、浩二は再度、歩行器をいろいろ向き変えてみたりもしたが、どうしてもドアから出ることができない。
かと言って歩行器を自分の体から外そうともがいても鍵が懸かっていてびくともしない。
体をひねってみたり、背伸びをしたり、いろいろ試しても歩行器は幸の体にピタとついてまま外れない。歩行器が外れなければ当然おむつもはずすこともできない。手を伸ばしておむつを外そうとしてもかろうじておむつのお尻あたりに手が届くだけで、おむつを留めてあるマジックテープの所までは手が届かない。
最後の手段と思い、歩行器のままでドアを強行突破しようにも数センチはドアにぶつかってしまう。
もう一度強行突破をしようと力が入ったときだった。とうとう我慢に我慢の便が出てしまった。
「あう、洩らしちゃったよ」
急に元気を無くした浩二は我慢に我慢のものを少し足を上げて、背伸びをする感じでおむつのなかに放出してしまった。
真子と由美は何も言わず、浩二のその姿を見ていた。
浩二は恥ずかしくて真子や由美の方を見ることは出来無かった。
そして浩二はもう全部出たと思ったとき、疲れていた足の背伸びをやめ、歩行器にあらためて座った。そこには生暖かいうんちがあったが、疲れた足の性でしばらくは歩行器の座る場所に座らざるを得なかった。
浩二は何も言えずその場でしばらくそのままにしていた。浩二にできることは何も無かったのだから。もちろん、気持ちの悪いうんちを洩らしてしまったおむつを取り替えたいのは山々であったが、それには歩行器の鍵を外してもらわないとどうしようも無い。
そして、自分でトイレに行って汚れたおむつを外し、風呂で汚れた尻を洗いたいが、それも許される話しでは無いような気がしてきた。かといってコギャルの真子と熟した由美にうんちで汚れたおむつを取り替えてもらう姿は想像もしたくない。
「もう、全部出ましたか、こうちゃん」
人の気持ちを知っているのか、と思うほど、考えれば考えるほど、情けなく感じたが浩二は何も答えられない。便意はもう収まったが、おむつの中に洩らしてしまったうんちは序序に冷たくなってくる。なんと言っていいのか、判らず浩二は黙っていた。
「もう、お腹の音も聞こえないし、出る音も聞こえないからもう大丈夫でしょう」
由美の声が冷たく聞こえる浩二であった。浩二は早く、歩行器の鍵を外して欲しかった。そして風呂に行ってきれいにしたかったが、それを言ってみても受け入れてくれないだろうという幻滅で何を言う元気も沸いてこなかった。
しかし、正直、だんだん冷たくなってくるうんちを早くなんとかきれいにしたいという気持ちは当たり前ながら強くなっていった。しかし、おむつを変えてほしいとは言えない。風呂に行きたいという以外には浩二は何を言っていいか判らなかった。浩二はそのまま黙って虚ろ下な目で天井を見上げるばかりであった。
「そろそろ、もう全部でたころだからこうちゃんのおむつを交換しましょう」
真子は早くおむつ代えをしようと由美に言ったが、由美はなかなか行動にでようとしない。
「もう少し様子をみましょう。お腹の具合が悪かったから、おむつを交換してもすぐに汚してしまっては意味ないでしょ。その間に新しいおむつの準備とウェットティッシュとドライヤも用意してくれる?汚れたお尻をきれいに拭いた後、ドライヤで乾かすとおむつかぶれしないわよ。もちろんパウダもお尻にたっぷりかけてあげるんだけど、ドライヤで乾かした後の方がおむつかぶれに効果があると思うのよ」
「へー、由美さんさすがに詳しいですね」
その後も新しいおむつはどれにするか、何枚重なるか、おむつカバーはどれにしようか、などと延々と女同士の会話が続いた。
浩二はもう冷たくなったうんちを早くきれいにしたくて仕方がなかったが、おむつを交換してほしいとは素直に言えなかった。
「そろそろ、きれいにしてあげましょう」
由美はそういうと真子と一緒になって浩二の方を見た。
まず、歩行器の鍵を取る前に由美は浩二にきつく言った。
「浩二さん、さ、おむつを代えましょう。でもその前におとなしく横になって動かないでできるわね。どうも柔らかいうんちのようだし、動いたらうんちがあちこちについて汚れてしまうから。わかりますね」
浩二は由美の言うことは同意できた。しかし、真子と由美の前で急所と肛門まで見られ、さらに洩らしてしまったうんちを見られてその汚れたおむつを交換されるのはやはりイヤで素直に受け入れたくなかった。
もう既に急所や肛門まで見られておむつをされているわけだから開き直りの気持ちもあるが、かと言ってお願いしますという気持ちもまだ薄い。そんな風に浩二は思っていて黙っていると、由美が言った。
「浩二さん、おむつ替えもできないのなら、そのままずっとそこにそうしていなさい。歩行器の鍵を外すのもおあ付けですからね」
真子のこの言葉には浩二もすぐに反応したが、無駄な抵抗のような気もしていた。
「ちょっと待ってよ、きれいにしてくるから鍵だけでも早く外してくれ」
「浩二さん、本当にそのままでずっといるの?お尻がおむつかぶれになってしまうし、そのままじゃ家にも帰れないわよ」
「それは困るよ」
「じゃ、早くおとなしくいい子でおむつ替えをすることを約束しなさい」
浩二は三郎との約束もあるし、仕方がないのか、赤ちゃんに徹しようかと思いはじめていた。なんと言っても洩らしたうんちの感触が良くない。だんだんと気持ちわるさが増してきていた。このうんちを自分で処理するのも嫌気が指してきた。ここは赤ちゃんになって真子と由美にきれいにしてもらったほうが楽だと考え始めた。さっきまでの羞恥心より、はやくすっきりきれいになりたいという気持ちが勝ってきていたのだ。
しかし、真子も由美もどうして好き好んで汚いうんちをもらしたおむつを交換したがるのか、浩二は不思議でもあった。そのとき由美が言ってきた。
「赤ちゃんの格好はしていても大人のうんちですからね。正直、見たくもないし、そのうんちを洩らしたおむつを交換するのも大変よ。でも赤ちゃんとしての当然のことですからきれいにしてあげようと思っているのに、浩二さんはまだ赤ちゃんに成りきれないですか?本当にそのままで一晩泊まって行きますか?ベッドはだめですよ、そのまま歩行器の中で、その汚れたおむつをしたままで寝るのですよ、それでもいのですか?」
浩二に選択の余地はなかった。歩行器の鍵さえ外してもらえば一目散にトイレに行こうとも考えていたが、洩らしてしまったうんちがおむつにあるのではそれも気がひける。
さらにこのまま一泊するのは論外だ。諦めておむつを交換してもらおうと浩二は決めた。
「わかったよ、早くお願いしますよ」
「だめです、そんな言い方。もっと、ママさん役の真子さんに甘える気持ちで言いなさい」
由美はここぞとばかりに浩二を責め挙げた。
「真子さん、お願いします」
「真子はママです、あなたは赤ちゃんなのよ、そこを判ってもう一度言ってみて」
浩二は一瞬黙って考えたが、ここで女性2人を怒らしても意味が無い。なんとか納得してもらえるような言葉を言ってはやく汚れたおむつをきれいにして欲しかった。
「ママ、うんち。きれいにして」
浩二は仕方なくそう言ってみた。
「もう一度、かわいく言ってごらんなさい」
「ママー、うんち、洩らしちゃった。きれいにして」
「こうちゃん、うんち洩らしちゃったの。だめねー。もう出ない全部出たの?」
真子はママ役に徹してきたが、なかなか汚れたおむつを代えようとしない。
浩二はだんだん気持ち悪くなってくる下半身を感じながら本当に哀願するようになってきた。
「もう、出ないからきれいにしてください」
「仕方ないわね、こうちゃんは赤ちゃんですものね。今新しいおむつに代えますよ」
真子と由美は新しいおむつとおむつカバーを選び始めた。そして花柄のおむつを数枚とピンク地に白と黒のパンダが丁度お腹のあたりに描かれているおむつカバーを選んだ。
「このおむつカバーかわいいでしょう、ねえ、こうちゃん」
「このおむつカバーは真子さんのデザインなのよ」
浩二はどうでもいいからはやくおむつを外したかった。時間が経てば経つほど肛門や尻、それに急所の方までうんちによる気持ち悪さがだんだん強くなってきていた。
「なんでもいいからはやくきれいにしてくれよ」
「なんでも良くはないでしょう。こうちゃん。このパンダさんのおむつカバーでいいでしょう」
「わかったよ。そのパンダでいいよ」
「だめよ、そんな言い方。このパンダのおむつカバーをあててください、でしょ」
「そのパンダのおむつカバーをあててください」
「よし、いい子ね、チョット待っててね」
そう言うと真子はティッシュ、ウェットティッシュ、ドライヤー、シッカロールなどおむつをきれいに交換するための道具を一通り揃えた。
「じゃ、はじめましょう。まずは歩行器から出ないとね。歩行器から出てもおとなしくしているのよ、こうちゃん」
「わかったよ、早くしてくれ」
浩二はもう、若いコギャルの真子の前でおむつ代えをしてもらう恥ずかしさよりかは、洩らしてしばらく時間が経っているお尻の気持ち悪さに絶えきれなかった。
「そうじゃないでしょ。なんて言うの」
「ママ、早くおむつを替えてください」
「そうよ、その調子よ」
浩二はだんだん自分が赤ちゃんのような気持ちになっているのを感じた。しかし、それは暗黙のうちに心のなかに宿っているようで、それを自覚する気持ちより今は早くおむつを替えて欲しかった。
「おとなしくするから、早くおむつを替えてください」
由美は浩二が入っている歩行器の鍵を外した。
「鍵は外したわよ、浩二さん、出てくれますか」
浩二はやっと歩行器から出れるうれしさとこれで洩らしたうんちがきれいになるとはしゃぎながら、でもしかし、そっと歩行器から出た。あまり急いで行動するとうんちが余計にあちこちについてしまいそうだったから。
「こうちゃん、そこに静かに横になってね」
浩二はもう言われるままに静かに横になるしかなかった。
「さ、おむつをはずしますよ、あーうんちがいっぱい。くさーい」
浩二は自分でも臭ったが、それを自分できれいにはできない。風呂場でも行ってシャワーで流してしまいたかったが、今、動けばうんちであちこち汚してしまう。ここは真子と由美に任せるしかない。
真子と由美は「くさい、くさい」とは言いながら、浩二の両足を上に挙げたまま、汚れたおむつを外し、そしてティッシュで拭き始めた。
「ま、背中の方まで来ているわ、それにおちんちんも汚れているわ、これはウェットティッシュできれいにしましょう」
浩二はだんだん気持ち悪かったうんちがきれいにされていくのを気持ちよく感じ、恥ずかしいのは通りこして、そのまま本当に赤ちゃんのようにされるままにしていた。
「さ、いいかな、ウェットティッシュで濡れたからドライヤで乾かしましょう」
浩二は濡れて気持ち悪かったお尻や急所はドライヤで乾かされていくのが気持ち良かった。それはまるで床屋へ行って頭を洗ってもらい、ドライヤで乾かしてもらい同時にきれいに73分けにしてもらうようなそんな気持ちのいい感覚と似ていた。
「気持ちいいでしょう、こうちゃん。さ、今度は新しいおむつをあてましょうね。さっきのパンダのおむつカバーはこれよ」
浩二はされるままになり、新しいおむつとおむつカバーを着けられた。
「かわいい、丁度お腹のところにパンダがぴったりよ」
浩二はドライヤーで乾かされた下半身が今度はきれいなおむつに包まれ、ほっとした気分になっていた。おむつをされるのは2週間前までは絶対いやと思っていたのが、うんちを洩らしてそれをきれいにしてもらい、真新しいおむつに包まれるとなんだか本当に赤ちゃんのような気分で真子に甘えたくなるような気分だった。しかし、次の瞬間にはこう思った。
「いや、いかん、変な気持ちになってしまってはだめだ。おれにはまだやらなければいけない事業が待っているんだ」
そうは言っても現実に浩二の下半身は心地良いおむつの感じを感じ続け、浩二は自問自答していた。
「このベビードレスを着させて、散歩に行きましょうか、真子さん」
由美は少しうんちの臭いに嫌気が指したのかこう言った。
「賛成、少し外のいい空気を吸いましょう。うんちで汚れたおむつ交換は大変ね」
「そうね、でもそれが赤ちゃんの仕事だから」
浩二はベビードレスを着させられ、3人で庭へ向かった。
真子の家の庭はかなり広い。ブランコや滑り台で久しぶりのように童心に帰って遊び、池の鯉に餌をやったり、気づくと少し暗くなっていた。
「真子さん、少し暗くなってきたしから、そろそろ家に入りましょう」
「そうしましょうか。そうそうこうちゃんに3時のおやつをあげましょう」
「もう3時はとっくに過ぎていると思うわよ。でもおやつは賛成よ」
家に入るともう5時半だった。約束の赤ちゃん終了時間だった。
「こうちゃん、はいおやつよ。クッキーなら大丈夫でしょ」
「いや、約束の時間になったからもう帰るよ」
「せっかくだからおやつを食べていって」
浩二はやっと赤ちゃん姿から開放されると思うとほっとしたが、すぐにおむつを外すのももったいないような変な気持ちが生まれていた。
しかし、ここでこのままおやつでも食べてまた腹具合が悪くなったらいやだし、時間になったのだから、早く帰ろうと思うのだが、自分でおむつを外すこともしなかった。
「こうちゃん、もう少しいいでしょう。おやつを食べながら今度の着てもらうお洋服の話しとか、おむつやおむつカバーのデザインを一緒に考えましょう」
浩二はその真子の言葉で我に帰った。
「それじゃ、今日はこれで終わり。また来週はあまり来たくないけど、約束だから来るから」
浩二はそう言って自分でベビードレスを脱ぎ、おむつも外し、着てきた服に着替えて早々に帰った。
1回目は初めてのおむつをしておしっこを洩らし、2回目の今日はうんちまで洩らしてしまった。来週はどうなるのだろうと考えながら駅への道を急いだ。
しかし、おむつもし、おしっこやうんちまで洩らしてそのおむつをきれいにしてもらい、浩二はもうなにがあっても怖くないと思った。いやむしろ、汚した後、きれいにしてもらうことの気持ち良さとおむつに下半身を包まれている安堵感を感じて、逆に今はお尻や急所がパンツ1枚でなにかスウスウしているような感覚さえ出てきている。浩二はそういう気持ちを素直に感じながらも事業をうまく成功させなければいけないとそちらの方に頭を考えを切り替えようとした。しかし、今までおむつに包まれていた下半身がいやにすうすうして物足りない感じを押さえることができない。その2つの気持ちを戦わせながら浩二は歩いた。真子の父である三郎から借りた事業資金は多額である。折角苦労して借りた資金を無駄にしてはいけない。もう赤ちゃんやおむつのことは忘れて事業のことに頭を切り替えなければいけないと思い直しながらさらに駅へ急いで歩いて行った。
 

 
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