女児誕生
(ママはコギャル)


芥川秀一

次の1週間が終わるころになると、真子の父である三郎から借りた事業資金は底をついた。毎日の生活費にも困るような具合になってきた。幸い、真子の赤ちゃんに毎週土曜日の午後半日赤ちゃんになるだけでバイト料兼お礼の意味で10万円をもらっていたが、そのお金で食いつないでいた。
浩二はもうこの事業はだめなような気持ちがだんだん強くなっているのを感じていた。三郎から事業資金を借りるとき、三郎は今一つ魅力に欠けていてなにか危ない気がすると言われたのを思い出していた。
何が悪いという訳ではない。ただ、直感というものだろう。浩二は自信もあったし、抜かりがないように慎重に事業に専念してきたつもりだが思うようにいかない。景気が悪いせいなのか、事業とはこういうものなのか、全ての事業は成功しないだろうが、今自分が自信を持ってやってきたことが音を立てて崩れさろうとしている。もういつ破産してもおかしくない。
そうは感じながらも浩二は最後の力を振り絞って事業に専念した。しかし、3回目の真子の赤ちゃんになる土曜日を迎えるころには事業への諦めに近い気持ちが出始めていた。
3回目の土曜日は事業の疲れからかお昼近くまでぐっすり寝てしまった。しかし、今は真子の赤ちゃんになることで得られる10万円のバイト料は貴重な収入だった。
浩二はその緊張の理由からか、11時半に眼が覚めた。急いで支度をして真子の家へ急いだ。
浩二は前と同じように真子の家へ入った。真子は浩二の顔を見るなり挨拶もろくにしないまま浩二の手を取って真子の部屋へと連れていった。
「こうちゃん、あれかわいいでしょう」
真子が手の指さした壁には今まで見たこともない新しいおむつ、おむつカバー、猫の絵柄が入ったブラウスに真っ赤なミニスカート、そして目を引いたのはミニスカートタイプの踊るバレーの白いレオタードが掛かっていた。
「あのレオタードかわいいでしょう」
真子は目を輝かして浩二に言ってくるが、浩二は呆れて何も言えない。
「こうちゃん、先週話した通りあのレオタードでバレーを習いに行きましょう。アン・ドウ・トファよ」
浩二は先週真子がそんなことを言っていたのを思い出した。先週はそんなのはイヤだから、浩二も昔習ったことがあるピアノのほうに話しを向けたのだが、真子の意思は固かったようだ。
何も言わない浩二に向かって真子は続けて言ってきた。
「こうちゃんはもちろん赤ちゃんだから、おむつを着けてあのレオタードを着るのよ」
浩二はついに反撃の言葉を言わざるを得なかった。
「先週も言ったけど、赤ちゃんはバレーは無理でしょう。それにバレーならおむつはいらないでしょ。矛盾しているからやっぱりピアノの方がいいよ」
「ママは私だから私が決めるわよ。赤ちゃんだからおむつを着けるの。そしてこうちゃんは女の子だからバレーを習うのよ。両方一辺にできるのだからこうちゃんは幸せでしょ」
「おむつはもう今日で3回目だからいいけど、レオタードは男が着ても似合わないよ」
浩二は必死に反論する。
「そんなことないでしょう。ゲーバーに行けば男の人も着ているし、テレビでだった例えば、コメディアンの志村けんだってよく着ているでしょう。別に珍しくはないわよ」
「真子ちゃんはゲーバーに行ったことあるの?」
浩二はコギャルである真子の年齢にしてはませた言葉に内心びっくりした。
「そんなことどうでもいいでしょ。さ、まずは赤ちゃんの用意よ。先週はうんちを洩らしたし、その前はオシッコももらしたでしょう。まずはおむつをしっかりあてなきゃね」
「洩らしたくてもらした訳じゃないでしょう。ちゃんとトイレに行けるからおむつはいらないよ」
真子は憮然とした表情になり、いきなり浩二の洋服を脱がせ始めた。
「3回目なのにまだわからないの。脱がしますよ」
真子は浩二の言葉にきちんと答えず浩二の洋服を脱がせた。そして先週と同じような姿勢になって今日のおニューのおむつとおむつカバーを充てられた。
「今日の新しいおむつとおむつカバーかわいいわよ。その上にレオタードを着てみましょう。こういうのは初めてだから寸法が合うかどうか心配なの」
浩二はもう逆らう気もなく、しぶしぶ真子の言う通りレオタードに足を入れて着ようとしたが、おむつがジャマになって上まで上げられない。
「小さくてだめだね。やめよう」
浩二はこれ幸いと真子に言った。
「由美さん、急いで来て」
真子は大声で怒鳴った。
しばらくして由美が部屋に入ってきた。
「真子さん、どうしました?」
「レオタードが小さいみたい。これ以上、上がらないの」
由美も手伝って浩二にレオタードを着させようとするが、やはりおむつがジャマになって無理だった。
「こういうのを作るのは初めてだったから、失敗しちゃったね。ごめんね。すぐ寸法直すからね、真子さん」
浩二はレオタードを着させられないでほっとした。
「今日はじゃ、バレーの練習は無理ね、由美さん大至急直してね」
「大至急と言っても今日というのは無理よ。わかってね。なるべく早く直しますからね」
由美は洋裁が得意とは言っても、男の体に合ったレオタードで、しかもおむつを着けている浩二用ということで、どうも寸法の計算を間違えたようだ。
「こうちゃん、ではこのブラウスとミニスカートを着て女の子らしくなりましょう」
真子は浩二の返事を待つ暇も無く浩二に着させていく。
ミニスカートは浩二が少し屈めばおむつが見てしまうほどのミニであり、季節がら少し寒いこと、そして素足、それも男のすね毛が見えてしまっているので正直概観が美しくない。
「こうちゃん、白いタイツも用意してあるからそれを履きましょう」
真子も美しくないと感じたのかこう言ってきた。
「そうね、それがいいわ、足元から冷えてまた、お洩らししたら大変ですものね」
浩二はおむつの上にそのまま白いタイツを履かされた。浩二は「もうどうにでもなれ」という気持ちになっていた。レオタードを着てバレーの練習をすることを思えば、おむつのおかげでそれが中止になったのだからラッキーだと思うようにした。それに比べれば前回も着たミニスカート位は仕方ないかと思う余裕すら出てきた。
「こうちゃん、支度ができたから近くの公園まで散歩に行きましょう。由美さんも一緒に行きましょう」
「散歩ってこの格好で外へいくの?勘弁してよ」
浩二はレオタードを免れたおがげでほっとした気持ちだったが、その一言で我に帰った。
「散歩は散歩よ、歩いても5分位だから別に何も問題ないと思うけど。そうよね、由美さん」
真子は同情と賛成意見を求めるため、由美に声をかけた」
「浩二さん、あなたは真子さんの赤ちゃんだし、だからおむつもしてるし、女の子だからスカートもはいているし、別に何もおかしくないと思うわよ。その格好は別に問題ないし、勘弁するとかしないとかの話ではないと思いますよ。おむつの上にタイツも履いているから、スカートは少しミニだけど、下半身が冷えることはないと思います。ですから公園まで歩くことは何も問題ないと思いますよ」
由美は冷静な言い方で浩二を諭すように言った。
「だから、俺は大人の男なんだから、こんなおむつが見えてしまうような格好で、体つきが男なのにこんなミニスカート履いているなんて、恥ずかしく外は歩けないよ。勘弁してよ。この真子さんの家の庭は広いし、この庭を散歩すればいいだろ」
浩二は必死に抵抗するように哀願の言葉を言った。真子の父親である三郎の家の庭は広い。池には錦鯉が数十匹は泳げるような大きな池があるし、まるで有名な庭園そのままのような広さの庭である。
「昨日、家の庭は散歩したでしょ。今日は別のところに行きたいの。毎日毎日同じところでは飽きてしまうわ」
真子にはこんな広く良い庭を持っている価値がわからないかもしれない。しかし、小さかろうが、大きかろうが、人間というものは贅沢であり同じものであると飽きてしまうという特性がある。浩二は羨ましいとは思いながらもこの広い庭の中で留まり、外へ行って真子さんや由美さん以外の人にはこのおむつやミニスカート姿を見られたくないと思っていた。
「俺さ、池の鯉にもう一度餌をあげたいなあー。それから真子さんの庭広くてきれいに植木も整備されているからもう一度眺めていたいな。それなら外へ出るのはいいよ」
浩二は必死に三郎の家から出なくて済むように話をしてみた。
「こうちゃん、ママの言うことが聞けないの。私はもうこの庭には飽きているの。あの公園のすべり台や、ブランコで赤ちゃんのこうちゃんと遊びたいの。判った?」
真子は急に厳しい口調で言い出した。
「しかし、誰かに見られたらこんな格好恥ずかしいよ」
浩二ももうあきらめかけてきたが、やはりこんなおむつやミニスカート姿を真子や由美以外の第3者に見られたくない。
「いいかげんにしなさい。判らない子ね。公園に行きますよ」
真子は浩二のこの言葉に怒った様子でブスッと黙ってしまった。
「浩二さん、あなたは真子さんの赤ちゃんだからママの言うことは聞かなければだめよ。真子さんが悲しむなら、真子さんのお父様にあたる御主人の三郎様も悲しむと思うの。三郎様からは事業の出資を受けているわけでしょ」
浩二はそんなことまで由美が知っているとは知らなかった。浩二は愕然としたが、三郎の妾であればベッドの会話でそういうことまで話していることも想像できた。
「三郎さんにはお世話になっているので。。。」
「そうでしょ、お世話になっている方のお願いを受けているのに、その依頼を無碍にするのであればこちらにも考えがありますよ。わかりますか?」
由美はいつもとは違って強い調子で浩二をたしなめた。
真子は以前として黙ったままで考え込んでいた。
「浩二さん、わかりますか?」
由美は畳みこむように浩二に問い掛けた。
少し考えていた浩二も由美がそこまで知っていて、さらに強い調子で話してくるということは三郎から指示されているのだろうと想像した。浩二は咄嗟に思った。
赤ちゃんのようにすべきなのか?俺にはもう事業資金をあてがう余裕は無い、事業が失敗すれば多額な借金を抱えてしまう。三郎のご機嫌を損ねてたら大変なことになる。
「真子さん、公園に行きましょうか」
「浩二さん、まだ全然判っていない。あなたは真子さんの赤ちゃんなの。真子さんに向かって真子さんはないでしょ。ママでしょ」
浩二はもうどうしようもないのか、言われるままにするしかないのか、でも真子の言う通りに従えば10万円のアルバイト料をもらえるのだから。今の俺にとってはもうそれが生活費になっているから仕方が無い、浩二の頭は少しパニックを迎えるかのように回転していたが、冷静に判断すればここは依頼があった通り、赤ちゃんになって言われるままになるしかないと判断した。
「ママ、公園に行こう」
浩二は仕方なく、元気なくこう言った。
「浩二さん、それでいいのよ、その調子よ。そういう風に赤ちゃんになり気って、赤ちゃんのようにお洩らしや、はいはいや、そのほかママの言う通りにしてくださいね、わかりましたか?浩二さん?」
浩二はわかりたくはないが、従わざるを得ない。
「ママ、早く行こうよ、ねえ、ママおしっこしたいな」
この言葉を聞いて怒っていた真子も口を聞いた。
「オシッコしたいなは変でしょ。こうちゃんは赤ちゃんなんだから、おしっこしたくなったらおむつの中に洩らしなさい。そういうことを言うから本当にわかっているのかなと思うのよ。赤ちゃんはお洩らしがしたくなったらおむつの中にするの。ママが気を配ってお洩らしをしているかどうかを臭いやおむつの中を見て洩らしているか判断するの。それがママの仕事なの。判った?こうちゃん?」
浩二は追い討ちをかけるような真子の言葉にもう反論する元気も無くなってきた。
浩二は情けないと思いつつ、ここは真子の言う通りにしよう、赤ちゃんになりきってあげよう、という気持ちになってきた。もうおむつもされ、その中にオシッコも洩らしたし、先週はうんちまでも洩らした。そしてその汚れたお尻を肛門や急所までももろ出しでおむつを変えてもらっているのだ。もう恥ずかしいことはなにもない。さらに女の子のようにミニスカートまでも履かされて17才のコギャルの真子と、女性として熟している由美の前にいる。もう第3者の知らない人に見られてもそれ以上に恥ずかしい姿をこの2人に見られていることを思えば外の散歩くらいはなんでもない。
浩二はこんな風に自分に言い聞かしていた。
「こうちゃん、さ、行きましょうか」
「はい、ママ、公園へいこう」
「こうちゃん、その調子でいきましょうね」
浩二はおむつをし、ミニスカートを履いて近くの公園まで手を引かれて歩いて行った。ミニスカートのためおむつが見えてしまいそうで仕方がなかったが、白いタイツを履かされているので丈夫とは思いつつ気がきではなかった。そんなに心配するほど外は人がおおくは無かった。閑静な住宅街のためか、また時間態にもよるのだろうが、以外に人とは会わなかった。数人は見かけたり、通りすがったりしたが浩二は下を向いて歩いていてそのまま何事もなかった。
「公園に着いたわよ、こうちゃん、まずはブランコしましょうね」
真子は浩二をブランコに乗せると自分も乗り、大きくこぎ始めた。浩二も童心に帰ったようにしてブランコをこぎ始めた。由美は近くでその姿を微笑みながらじっと見ていた。
しばらくすると、今度は滑り台、そして鉄棒、砂場など浩二を連れまわしてはよく遊んだ。
そして由美が持って来ていたのに気づかなかったが、三輪車にも乗せられた。浩二の体に合わせて作られているので、漕ぐことは問題ないが、恥ずかしい。

 

「こうちゃん、おむつ大丈夫?」
浩二は大丈夫と聞かれて咄嗟に答えられなかった。真子にしてみれば赤ちゃんの浩二のおむつが汚れていないかを聞く言葉であったが、浩二にしてみればしたくもないおむつのことを聞かれてもなんとも答えられなかった。
真子は返事のない浩二に近寄り、突然浩二のミニスカートを捲りへそのところからおむつのなかに手を突っ込んできた。
「真子さん、どしたの」
いきなりおむつの中に手を入れられて急所をも握られた浩二は驚いた。
「おむつは汚れてはいないわね、大丈夫ね。もし、汚れていたらすぐにでもここでおむつを交換しなければいけないでしょ。汚れていないけど、帰り道が心配だから、ここでおむつを変えておきましょうか」
浩二はミニスカートを捲られおむつが見られてしまうと思い、真子の手を取りこう言った。「おむつが見えちゃうし、もう止めてくれよ。オシッコもうんちも洩らしていないだろ」
「でも少し、冷えてきたし、帰り道で洩らされるより、あのベンチに横になっておむつを交換したほうがいいと思うの」
浩二はこんな外で、おむつを交換されているところを見られるのは絶対ごめんだと思い、必死に反論するしかない。
「今、手を突っ込んでみたとおり、おむつは汚れてないだろ、それに家は近いから絶対に洩らすわけないよ」
浩二は今回は強い調子で言った。
真子も由美も浩二の強い調子に少しびっくりしたが、少し冷えてきた空気の中でのおむつ変えは余計にお腹を冷やしてしまうこともある。そんなことからこの話しはここで終わりになった。
「真子さん、少し冷えてきたしもう家に帰りましょうか」
「そうね、こうちゃん、もう帰りましょうか。よく遊んだものね。家に帰っておやつでも食べましょうか。また今度来て遊びましょう」
浩二は童心に帰って遊んだが、我に帰ってみればこんなおむつでミニスカートの姿は誰にも見られたくない。早く家に帰ることには賛成だ。公園のベンチでのおむつ変えを逃れることができたこともあり、浩二は早く家に帰りたかった。
「もう、家にかえろう」
浩二はまた、真子と由美に両手を引かれながら真子の家へ歩き始めた。
家について壁の時計をみると夕方の4時であった。赤ちゃんの姿も後1時間半の我慢だと思いながらも無事に家についたことに「ほっと」とため息が出た浩二であった。
「こうちゃん、おやつ食べましょう」
真子はいつのまにか、クッキーと赤ちゃん用のボーロというお菓子を持ってきていた。
「今、由美さんが暖かいミルクを持って来ますからね」
真子はそういうなりそのクッキーを食べ始めた。
「こうちゃんは赤ちゃんだから、このボーロね。お口の中ですぐ柔らかくなる小さなお菓子だから赤ちゃんでも大丈夫よ。はい、あーんして」
浩二は素直に口をあけてボーロを口にいれてもらった。正直少しお腹も減っていたので何十年ぶりで食べたボーロの味は今でもおいしく感じた。
「あらあら、もう食べているの。浩二さん用のミルクと私たちの紅茶を持ってきましたよ」
そこへ由美が現れた。
「赤ちゃんのこうちゃん、はいミルクですよ」
真子は由美から哺乳瓶を受け取ると浩二を膝枕にさせその口に哺乳瓶の乳首を咥えさせた。
ミルクは暖かく外で少し冷えた体にはおいしく感じた。浩二はコーヒーが好きであったが、今はそんなことを言えるわけが無い。
浩二はしばらくそのミルクを飲んでいたが、真子と由美の会話が途切れたと思った瞬間、真子はこう言った。
「こうちゃん、ミルクはちょっと休憩ね、はい、あーんして」
と哺乳瓶を取り上げた。しかしその言い方はなにかおかしかった。それは真子の口の中に自分で食べたものが残っているままでしゃべっているように聞こえた。浩二は真子の膝枕で真子の顔を下から改めて見た。
真子はもう一度言ってきた。
「はい、あーんして。こうちゃんにクッキーを食べさしてあげる」
このときはもう普通の言い方であった。浩二は真子が何をしようとしているのかわからなく、口を開けようと思わなかった。
真子は口を開けない浩二を見て、こう言った。
「こうちゃん、クッキー食べたいでしょ。でもこうちゃんは赤ちゃんだからクッキーは少し堅いかな。だから、ママが口の中で柔らかくしてあげるから、そしてこうちゃんの口の中にそれを入れてあげる。口移しで食べさしてあげるからね。わかった?」
浩二は若いコギャルの真子と理由はともあれキスをするのは別にいやではなく、むしろしてみたいという欲望はある。それは男であれば普通の感覚であろう。しかし、真子が噛んだクッキーを口移しで食べるのはどうかなと思った。しかし、女性とキスをすればそれは男も女も両方ともお互いの唾液を飲みこんでいるわけで、それがクッキーの味だと思えばどうということは無いかと思った。その時だった。急に真子の顔が近づいたと思ったら、浩二の口にキスをし始めた。そして真子は舌で浩二の唇を開け、その中に真子が噛んでどろどろになったクッキーを入れ始めた。浩二は最初はいきなりと思ったが、真子の柔らかい唇の感触に酔っていた。そしてその中から出てきたクッキーの甘い唾液を吸いこみ飲んでいた。浩二の頭は真子の膝枕でさらに真子は浩二の頭を抱えている。浩二は動きたくても動けず、そのままにして真子の口からのクッキーを飲んでいた。
しばらくすると真子は口を離した。
「どう、おいしかった?もうひとつ食べますか?赤ちゃん?」
クッキーは少し気持ち悪かったが、真子とのキスには抵抗はない。許されるならこのまま真子を抱いてみたい欲望も出ていた。
「真子さん、そろそろ時間ですよ」
そこへ由美の一言が出た。
「えー、もう時間なの?今日はまだ、おむつ交換もしていないのよ」
浩二は真子とのキスがもう一度できないのは残念だが、おむつをとって赤ちゃん終了の時間が来るほうがもっとうれしい。
「こうちゃん、今日は最初で最後のおむつ交換をしましょう。こうちゃんのために今日はピンクのおむつカバーを用意してあったのよ。本当はこれを公園のベンチでするはずだったものなの。おむつ交換しますからベビーベッドに横になって」
「もう時間だと言うし、おむつは汚れていないから今日はこれで赤ちゃんごっこは終わりにしようよ」
「だめ、今日最後のおむつ交換をするの。この新しいおむつカバーをこうちゃんがしたところを見てみたいのよ。時間はまだ15分もあるじゃないの」
真子は時計を見ながら言った。
浩二は仕方なくベビーベットに横たわった。いつものように真子と由美は浩二のおむつを交換し始めた。特に汚れてはいないが、二人は浩二の急所から肛門、お尻をきれいにして、そして新しいおむつとおむつカバーをつけた。
「かわいい。こうちゃんによく似合うわよ。このおむつカバーで今度はバレーのレオタードを着ましょうね」
真子は今日着ることが出来なかったレオタードに大分未練があるらしい。しかしその言葉を聞いて浩二も時計を確認し、二人に言った。
「さ、時間だ。今日はこれでさよならだ」
そういうと、浩二は自分でおむつカバー、おむつ、そしてミニスカートやベビーを脱いでいった。家から着てきた自分の洋服に着替えると、由美がいつものようにアルバイト代としての10万円が入った封筒を渡してくれた。
「それじゃ、さよなら」
「また、来週来てね、もっとかわいいおむつを用意しておくからね」
浩二はその言葉には返事をせず、真子の家を去った。
 

 
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