ラブ・カバー(Love Diaper cover)

芥川 秀一  著

 

 

 

あらすじ

 

ストレスから急に甘えだした和也は入院したときのおむつを妻の洋子にせがむ。洋子は週末になると赤ん坊化し始めた和也をあやしていたが、そのうちに和也だけではなく洋子にもおむつをせがむ。二人ともおむつになれた頃、和也はラブカバーを提案する。拒んでいた洋子だが和也のストレスを心配し、どこにも販売されていないラブカバーを作る。そのラブカバーを身につけて2人は抱き合いながら同じおむつの中でお漏らしし、お互いの暖かいものを体で感じ合いながら果てていく。ラブカバーとは一体どんなおむつカバーだろうか。

 

 大人の赤ちゃん返り(HP)

 

目次

 

親の願い

夫の願い

妻の願い

友の興味

週末赤ちゃん

二人赤ちゃん

ラブカバー誕生

予感

 

親の願い

 

三村 和也は大学の友達と一緒にスキーに行った。大学4年で就職も携帯電話会社に決まり安心して行った正月休みだった。しかし21歳の和也は今までにスキーをやったことが無い。友達の進めで一度くらいはと思いスキーに行ったのだが調子に乗ってスピードを出しすぎ、大きな木と正面衝して足に怪我をしてしまった。足の怪我は骨にひびが入りそのまま救急車で病院へ連れて行かれた。現地で応急の処理はしたが、入院が必要なので家族とも相談し、自宅近くの病院に入院することになった。スキー場近くの病院からは向かえに来てくれた父親の車が自宅近くの病院まで運んでくれた。怪我の状況から1カ月は絶対安静で動けない。その後はリハビリしてなんとか元に戻り、以外と成績のよかった和也は授業をあまり受けないでも最後の期末試験を乗り切って就職することができた。

その入院した病院では絶対安静ということからおむつをさせられた。最初は松葉杖でトイレに行こうとしたのだが、全く拒否されおむつのお世話にならざるを得なかった。しかし、看護婦さんにもよるが皆親切にしてくれておむつを交換するときもお腹の上にカーテンを敷いてくれ、当人と看護婦がお互い顔を見合わせなくてもよいようになっていた。もちろん言葉はかけてくれるが、秘部や汚物を見られている顔は見られたくない。看護婦さんはなれているのだろうが、おむつを恥ずかしがる病人の扱いもなれていて恥ずかしがる病人にはそうしてくれた。しかし、だんだん慣れてくると一々カーテンを閉めずにおむつを交換し始める看護婦さんもおり、カーテンを閉めるように依頼すると、「もうおむつやお漏らしも慣れたでしょ。動けない病人は当たり前です。恥ずかしいことはありません」と冷たい場合もあった。

 そんな中で、唯一いつも優しくそして丁寧にてきぱきとおむつ交換をしてくれる看護婦の林 洋子がいた。洋子は愛想もよく笑い話にも付き合ってくれた。洋子は高校を卒業後、看護学校を卒業して2年。22歳としてはそろそろ看護婦の最初のいろはを全てマスターしている頃だった。そんな洋子に和也は好意を持っていた。おむつ交換も必要なくなり松葉杖を使って自分でトイレにいけるようになってからも洋子は「おむつをしてあげようか」などと言って和也をからかったこともあった。和也はリハビリも終わり退院するときに洋子に「付き合ってほしい」と告白し、最初のデートの約束をした。それから和也は就職し、五月病などの相談もいつも洋子としながらお互い励ましあってきた仲になっていた。和夫と洋子はその夏もディズニーシーに遊びにいく、友達との飲み会やカラオケなどいつも一緒にいる親しい間柄になっていた。

 和也が洋子に結婚を申し込んだのは12月のボーナスをもらった後のクリスマスだった。ボーナスで指輪を買い、ホテルの高層階にあるフランス料理のレストランで白ワインと料理を食べ終わった後に和也は結婚を申し込んだ。洋子は二つ返事をくれた。それからはすぐに正月休みに友達やお互いの両親に紹介するなど忙しい年末年始になった。和也は結婚式をいつごろにするかまでなどは一切考えていなかったが、お互い紹介した両親通しが意気投合し、祝い事は早いことがよいことになり、そのまま二人もそれを受け入れた。和也の父親の仕事関係からそのホテルで結婚式をすることになったのは3月だった。しかも和也が病院を退院した日から丁度1年後であった。お互いの両親は早く孫の顔が見たいのか、「善は急げ」を言葉には出さないまでも行動で示していた。そうして和也は病院でのおむつの世話の仕方から好意を持った洋子と結婚した。

 

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