友の興味

(ラブ・カバー)

芥川秀一

 

3日後の朝。洋子は相変わらずおむつをしている和也のことが心配だった。ここはやっぱり医者とも思うがやはりその前に親友に相談することにしていた。夫がおむつをして赤ちゃんのようになっていることを友達に相談するのも恥ずかしかったが一向に変わらない和也を心配してのことだった。親友の加代子は同じ看護学校の同級生でもあるし、同じ病院で苦労を一緒にしてきた仲だった。和也の入院の時も和也の世話もしている。もちろん加代子も和也のおむつを何回も取り替えたことがある。
「和也、もう10時だよ。起きようよ」
「もう少し寝ている」
洋子は和也のおむつを探って濡れているかを確認したが今日は珍しく濡れていない。ウンチもしていないことを確認した。
「今日は、まだおむつ大丈夫ね。和也、私、加代子のところに行ってくるね。お昼ごはんを食べたら帰ってくるから。朝ご飯はテーブルに用意してあるよ。行ってきていい?」
「そうなの。行っちゃうの?」
洋子は事前に話そうと思ったが、和也のことを告げ口するみたいで控えていた。でも当日になっては言わざるを得ない。
「何か、加代子から相談があるんだって。電話があってさ。大丈夫よね」
「わかったよ。行っておいで」
洋子は和也が夜中に起き出してパソコンでネットサーフィンしているのをトイレに行った時にみた。明け方までやっていたら起きるのは昼だろうと思い、思いきって行ってくることにした。
「おはよう」
洋子がマンションを出るといきなり1階に住むおばさんから挨拶してきた。
「おはようございます」
「ねえ、昨日何かおむつみたいな洗濯物が干してあったけど」
「あー、あれは友達の赤ちゃんが遊びにきて。おむつを替えたときに洗濯して干してあげたんです」
「あらそう、今どき布おむつをする赤ちゃんも珍しいわね。私の子供の頃はおむつと言えば布しかなかったけど、今の人は洗濯も楽になったわね」
「そうですね。でも私にも赤ちゃんができたら布おむつをしてあげようかと思っているけど、まだ赤ちゃんは宿ってないです」
「そう、今後が楽しみね。赤ちゃんができたら布おむつにしてあげなさい。その方が赤ちゃんには優しいわよ」
「赤ちゃんができたときにはまた教えてください。今日はちょっと用事があって出かけます。失礼します」
洋子はおむつの洗濯物はなるべく部屋側に干して外からは見えないようにしたつもりだったが、風かなんかで見えたのかもしれない。おむつは家の中に干そうと決めて足早に駅に向かった。
加代子のマンションは電車で2駅先だ。駅前でショートケーキを買って足早に向かった。
「あら、いらっしゃい洋子。あがって」
加代子のマンションには何回も遊びにきたことがある。
「久しぶりね。こうして二人でケーキを食べるのも。もう、結婚して4カ月かな」
「そうね、友達や両親も家に呼ぶのがやっと終わったと思ったらもう夏休みよ」
「今年はどこかへ行くの?和也さんは元気?今日は?」
「今年は計画も立てられなかったわ。和也は元気というか何と言うか」
加代子は紅茶のお代わりの用意をする。おしゃべりに飲み物は必須だ。紅茶にレモンを絞るとレモンの香りが広がる。
「和也さん元気なんでしょ」
「それがさ」
洋子は加代子に相談しようと思ってここまできているがいざ和也のおむつのことを話そうとすると口篭ってしまう。
「何よ、和也さんと喧嘩でもしたの」
「喧嘩という訳じゃないけど」
加代子はいつも明るい洋子を心配に思い、絶対に聞き出そうとする。
「なによ。洋子らしくない。何かあったらなら相談に乗るわよ。和也さんのおむつも病院で一緒に替えてあげたし、そんな二人のことが心配よ。それとも和也さんのことじゃなくて、何か別のこと?」
「和也のことなんだけど」
「やっぱり。喧嘩でもしたの。大丈夫よ。誰にも言わないし、洋子との仲じゃないの。話したほうが楽になるわよ」
洋子は明るいほうだが、加代子もそこそこ明るい。どちらかといえば洋子の方が明るい性格で加代子はわりと構えて何でも吸収してしまうタイプだ。
「加代子、和也がね。おむつをしているの」
「え、また怪我でもしたの」
「そうじゃなくて、病院でおむつをしてくれたのが忘れられないんだって。それでストレスとか体がだるいとか言うので和也の言うままにおむつをしてあげたんだけど」
「へー、和也さんがねえ。精神的に疲れているんでしょ。少し優しくしてあげればすぐに元に戻るわよ」
「そう、私もそう思ってやさしくしてあげたんだけど、本当に故意にお漏らしをするのよ。私のバストもオッパイと言って吸ってくるし、本当に赤ちゃんみたいなの」
「可愛がってあげればすぐに戻ると思うけど、少し様子を見てだめだったら医者に見てもらうといいかな」
加代子の言うことは洋子が既に考えていたことと同じだった。体が動かない訳でもないし、通常の会話もできるし、医学的にはどこも悪いところはありそうで全く無い。やはり、1週間とか1カ月とか様子を見るしかない。そして今週は夏休みだが、休みが終わってから会社に行くときに和也がどういう態度をとるか。まさか会社にもおむつを当てていくとは思えない。二人はそのときの様子を見るべきだと思った。
「しばらく様子をみると言うことでそれまでは優しくしてあげるというのが一番のような気がするね。でも、和也さんのおむつ姿をみてみたいな。病院とは違ってさ、家でしょ」
「そうよ、家でもあのキシキのおむつカバーよ。病院も家も同じみたいよ。布おむつの洗濯も増えたし」
「キシキのおむつカバーか。あれは医療用で赤ちゃん用には合わないわね」
「そうなの。それでね、インターネットで可愛いおむつカバーを見つけて買ったのよ。まだ届いていないけどさ」
「だったら、キシキにアップリケでも付けてあげたら。洋子はお裁縫得意でしょ」
「そういう手もあったわね。でもカバーも一つじゃ足らないから私がお裁縫で作ってあげていることで少しはご機嫌がいいみたい。それにロンパースも作っているのよ」
「へー、ずいぶん熱心ね」
「仕方ないじゃない。しばらくは和也の言う通りにしてあげないとよくないと思って」
「そうだよ。今のところはやさしくしてあげないとだめよね。じゃ、ミルクとかも哺乳瓶であげるとか、おしゃぶりとかも」
「そうよ。その辺は紙おむつを買うときに一通り買ったわ」
洋子は和也を赤ちゃん扱いする代わりに洋子の妹にしていることは伏せた。あくまで和也のことが心配で加代子に相談している。加代子はずいぶんと興味を持ったらしく、気が付けば昼の一時に近い。
「そうそう、お腹へったよね。在り合わせのものでよかったら食べていって」
「そうね。ご馳走になるわ。昼ごはんを食べたら帰ると和也には言ってあるから」
「今度、遊びに行ってもいい?」
「ええ、いいわよ」
「和也さんのおむつを替えてあげるわよ。私達は病院でいつもやっているから別にいやらしくないでしょ」
「ええ、そういうことは全然気にしないけど。和也がどう思うかなって」
「和也は赤ちゃんでしょ。ママの言うことは聞きなさいですよ。ママの友達はママ。そう、私もママというか看護婦さんの立場で接するだけよ。それならいいでしょ」
「ええ、いいわよ」
「善は急げだけど、今日は夜勤なのよ。だから、今度の土曜日は」
「私はいいわよ。和也も問題ないと思うわ」

その土曜日の昼下がり。
「ピンポーン」
「はーい。いま行きます」
洋子は大きな声で返事をした。和也は紙おむつに洋子の普段着を着ている。和也は恥ずかしいから和也の普段着に着替えると言ったが、洋子はおむつを取り替えるには不便だからとスカートを譲らなかった。そして洋子の妹として言うことを聞くという約束に和也は仕方なく洋子の言うことを従った。
「和也、加代子が来たわよ」
加代子は手下げ袋を2つも持って部屋に入ってきた。
「和也さん、久しぶりです。元気ですか」
「ええ、元気です」
「あら、スカートを穿いているの」
加代子はいきなり和也のスカート姿に注目した。洋子からおむつをしているというのは聞いていたが、スカートを穿いているというのは聞いてなかった。
「洋子がスカートを穿きなさいって強情だから」
「和也、和也がおむつを当てているからでしょ。おむつを替えるのは大変でしょ。その度にズボンを脱がすのは勘弁してほしい。だからおむつをするのならスカートにして頂戴ということで和也と合意したのよね」
「和也さんがおむつをしているというのは洋子から聞いていたわ。でも、スカートは意外だったわ。でも似合っているわよ」
「洋子、話したの?」
「そう、加代子なら大丈夫よ。前に病院で和也のおむつも替えてくれた仲でしょ。別に恥ずかしくも何もないでしょ」
「それはそうだけど」
「これ、クッキーよ。3時のおやつには少し早いけど」
「ありがとう。コーヒーにする、それとも紅茶?」
「紅茶をお願いできる?」
洋子はキッチンに行き、紅茶の準備をする。加代子は和也の姿をしみじみと見て、和也の股の間からも覗いてみる。
「和也さん、紙おむつ?」
「そうだよ。布おむつはそんなにないから」
「一体どうしたの。急におむつしちゃって」
「洋子から聞いているんだろ」
「それはそうだけど、やはり本人とも会話したくて」
「ストレスから急に洋子に甘えたくなっただけだよ」
「そうよね、そういうときはうんと甘えたほうがいいわ。すっきりすればまた気分も変わるものよ」
加代子は和也と話しながら和也を精神科に連れて行ったほうがいいかどうか、一人の看護婦として見ていた。しかし、医者に見せるまでもない。通常の会話も全く大丈夫と判断した。今回、加代子が和也の家に遊びにきたのはその目的が大きかった。もう一つは和也のおむつ姿、赤ちゃん姿を見ることだったが、和也は大分照れているようだ。スカートを穿いていることもそうだろうが、紙おむつを覗かれたということもある。
「病院で何回も和也さんのおむつも替えてあげましたから、恥ずかしいことも何にもないですよ。私たちは毎日やっていることですから」
「洋子、なぜ和也さんにスカートを穿かしているの?」
加代子は紅茶とクッキーを持ってやってきた洋子に質問する。
「そうね、病院で患者さんが浴衣を着ている場合はいいけど、パジャマだとおむつを替えるのは大変じゃない。ズボンを脱がすのは2人がかりじゃない」
「そうよね。あれは重労働よね」
「だから和也にはおむつを替えやすいようにスカートにしてもらったの」
加代子は和也を初めて見たときのスカートを穿いている疑問には納得がいった。そして2つ目の質問をした。「和也さん、紙おむつだとごわごわしてない?」
「それはするけど、さっきも言ったけどあまり布おむつはないから」
「和也さん、そう私も思って布おむつを持ってきてあげたわよ」
「加代子、本当。でもそれどっから持ってきたの」
もう一つの手下げ袋を開けるとそこには50枚ほどの布おむつがあった。洋子は手にとって広げてみると、少し疲れている布ではあるがきちんと洗濯され、漂白もされているようだった。
「あ、わかった。加代子、これ病院の」
「ご名答。でも盗んだわけじゃないのよ。きちんと洗濯して漂白してあるんだけど最近は少なくなったのよね。布おむつする人が。それでね病院ではある期間を過ぎると処分することになっていてね。その通りに処分しようかと思ったんだけどそのまま持ってきたという訳」
「そういえばそうよね」
加代子はこういうことには洋子により詳しい。情報通でもあり、要領もすごいよくて早いのが加代子の性格だった。
「最近は本人の希望より、付き添いの人がさ、そんな誰が当てたかわからない布オムツは不潔と言って紙おむつを希望する人が多くなったわよね。昔は皆布おむつを共有して使っていたし、問題ないと思うけど。それに病院もそうだけど旅館なんかで使う浴衣だってみんな共有じゃない。洗濯して漂白してあれば不潔でも何でもないと思うわ」
加代子の説得力ある言葉に洋子も和也も聞きほれていた。和也はそう布おむつを賞賛されると自分が今あてている紙おむつが急にごわごわしてくるような感触を覚える。足を少し開いてみたり、スカートを穿いているのでまた閉じてみたりするとやはり股には紙のごわごわの感じがある。布おむつのように下着に似た感触とは違う。
「それでね、和也さんにも布おむつをしてもらうかな、と」
「夜寝る前は布にしているのよ。寝るときはやはり布と思うから。でも昼間もずっと布にするとすぐ洗濯が間に合わなくなって足りなくなっちゃうから昼間は紙おむつにしてもらっているの。経済的にも助かるわ、ありがとう」
「で。おむつカバーはどうしているの?」
「おむつカバーは今は一つよ。あのキシキよ」
洋子はそう言うと慶応病院で買ってきた白いおむつカバーを加代子に見せた。しかし、加代子のアドバイスを前にもらって殺風景な白いおむつカバーには熊さんの大きなアップリケが付いている。
「あらま、可愛い。アップリケ1個でもずいぶんイメージが違うわね。結局どこの病院でもキシキのおむつカバーがメジャーだものね」
「加代子のアドバイスで熊さんをつけてみたの。これ正解ね」
「でも、おむつカバーは一つじゃ足らないでしょ」
「そうなの、だからネットショッピングで一つオーダしたからそろそろ届くと思うわ」
「へー、そういう物まで売っているの」
「可愛い、フリルがたくさんついたカバーをオーダしたのね。和也」
「そうだね」
加代子はネットでいろんな物が販売されていることにも興味を持ったが、和也に布おむつを当てて上げるほうの興味が強かった。加代子は和也のスカートを捲ると紙おむつを指差す。
「これ布に取り替えてあげようか。もうすぐ別のカバーと届くと言うし、今度病院からキシキのおむつカバーも持ってきてあげる。そうして今度はお花とかキャラクターとかのアップリケをつけてもらえば楽しいじゃない」
「和也、そうしてもらえば。加代子に布おむつを当ててもらって」
「えー、洋子ならいいけど」
「何恥ずかしがってるのよ。私達は看護婦でおむつ替えについてはプロよ」
「和也、加代子も和也の世話を焼いてあげたいのよ。大丈夫だから。加代子、準備するね」
加代子はアップリケの付いたおむつカバーを洋子から受取り、床に広げる。そしてその上に布おむつを横、縦ときれいに敷いていく。
「洋子、和也さん、おしっこの量は多いの?」
「そう、普通かな」
「じゃ、5枚、5枚くらいかな。はい準備いいわよ」
加代子はそう言うと和也を立たせ、和也のスカートを一気にめくる。そこにはテープ式で和也の下半身を包んでいる紙おむつがある。
「紙おむつもね。赤ちゃん用のようにキャラクタとかさ。そう大人用だったらお花とか風景画でもプリントしてあるとずいぶんイメージが違うけどね。仕方ないね。そう、そのままでいいからオムツの上にお尻を付いて」
和也はしぶしぶながら加代子に手を取られて移動し、おむつの上にお尻を付こうとする。洋子は黙って加代子の献身ぶりを見ている。
「さ、紙おむつを外すわね。ごわごわさん、さよならよ。そう、和也さんにおしゃぶりある?」
「ええ、あるわよ。おしゃぶりをしておとなしくしてね」
加代子は洋子からおしゃぶりをもらうと和也の口に入れ、また和也の股の前に移動する。
びりびり、という音をさせながら加代子は和也の紙おむつをはずしていく。そして和也の両足を持って上に上げると紙おむつを抜き取った。両足を下ろすと洋子と同じようにやさしくそして器用に布おむつを当てていく。ホックと紐で縛り上げるとスカートを下げる。
「和也さん、どう、布おむつは」
「そうだね、やっぱり紙よりいいよね」
「そうよね。おしっこしたくなったらいつでもしていいのよ。すぐに替えてあげるから」
その後は女性同士の話に付き合いながらも、緊張していたのか、和也は紅茶を2杯もお代わりをした。加代子とは洋子の友達ということもあって何度か話をしているが、洋子との女性同士の話にはどうしても退屈してしまう。紅茶のお代わりのため、和也は尿意を覚えている。しかし、加代子にはそう素直に甘えるのは恥ずかしい。ずっとおしっこを我慢している和也だった。
「あらま、こんな時間。夕飯は約束があるので帰るわね」
「あら、いいじゃない。夕飯も食べていって」
「約束があるから。でも、和也さんの汚れたおむつをきれいにしてあげたかったな。和也さんおしっこ大丈夫?さっきから紅茶をずいぶん飲んでいるし、私たちはトイレに行っているのに和也さんは行ってもいないし、おむつも濡れていない」
加代子は和也のおむつに素手でさわりながら、しきりに和也のおしっこを催促しているようだ。
「いや、大丈夫だよ」
そう言いながらも和也は大分おしっこを我慢しつづけている。そういうしぐさは大抵言葉や態度などに表れてしまうものだ。加代子は気づいていたが、自分がいる間和也はおしっこを我慢し続けると思った。加代子は確かに約束があるのは確かだが、和也のおむつを替えてあげられるくらいの時間はあった。
「洋子、また来るね。今日は失礼します。和也さん、あまりおしっこを我慢してはだめよ。それじゃまたね」
加代子は帰っていった。和也はそれを見届けると一揆におむつにおしっこを漏らした。それにきづいた洋子が和也をつれておむつ替えに行くとき、また玄関からピンポーンと鳴った。


加代子が戻ってきたのだ。和也はどうしたものかと思うが、洋子は玄関に行ってしまった。
加代子は和也のところまで歩いてくると、やっぱり、という顔をしながらも平然と言う。
「和也さん、さっき、キシキのおむつカバーを持ってきてあげると言ったけど、サイズを押しえてもらうのを忘れてしまって」
「加代子、和也は今Mだけど、布おむつを何枚か当てると少しきついみたい。少し太ったのかな。だからLがいいわ」
「了解、ところでおしっこ漏らしたんじゃない」
「そうなのよ、加代子が出ていったと思ったらすぐよ」
「そんなことだと思ったわ。洋子、おむつ替えてあげるからすぐ支度して」
「でも、約束があるんだろ」
「大丈夫よ。まだ余裕があるの。洋子、お絞りと、シッカロールね」
洋子が準備に行ってしまうと、加代子は持参した布おむつを床に敷いてゆく。おむつカバーがひとつしかないことに気づくと和也にやさしく話し掛ける。
「そうね、おむつカバーがまだひとつしかないから」
加代子は和也を寝かすと、スカートを捲りおむつカバーを外していく。カバーを外すとプーンとおしっこの臭いが立ち込める。そこには黄色くなった和也のおむつがあった。
「たくさん出たわね。ぎりぎりで漏れていないけどこんなに我慢してはだめですよ。和也ちゃん」
布おむつの濡れていない部分で和也の下半身を拭きながらおむつをはずしていく。そこへ洋子はおしぼりとしっかロールを持ってきた。加代子は和也の下半身をお絞りできれいに拭いていく。両足を持ち上げ肛門の方までお絞りで拭いていく。
「そっちは出ていない」
「赤ちゃんは黙っておとなしくしていなさい」
加代子はシッカロールをこれでもかと振りかけていく。洋子は加代子の手際よさと少しシッカロールが多いのではないかと思いながらも黙ってみている。そして和也の両足を持って上げるとそこにおむつを敷きこんでいく。慣れた手つきでカバーもしていく。加代子は本当の赤ちゃんに対するような態度でおむつ替えを終えた。多少でもいやいやながらおむつ替えをする洋子とは違って対照的だった。洋子は和也のおむつ替えを終わると、また遊びに来るね。キシキを持ってね、と言い残して帰って行った。
 

 
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