予感
(ラブ・カバ−)


芥川秀一

今年のクリスマスイブは週末の金曜日だった。洋子は看護婦のスケジュールを調整してクリスマスは夜勤がないように調整できた。その分ウィークディには夜勤を多くこなした努力の成果だった。家ではラブカバーを作成しながら和也と正月の予定の相談も欠かさなかった。そしてクリスマスイブがやってきた。和也はスパークリングワインと洋子へのプレゼントとしてマフラーを、洋子はショートケーキと和也へのプレゼントとして手袋を買っていた。結婚後の初めての冬を迎えるために暖かくなるプレゼントをお互いに考えていた。
週末のいつものように、おむつをお互いに当てると洋子も和也もスカートを穿いた。和也は洋子の妹としての普段着を着た。
「クリスマス、おめでとう」
「おめでとう。ますは乾杯」
「乾杯」
ショートケーキの脇に小さなガラスの容器に入った1本のキャンドルの火は電灯よりロマンテックだ。部屋の明かりを消し、キャンドルの小さな明かりを楽しみながら二人は乾杯をする。ケーキの上にキャンドルを置くのは蝋がケーキに垂れるのであまり好まない。小さいがガラス容器の中のキャンドルも明かりはケーキも汚さず二人の好みに一致していた。
乾杯をし、夕飯を食べ、そしてプレゼントを交換後にデザートのケーキを食べる終わると8時だった。
「和也、パーティは終わりにしようか。お風呂に入る?」
「そうだね。洋子も片付けたらすぐに入るといい」
「そうするわ」
二人ともラブカバーの最初の日ということについては話さない。話さないが二人とも早くお風呂に入ってラブカバーを当てようということに意識している。和也がお風呂から出てくると洋子もすぐに入った。和也は洋子が作ったラブカバーを箪笥から取り出しラブカバーの当て方を確認していた。今までは頭の中でしか考えていなかったラブカバーが目の前にあり、そして愛する洋子もラブカバーを当てることにようやくのことで納得してくれた。
ラブカバーを目の前にして当て方を確認していると洋子がお風呂から出てくる音がした。和也はラブカバーを箪笥にしまい、テーブルに戻った。洋子がドライヤで髪を乾かした後、水を一杯飲み終わるとテーブルにお互いに向かいあって座った。
「洋子、ラブカバーしようか」
「なんか恥ずかしい」
「家に帰ってきて、ワインを飲んで、その間ずっとトイレに行ってないし、オモラシもしていないよね」
「そうね。和也もね」
和也は洋子を寝室に誘う。部屋の明かりは小さな豆電球ひとつだ。和也は洋子の衣服を優しく脱がしていく。和也も洋服を脱ぎ、おむつも自身で外した。その後洋子のおむつも和也が外す。二人は丸裸のままで寝室に立っている。和也はラブカバー一式を手元に置くとラブカバーを当て始めた。
「洋子、そばについて」
「ええ」
二人は言葉少なめに正面から向かいあって抱き合う。和也は横用のおむつを洋子の背中から自分の背中に回し、さらに何回か回して当てる。左右の腰のところに安全ピンで止めた。次に縦用のおむつを数枚重ねた状態で洋子の背中から入れた。通常のおむつの当て方とは逆になるが立っているので仕方ない。縦用おむつも洋子のお尻から出てきた。そこで背中のところでやはり安全ピンで止めた。お尻から出てきたおむつを洋子の股を通し、そのまま和也の股を通したところで洋子に頼んだ。洋子は和也の股から出てきたおむつを和也の横用おむつの中にくぐらせて和也の背中まで出す。そしてそこで安全ピンで止める。ラブカバーの場合安全ピンで止めないと落ちてしまう。
「おへその下にもいれるよ」
「ええ」
和也はおへその下にもおむつを入れ終わるとラブカバーを洋子の背中から当てる。おむつと同じように洋子の股をくぐらせると自分の股にくぐらせ、腰のところでホックを止めていく。右側と左側の両方を留めると最後に紐でキュッときつく締める。二人の体はよりぴったりと密着している。ラブカバーを当てると二人はカに歩きをしながら横に移動してソファの脇に来た。ラブカバーは可愛いが、二人の歩き方は滑稽にも見える。
「ソファに座るから、洋子は足をソファに置いて」
和也は洋子の太ももを持つと持ちあげてソファに腰掛けた。洋子は足をソファにかけた。和也はおへその下のおむつに手を入れると自分の大きくなった肉棒を洋子の股間に挟んだ。その肉棒は今にも行きそうに勃起している。勃起もしているが溜まっている尿意もかなり強くなっている。和也はもう少し我慢をして洋子の唇を吸う。両手は洋子のオッパイを優しく掴んだり、乳首を摘む。洋子は和也の頭を両手で囲んでいる。二人はお互いの唇を吸ったり、離しては耳たぶを吸ったり愛を確かめる。どのくらいそうしていたか定かではないが、和也はそろそろと思う。
「洋子、俺からいくよ」
「え」
驚いた様子の洋子に和也は最後の確認をする。洋子の股に包まれた肉棒からオモラシをする。二人はおむつとラブカバーに包まれているから漏れることはないと確信しながら。
「大丈夫よ」
洋子の確認をもらった和也はそのままオモラシのための踏ん張りに入った。男は立ったままする場合でも座ったままする場合でも一度出すぞと体へ気合をかける。その間も洋子を抱きしめ唇を吸った。
「あ、暖かい」
洋子が和也のオモラシに対して反応する。和也も洋子の股に出しながら、おむつに吸収されながらも自分の体にも感じる暖かさに酔いしれる。洋子は和也の頭をさらに強く抱きしめた。
「よかったよ」
「ええ」
「今度は君の番だ」
「本当にいいの」
「大丈夫だよ。してごらん。そのためのおむつとラブカバーだから」
洋子は小さく頷くとやはり踏ん張りに入ったのだろう。腰に少し力が入ったように思える。1分位たったのだろう。抱きしめている洋子の股間から暖かいオシッコが和也の股間に出始めた。おむつは和也のおしっこに加えてさらに吸収していくが、その吸収速度は遅くなったように感じる。その分二人の体は温かいおしっこに濡れていく。
「洋子、いいよ」
二人は恍惚とした状況で抱き合っている。洋子が出し終わってもしばらく二人はそのまま抱き合っていた。オモラシとその恍惚が終わった後も二人はさらに口付けと愛撫を繰り返す。
「洋子、入れてもいいだろ」
「でも、おしっこに濡れているから」
「おむつが吸っているから大丈夫だ」
洋子の股間はオシッコと違うぬるぬるとした液体でも濡れている。そして和也の肉棒の先からも透明な潤滑のための液体が滲み出ているのがわかる。和也はそれらの液体の初めて感じる量の多さに内心びっくりしながらさらに口付けと愛撫を繰り返す。和也は右手をおへその下からおむつの中に入れ、自分の肉棒を洋子の秘部へと誘う。その肉棒は今まで経験したことの無い洋子の液体によって簡単に洋子の中へと入っていった。
「ああ」
洋子は今までのセックスでは経験したことがない呻きをあげる。和也もぬるっとして、そして暖かく吸い付くようにしてくる洋子の秘部に感激していた。洋子は少し腰を動かし、和也は洋子の奥深くまで入れたり、少し弱めたりと二人は今までに経験したことの無い激しいセックスを経験していた。
「いく」


和也がそう言うと和也の肉棒から白い液体が洋子の中に放出された。今までの洋子とのセックスの中では一番多く出たのではないかと感じるくらいだった。放出後も二人はそのまま抱き合っていた。和也の肉棒は序所に小さくなっていき、自然と子の体から離れた。
和也と洋子は今までとは違う激しいセックスの終わりに何かの予感を感じていた。週末赤ちゃんではない本当の赤ちゃんの予感を。                  <終>
 

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