8.幼児デイサービス

翌朝、強い尿意と便意で恵子は目が覚めた。反射神経的に起き上がりドアを開けようとするがやっぱり開かない。今はミルキーアルバイト中だから仕方ないと諦めるが強い尿意と便意でもう眠ることもできない。かといってこのままおむつの中に両方をお漏らしするのもできない。強い便意は夜寝る前に説明を受けていた乳酸菌のおかげとうれしい反面、大きい方のお漏らしは勇気がいる。由樹と美樹をインターフォンで呼んでも状況は変わらないと思いつつも由樹と美樹に甘えてこの状況から脱したいという思いで思わずインターフォンのボタンを押してしまう。ピンポーンという音が壁の奥で響いている。
「早く来て、もう出ちゃう」
恵子はいらいらしながら地団駄を踏んで由樹と美樹が部屋に来てくれるのを待った。ほどなくするとドアの鍵が外から開けられる音がした。ほぼ同時に由樹と美樹が部屋に入ってきた。
「恵子さん、おはよう」
「お、おはようございます。あの、もう我慢できないんです。トイレに行かせてください」
「トイレには鍵がかかっているわよ。だからあなたのためにオマルを持って来たわ。昨日練習したようにそのままおむつを当てたままでお漏らししましょうね」
「そんなことできません」
昨日の練習ではおしっこだけだったが、大きい方も一緒だとそんな勇気は恵子にはなかった。
「じゃ、我慢するのもいいけど幼児デイサービスの最中に大きい方もお漏らしして幼児さんたちの前でウンチで汚れたおむつ交換をしてほしいのかしら」
「いやー、嫌です」
「じゃ、素直になりましょうね」
恵子はその言葉に血の引く気持がした。そんな恥ずかしいことはできない。それに強くなる一方の尿意と便意に負けて恵子の気持ちに変化が起きてきた。黙って下を向いていると由樹が優しく恵子の肩を押してオマルに跨るようにした。恵子はもう楽になりたいという気持ちと、由樹と美樹に甘えたいという気持ちから自然とオマルに跨ってしまう。
恵子は目を閉じて由樹と美樹を視界から消すとお腹に力を入れた。踏ん張るまでもなく、恵子は放尿を開始し、お尻からは乳酸菌の効果でウンチも出始めた。恵子のおむつの中はおしっことウンチで一揆に汚れ始めた。
「あー」
恵子は思わずため息をついた。吸収性のいい紙おむつとはいえ、大量のおしっことウンチで汚れた紙おむつは恵子の下半身にべったりと付いてくる。
「お漏らしは終わったかな」

「ええ、はい」
恵子は素直に返事をした。それはもう気持悪い汚れたおむつを替えてほしい気持で一杯だったからだ。
「そしたら何と言うのかな」
「お、おむつを替えてください」
恵子はもう素直にその言葉を言うと由樹と美樹はおむつ替えの準備を始めた。赤ちゃん部屋に便臭が籠りながらも由樹は恵子の汚れた紙おむつを外していく。恵子の両足を上に上げ汚れた紙おむつをすぐにビニール袋に入れる。お尻拭きできれいにしながらそれもビニール袋に入れてシッカロールをたっぷりと付けると柔らかい匂いが少しずつ溢れてくる。恵子は両目から溢れてくる涙を手で拭きながら由樹と美樹に感謝していた。
「さ、今日もバスタオルの布おむつを当ててね。そしてお着替えして、お化粧して朝ご飯を食べてから幼児デイサービスに行きますよ」
恵子はその言葉に思わず涙を留めるとホットした。デイサービスで幼児たちの前でウンチをお漏らししたおむつ替えは避けられたと思ったからだった。
恵子はバスタオルのおむつを当てられ、かわいいウサギ柄のおむつカバーを当てられると上にはピンクのシャツを着せられ、そしてミニスカート付きのロンパースを着させられる。太股まであるハイソックスを穿き、大きな涎かけをかけられると、テーブルで朝ご飯を食べた。朝の出かける前の忙しい時間なので、トーストとハムエッグは1人で食べられたが、食後の哺乳瓶からのミルクは由樹が飲ましてくれる。
「ミルクはいっぱい飲んで、いっぱいおしっこをするとかわいい赤ちゃんねって可愛がってくれるわよ。幼児デイサービスでは可愛い赤ちゃんですごしてね」
「それはどういう意味ですか」
恵子は昨日のおむつを当てたままのオマルでおしっこの予行演習で聞いた内容が心配になってくる。おむつを当てた赤ちゃんはお漏らししたら皆の前でおむつ替えということなのか。
「昨日話した通りよ。さ、お化粧してもう出かけないと間に合わないわ」
恵子の心配をよそに由樹は恵子に化粧をしていく。ファンデーションの後に頬を少し濃いめの赤にしてかわいい女の子らしくなっていく。
「さあ準備ができたから行きましょうか」
美樹が恵子に最後の準備の赤ちゃん帽をかぶせると3人で向かう。マンションの玄関からベビーカーに乗って地下の駐車場から車で移動する。

「あそこよ」
目の前のビルの2階の窓に大きく幼児デイサービスと書いてあるのが恵子にも見えた。どんなことをするのか心配だが、アルバイト中なので仕方なくそのビルに入っていく。
「こんにちわ、日奈森です。今日はよろしくお願いします」
美樹が入口の自動ドアから入って大きな声をだす。すぐに中年女性の先生が入口に近づいてきた。
「いらっしゃい。今日はよろしくお願いします。この子が体は大きいけど赤ちゃんの子ですね。お名前はめぐみちゃんね。よろしくお願いします」
「めぐみちゃん、こんにちわって言うのよ」
美樹が恵子に挨拶の催促をすると恵子は小さな声で挨拶をした。
「この子は本当にまだ赤チャンですので、今日はよろしくお願いします」
「はい、本来は幼児さんのお母様とお子様は離れてサービスを提供するのですけど、今回はお母様に助けていただく場面があるということですので、同席で構いませんよ。赤ちゃんの場合はそうしていただくとこちらも助かります」
恵子はどういう意味なのかよくわからないまま聞き流していた。それよりも赤ちゃんから幼稚園児位までの幼児たちの視線が気になっていたし、後から入ってくる幼児とその母親からの視線も気になっていた。
「さ、そろそろ今日の幼児さんたちは全員集合したかな。時間になったから始めましょう」
中年女性の先生と幼児と挨拶をしていた若い先生は幼児たちを椅子に座らせはじめた。由樹は恵子を近くにあった椅子に座らせた。とっても小さな椅子で恵子は窮屈な体制で座るしかなかった。
「はい、皆さん、おはようございます」
先生の大きな声のはっきりした挨拶に幼児たちも挨拶を返した。幼児たちは落ち着きの無い子もいるが皆先生の方を向いて大人しくしている。
「今日は皆さんと先生たちと楽しく過ごしましょうね。少しお勉強して少し遊んでお話をしてお話を聞いて、そしてご飯を食べてトイレもしましょうね。そして少しお昼寝をするとお母様がお迎えに来ますからね。ではよろしくお願いしますね。まずは最初にトイレの用を足してからです。一人でできる子は先生と一緒に行きましょうね。そうでない子はお世話します大丈夫ですよ。それからおしっこは出ないという子も全員で一緒にいきますからね」
その言葉を聞くと幼児たちのほとんどは立ちあがってトイレはどこなのという顔をする。若い先生は幼児たちを男の子と女の子の列に並ばせるとトイレに引率して連れていく。恵子はふと周りを見れば自分一人が椅子に座ったままなのに気付く。出かける前におしっこは出ていたので一緒に行く気はしなかったが、全員で行くのに恵子1人で残るにも寂しかった。
「先生、あの子は座ったままだよ」
トイレに向かう列の最後にいた男の子が部屋を監視している別の先生に言った。
「あの子は赤ちゃんなのでトイレには行かないのよ」
「どうして、みんな行くって言ったよ」
男の子は皆で行くのに行かない子が居ることに不満を感じていて不服な顔をしている。
「赤ちゃんはね、おむつしているでしょ。だからトイレには行かないのよ」
先生は恵子に遠慮しながら小さな声で男の子に説明するが男の子は納得がいかない。
「だって大人の体なのに赤ちゃんなのはおかしいよ」
その声を聞いた数人の幼児たちがトイレへの列から離れて恵子の周りに集まってきた。
「この子赤ちゃん何だって。体は大きいのに変だよね」
男の子が疑問を幼児たちと先生にぶつける。先生もどうしたらいいか分らず幼児たちを列に戻そうとするが幼児たちは言うことを聞かない。その様子を部屋の後で見ていた美樹と由樹が真剣な顔をして恵子に近づいてきた。恵子はただでさえ。赤ちゃんの格好をして恥ずかしいのに幼児たちが恵子の周りに集まってじろじろ見られているのが耐えられないが由樹と美樹が近づいてきてくれたので少しほっとした。
「いい、皆さん、よく、聞いてね」
美樹が幼児たちの前ではっきりと丁寧にだが力強く声を出すと幼児たちはおしゃべりを止めて美樹の顔に注目した。
「この子はね、体は大きいけれど赤ちゃんなのよ。おしゃぶりも取れないのよ」
由樹はその声を聞くとバッグからおしゃぶりを取り出し恵子の口に入れ込んだ。恵子は思わず入れられたおしゃぶりを咥えたが、同時に幼児たちの視線をあびると目を閉じてしまう。美樹は恵子のロンパースの股のホックを外していくとロンパースを上に上げるとバスタオルのおむつでパンパンに膨れているウサギ柄のおむつカバーが幼児たちの目の前に現れた。恵子はすぐにロンパースを押し下げようとするが、美樹が押さえていておむつカバーを隠せない。
「ほらね、この子はおむつを当てているでしょ。赤ちゃんなのよ、分りましたか?」
幼児たちはおしゃぶりを咥えている恵子の顔からおむつカバーの下半身に視線を移した。幼児たちが不思議そうな顔をして恵子の下半身を見つめている。
「本当だ。この子はおむつをしているんだ。へえーじゃおもらししちゃうの?」
「そうよ、お漏らししたらおむつ替えを手伝ってくれるかな?」
幼児たちはざわざわと話し始めたが、恵子がおむつを当てている赤ちゃんだということは納得したようだ。
「僕はやだよ。おしっこに触るの嫌だから」
さっきまで恵子に興味心身だった男の子は急に引いたが、逆に女の子は興味を持ったようだ。
「私は手伝ってあげる」
「私も」
母性本能がある女の子は恵子を急に可愛らしい赤ちゃんと感じたようだ。
「そう、ありがとう。じゃ、今お漏らしを確認してみますね」
美樹は恵子のおむつカバーの脇から手を入れて汚れていないかを確認する。恵子はまだお漏らししていないことを確信すると早くロンパースで隠してほしいと思う。
「大丈夫よ。お漏らししていないわ。じゃ、由樹さん、ミルクを飲まして上げて」
由樹は恵子のおしゃぶりを取り上げるとミルクの入った哺乳瓶を口に入れた。恵子は幼児たちの視線や恥ずかしい思いで喉が渇いていたので思わずチュウチュウと哺乳瓶の乳首に吸いついた。
「ほらね、この子はおむつをしているし、ミルクも飲む赤ちゃんなの。分りましたか」
「はーい」
幼児たちはようやく落ち着きを取り戻すと席に戻って座り始めた。恵子はようやく離れてくれた幼児たちに安心したが、今までの緊張と利尿効果のあるサプリメント入りのミルクが尿意を促していた。
幼児たちがトイレから帰ってくると先生が前に立って数枚の絵を幼児たちに見せ始めた。
幼児たちは、先生が見せる絵を見ては、これは何でしょう、という質問とその答え合わせに夢中だ。
それが終わると少し休憩して、次はお歌の時間として童謡や幼児にふさわしい歌謡曲を一緒に歌っている。恵子も懐かしい歌に思わず口ずさむが、急に強い尿意が襲ってきた。もうすぐお昼ご飯だろうからそれまで待てると自分に言い聞かせるが、別にお昼ご飯になってもこの状況は変わらないと我に帰ると急にさびしくなり美樹と由樹の姿を探す。2人は教室の後で恵子や幼児たちを微笑ましく見つめている。
キンコンカンコン、キンコンカンコン
懐かしいメロディの電子音が教室に穏やかに流れてきた。先生が幼児たちの前に立ち幼児たちに説明する。
「お昼ご飯の時間です。皆さんに配りますから大人しく待ってくださいね」
「はーい」
幼児たちの元気のいい声を響くなか、先生は紙パック入りの牛乳と菓子パンとフルーツがのったトレーを幼児たちに配っている。恵子の前に配られて準備が終わると再び先生は幼児たちの前に立った。
「いただきます」
「いただきます」
先生の声に次に幼児たちの元気のいい声が続くとお昼御飯を食べ始めた。恵子もお腹は空いているが、もう尿意が限界だった。でもここでお漏らししたら幼児たちの前でおむつを替えられると思うと必死に耐えながらお昼ご飯を食べさせてもらっていた。美樹と由樹に食べさせてもらいながらも強烈な尿意で足をもぞもぞとしているが、2人はそんな恵子の様子を無視しながらお昼ご飯を食べさせていた。
お昼御飯が終ると幼児たちは思い思いに遊び始めた。恵子の近くに寄ってきて話をする幼児もいたが、恵子は尿意でそれどころではなく、相手にしないとそのうち幼児たちは離れて行った。ばたばた遊び回る幼児たちを尻目に恵子はもう耐えられない尿意と戦っていた。由樹と美樹は幼児たちが遊ぶのを楽しそうに見ながら恵子に優しく寄り添っていた。そろそろお昼休みも終わりそうな雰囲気の中、恵子はもう限界だった。近くにいる由樹の手を握ってチョロチョロとおしっこを漏らし始めた。恵子の様子を見ながら由樹は恵子の手を握り返す。恵子はもう安心しておしっこを漏らし始めた。
「あー」
恵子は嗚咽を出しながら暖かいおしっこをおむつの中にでしていく。吸収性のいいバスタオルのおむつとはいえ、おむつカバーの中はびしょびしょの状態だった。
「由樹さん」
恵子はおしっこが終わると小さな声で囁いた。早くおむつを替えてほしい、でも幼児たちの前では嫌という恵子の暗黙の気持ちが由樹に伝わっていく。
「皆さん、お昼休みは終わりです。これからお昼寝の時間ですよ」
先生の声に幼児たちは遊ぶのを止めると椅子を片付け始めた。先生立ちは布団を教室内に敷き始めると幼児たちを1人1人寝かし始めた。少しずつ幼児たちのおしゃべりも少なくなっていくと幼児たちはお昼寝に入っていった。
「もう、替えてください」
恵子は小さな声で由樹に哀願した。暖かったおしっこは冷えてびしょびしょのおむつは恵子の下半身をいじめていた。それに耐えるのも恵子の限界だった。幼児たちが寝しずまるのいい機会に恵子はとうとうおむつ替えを哀願した。
「そうね、そうしましょう」
由樹と美樹は恵子の汚れたおむつを替え始めた。寝ているはずの幼児たちがいつ起きるか分らないという心配の中、おむつ替えはスムーズに行われた。
「あなたも少し寝なさい」
恵子は言われるまでもなく、幼児たちの前で赤ちゃんを演じたことで少し疲れていた。少し目を閉じると恵子も少し眠ったようだ。

キンコンカンコン、キンコンカンコン
昼食の時と同じ電子音が響くとお昼寝が終了する。先生たちは幼児たちを起こして回る。由樹と美樹も本当に寝てしまった恵子を起こす。
「さ、お帰りの準備です。まずはトイレですよ」
「先生、あの大きな赤ちゃんは」
「皆が寝ている間にお漏らしをしておむつを替えたんですって、だから大丈夫ですよ」
「そうなの、つまんない」
おむつ替えをしてあげたいと言っていた女の子は不満を出したが、トイレタイムが終わると皆で挨拶をしてさよならとなる。
「先生、さよなら」
「さよなら、またね」

恵子も乗ってきたベビーカーに乗ると近くに止めてあるクラウンに乗って幼児デイサービスを後にした。

 

おとなの赤ちゃん返り
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