恋人に実験
(おむつは仕事よ)


芥川秀一

紙おむつのしまつをする前にしっかり観察をしたのは言うまでもないが、そのおむつをシマツし、自分の体もきれいにした後、由紀はゆっくりと朝食の準備を始めた。
今日は日曜日で二人とも休みである。
「由紀、早いな」
「おはよう、健一、朝ご飯の支度出来てるよ。顔を洗って早く食べよう」
二人はいつもの日曜日に比べると早めの朝食を食べ始めた。
「昨日はあれから寝てしまったけど、おむつはどうだった?」
「あれから、普通の下着に着替えて寝たわよ。どうして?」
「どうしてって。おむつの中にお洩らしをしなきゃ、その感覚がわからないだろう。協力してあげるから、もう一度おむつを当ててあげよう。朝のオシッコや大きい方はどうしたの?」
「健一、朝食を食べているんだから、そういう話しはしないのよ」
健一は昨日、中途半端で寝てしまったので、協力不足と思われるといやだから話しをしてみたのだが、食事の最中の話題ではないなと思い、その話しは止めた。
食事を終わり、新聞を見て、テレビを見始めた健一に由紀が言った。
「今日はなにか予定あるの?」
「今日は特にないよ」
しばらくして考えていた由紀は勇気を持って言出した。
「健一、今度は男の人がおむつをした感触を聞いてみたいの。おむつの企画はやはり、男用と女用の両方の企画がないとだめと思うの。そうでしょ。こんなこと健一にしか頼めないわ。判ってくれる?」
「え、俺がおむつするの」
 健一は由紀の仕事のためと思い、由紀におむつを当ててあげたが、自分がおむつを着けることなど考えもしなかった。
「こんなこと、会社の男の人に頼める訳ないでしょ」
「そりゃそうだけど、なんで俺がおむつをしなけりゃいけないの」
「健一、私の仕事の協力をしてくれるって約束してくれたでしょ。そして私にもしてくれたし。今度は男性の意見も聞いてみたいの。こんなこと頼めるのは健一しかいないでしょ。お願いよ」
「しかし、由紀は紙おむつを身につけたけど、お洩らしはしていないじゃないか」
「そうだけど、おむつを身に着けただけでもいい提案の材料になったと思うの。でも男性の感覚はわからないでしょ。それに女性の場合、お洩らしをするとあそこに入ってしまって不潔でしょ。その点男性は別に大丈夫でしょ?」
「そんなこと、もの心ついてからお洩らしなんかしたことないから判るはずないじゃないか」
「でも考えてみればわかることでしょ。だから、私の仕事のためと思って、私の言う通りにおむつをしてください」
「俺はやだよ、そんなこと」
「私のために協力してくれるって約束してくれたでしょ」
健一は困ってしまった。約束はしたが、自分までもおむつをするのは気が引ける。
「セックスの時のように裸で何も考えないでいてくれればいいの。後は全部私がやるから。健一の臭いものもきれいにしてあげるから」
「そう言われても。大の男がおむつなんて」
「私と健一だけの秘密だし、私のおむつの企画の仕事のための実験なんだから、別に恥ずかしくも何もないのよ。健一ならやってくれるでしょ」
「臭いものもきれいにするって、俺はおむつの中にお洩らしをするということ?」
「そうよ、さっき言ったように女性の場合は汚いものがあそこに入ると直ぐに尿道炎になってしまうって聞いているの。病気の場合は仕方ないけれど、実験としては危険よ」
「それはわかるような気がするけど、本気か」
「健一、私にはおむつを着けさせておいて、自分は何もしない気? それで、私のおむつの企画の仕事に協力してくれてる気なの?ずるいわよ」
いつもと違う由紀の剣幕に健一もとうとう負けた。
「わかったよ、どうすりゃいいんだよ」
「ありがとう、でもヤケになってやるのはいやよ。目的はいいおむつの企画を作ることなんだからね。おむつを当てた感触やお洩らしをした後の感触なんかから、どうしたらいいおむつができるかを企画するのが目的なんだから。わかってよ」
健一は返事もしたくなかった。
「それで、今日の予定はまた、紙おむつ、それも今度は男性用を買いに行きましょう」
「また、紙おむつ買いか」
「紙おむつがいやなら、こうしましょうか。布おむつ用の布を買ってきて、私が縫ってあげる。洋服とは違うから簡単でしょう。でもおむつカバ−は作るのが難しいそうね。やっぱり紙おむつの方がいいし、まずは実験としては紙おむつの優先度が高いはずね」
由紀は健一の拒否反応の言葉に思わず布おむつのことを言出していた。
「なに、その優先度というのは。紙おむつの次は布おむつか」
「健一、もちろん必要に応じてよ。でも本当に布おむつを実験しようとしたらカバ−はどうしたらいいのかしら」
「大人のおもちゃのお店でも行けば売っているんじゃないか?」
「健一、買ってきてくれる?私はそういう場所へ行くのはいやよ」
「俺もそんなに知らないよ。エロ本の店は知っているけど、そういうものを売っている店は知らないし、仮に知っていてもそういうものを買うのは気が引けるよな」
「そんな先のことは話すのは止めましょう。この前紙おむつを買ったあの病院に行くのはイヤだから、別の病院に行きましょう」
今まで由紀は紙おむつのことしか考えていなかったが、健一との今の会話で布おむつのことも考える必要がありそうだと思い、この方法も考えなくてはと思いはじめた。
「健一、デパ−トへ行って布おむつとおむつカバ−を見てみようか。赤ちゃん用品売り場なら売っているでしょう。赤ちゃん用品売り場なら全然恥ずかしくも何もないでしょ。私が妊娠していて健一がお父さんという設定にしてあげるから」
「それはどうも光栄で。いいですよ。ママサン」
「それとね、健一この前のB病院では紙おむつとか布おむつとか意識しなかったんだけど、たしか、老人用のおむつカバ−があったような記憶があるの。老人用ということであのときは全然意識しなかったんだけど、紙おむつとか布おむつとかいう考えに立つと確かにあった記憶があるの。健一どう思う?」
「俺は老人用ということで、パステル風の色あせたような色のおむつがあって、こんなのは由紀にはさせたくないなという感覚しかなかったよ」
「健一、私は布おむつも企画の中に入れておいたほうがいいと思うのよ。だから布おむつとそのカバ−が手に入るのなら、変なアダルトショップへ行くよりましだと思うのよ」
「俺はどっちでも」
「健一、あなたがするおむつのことを話しているんですからね。まじめになってよ」
「本当に、俺がおむつするの?」
「そうよ、わたしのおむつの企画に協力してくれるって約束したでしょ。それはさっきさんざん話したでしょ。今はその方法を話しているんだから。そして、買ってきたおむつを健一がして、お洩らしをするのよ。私がどんな風になっているかも含めて観察しながら企画を考えるんだから。おむつのほうも、それから健一のお尻の状態もよ。おむつかぶれはどのくらいで発生するかも知りたいし」
「そこまでやるか?でも由紀がおむつをしてくれるのなら。。。」
とだんだん声が小さくなってしまった。
「私がおむつをしてあげるのだから。いいでしょ。病院の看護婦さんにしてもらうのは恥ずかしいわよ。協力してくれるんでしょ。私を愛しているんでしょ。お願い、健一」
健一は返事のしようが無い。
由紀はたたみかけるようにもう一押しをした。
「健一は黙って何もしなくていいの。私が全部やってあげるから。私の言う通りにしていればいいの。簡単な協力でしょ」
健一は「協力してもいいけど。。。」
とぼそぼそ言うしかなかった。
「ありがとう、健一。何も恥ずかしいことはないからね。ありがとう」
一瞬、間が空いた。
「協力ありがとう。本当に約束よ。それからもう一度言っておくけど、おむつをするだけじゃ、実験にならないから。女性の場合の話しはさっき説明したでしょ。同じこと何度も言わせないでよ」
健一はおむつをしてお洩らしまでする約束した憶えはないが、女性の場合には確かに不潔だと思うのは同感であった。
「確かに女性の場合は不潔だよな。それはわかるよ。セックスのとき、糞にまみれたあの中に息子を入れたくはないな。それに病気のこともあるしな」
「健一、ありがとう、それじゃ早速出かけましょう」
健一はみかけ上約束させられたが、おむつをした後で、そうそう大小便が出るわけないだろうと思い、ただ、おむつを身に着けるだけで今日のところは由紀に付き合ってやろう、という気持ちにした。そうでないとなんかやりきれない。
「健一、最初にディスカウントストアで紙おむつを買いましょう。病院で買うよりまず安いでしょ。次に病院で布おむつとおむつカバ−を買いましょう。そして最後にデパ−トで赤ちゃん用のおむつカバ−を見てみたいの。いいでしょ」
「仕事熱心な由紀のためなら、仕方ないかね」

* *********

二人はディスカウントストアで男性用の紙おむつを買った。買う前に由紀は健一のウェストのサイズを確かめた。そして普通のMサイズを買うことにし、今度も由紀が黙っでレジで支払った。そしてそのままを持ち歩くのは気が引けるので、由紀が用意してきた紙袋に移し、外からは紙おむつだということがわからないようにして、健一は由紀からその紙袋を取った。
「由紀、よく気がつくな。ありがと。こうすれば外からはわからないよ。今度は俺が持つよ」
「お願い。次はこの前のB病院ね。今度は布おむつとおむつカバ−ね。サイズだけ確かめて買って、すぐに病院は出ましょうね」
「そうだな」
B病院では前に見ていた由紀の記憶が当たっていた。紙おむつの他に布おむつやおむつカバ−も置いてあった。しかし、それらは老人用なのであろう。薄いピンクやブル−で、パステルまでいかないいわゆる少しくたびれた色のおむつカバ−であった。
由紀は今度は躊躇もせず、店員に話しかけた。
「すいません、男性のMサイズのこれください」
仕事のためとは言え由紀の態度は毅然として、前とは大違いの態度であった。
「おしっこの量は多いほうですか」
店員は聞いてきた。
「ええ、すこし多いです」
由紀は適当に合わせて答えた。
「そうですか、ではおむつカバ−は少し余裕があったほうがいいと思います。おむつは何枚くらい当てていますか」
由紀はこの質問にはすぐには答えられなかったが、知恵を絞って答えた。
「今までは紙だったのですが、父がごわごわするというので。。。」
その先は黙ってしまった。
「店員は気を効かせてか、枚数が多いようでしたら、Lサイズ、普通でしたらMサイズでいいと思います。多い方は3枚、4枚とされますので、そういう方はLサイズがいいでしょう」
由紀は恥ずかしいながらも、健一の方は見ずに答えた。
「それではLサイズをお願いします」
「おむつは何枚いりますか。セット物ですと5枚、10枚、20枚とありますが」
そう聞かれても即座に答えが出てこない由紀であるが仕方なく答えた。
「5枚ください」
由紀は後は黙って料金を支払い店を出てきた。
由紀は店の外で待っていた健一に近づいて行き、そして健一も黙って一緒に売店を後にした。
しばらく病院の廊下を出口に向かって歩きながら、由紀はため息をつきながら言った。
「あ−、恥ずかしかった」
「お疲れ様。君のお父さんを病気にするところなど由紀はうまいな。それにおむつの枚数やオシッコの量など聞かれたってそんなの判るわけないよ」
「健一、でもその当たりも研究のいい材料になりそうね。もう少し会話をして情報を仕入れたほうがよかったかも。また今度ね。今度はまた悪いけど父のおむつということで話しを聞いてみようっと」
以外とあっけらかんとしている由紀であった。
「由紀、ちょっとトイレに行ってくるな」
このチャンスを気転が早い由紀は見逃さなかった。
「健一、待って。さっき買った紙おむつをしてみてよ。そうすれば今、1回洩らせるでしょ。それに夕方の家に帰るまでにはさらにもう1回くらいオシッコが洩らせるでしょ。早速、協力してよ」
「え、バカ言うなよ。外でなんかやだよ」
そういうと健一はそのまま病院のトイレの中に入ってしまった。
男の小便は早い。1分もかからずに健一はトイレから出てきた。
「健一は私に協力してくれる気があるの」
由紀は怒った顔で健一は睨み付けた。
「あるよ、あるからここに居るんだろう」
「もうすこし、前向きに協力してよね」
そういうと、由紀は病院の出口の方へ歩き始めた。
健一は由紀に駆け寄りながら言った。
「そう怒るなよ。おむつをするだけでもいやなのに、ましてや外じゃ誰に見られるかわかりゃしない」
「ミニスカ−ト履いてるわけじゃないし、ズボンなら大丈夫でしょ」
「とにかく外ではいやだ」
「判ったわ。じゃ家に帰ったらお洩らしをたくさんするのよ。そうしないと実験にならないわ」
「お洩らしはいやだよ」
「健一、私に協力してくれるって今約束してくれたでしょ。だから、恥ずかしい思いをしておむつやおむつカバ−まで買ったのにこれ、どうするのよ」
「どうするって、協力してやるとは言ったけど。。。」
そのまま二人は黙って病院を後にして行った。
「由紀、俺は腹が減った」
「私も」
「デパ−トでお昼をたべよう」
「そうね」
さっきのことは忘れていないのだが、そしてさっきのことは解決していないのだが、直ぐに仲直りをしている二人であった。
昼食後、由紀が考えていた赤ちゃん用のおむつカバ−を見に行った。
赤ちゃん用売り場にはかわいいオクル身や靴下など洋服が多かったが、赤ちゃん用売場の端のほうにおむつカバ−が陳列されていた。
「健一、ここにあったよ」
由紀はおむつカバ−売り場の前に来て健一を呼んだ。
「ヘ−かわいいね」
「いらっしゃいませ。男の子ですか、女の子ですか」
デパ−トの店員は愛想よく近づいてきた。
「いえ、まだ、判らないんです」
「これからですね、予定日はいつですか」
由紀は咄嗟の質問に一瞬迷ったが、今3カ月として十月十日としてなど計算した。
「11月です」
「それは楽しみですね」
「今はやはり、紙おむつが多いですよね」
由紀は探るように質問をしていった。
「そうですね、紙おむつのほうが今は多いです。でもあのごわごわ感がいやだというお客様、それにあの吸収力は所詮化学薬品の力ですから、その副作用が怖いというお客様は、やはり布おむつを選ばれているようです」
「へ−なるほどね」
店員はいろいろと教えくれはじめた。
「さらに布おむつのいいところは、おむつ離れが早いことです。紙おむつと違って吸収力は落ちます。それが逆に早く交換をしてほしいという気持ちにつながってトイレを早く教えるようになります。そしておむつ離れが早くなるという効果が出てきます」
「そういう効果があるんですか」
由紀も健一も真面目に聞いていた。
「え−、でも、布の場合にはお洗濯が大変ですね。もちろんそういう業者に洗濯してもらうという方法もございます。それとオシッコの量が多いときなどには、おむつから洩れてしまったオシッコが布団や洋服を汚してしまう危険が多いということです」
「なるほどね」
「ありがとうございます。まだ生まれるまでには時間がありますので、それまでに考えてきます」
「お待ちしております」
二人はいい勉強になったと思いながら赤ちゃん売り場を去った。
「健一、赤ちゃん用のおむつカバ−かわいかったね。どうせなら健一のおむつにもあういうかわいいやつがいいな」
「男の子用がデジモンで、女の子用がセ−ラム−ンというのは時代だな。オ−ソドックスな動物や花なんかもかわいいかもしれないな」
「それにリボンや、フリルが着いていればさらにかわいいわね。あ、そうだ、そういうアップリケ、レ−ス、フリルなんかを買っていきましょう。健一のおむつカバ−に着けてあげる。洋裁はだめだけど、その位ならできるわ。そうしよう、健一」
一人で盛り上がる由紀であった。そして由紀はデパ−トの近くにそういうものが売っている店として京急ハンズへと健一を引っ張って行った。
「まだ、なにか買うのか?俺は少し疲れたよ」
「だから今、言ったでしょ。健一のおむつカバ−にアップリケとレ−スのフリルとリボンを着けてあげるからそれを買いにハンズへ行きましょう。それを最後にして家に帰りましょう」
「そういうのはどうでもいいけど、今日はそれが最後だよ」
「そうしましょ」
二人はかわいい花柄の大きなアップリケと赤い小さなリボン、そしてフリル用のレ−スを買って由紀のアパ−トに戻った。
「健一、早速だけど、紙おむつをしましょう。そこに横になって」
「コ−ヒ−でも飲もうよ」
「わかったわよ。じゃ、インスタントじゃなくてコ−ヒ−メ−カでおいしいのを入れてあげるから、そこに横になって」
「横になってどうするの?」
「だから、私に協力してくれるんでしょ。紙おむつをするの」
「ちぇ、まじかよ。好きにしろ」
 健一は今までのけんかをまたするのもなにか気が引けた。由紀の仕事の協力をするといったのは事実だから、少しは由紀の気が済むようにしてやろうと思った。健一はそのまま横になった。
「紙おむつをしましょうね。まず、ズボンを脱がしますよ」
「なんか赤ちゃんになったみたいだな」
 由紀はかまわず、かつ大胆に健一のズボンとそれにブリ−フも脱がしていった。
「健一、少しお尻を上げてくれる?」
 由紀は紙おむつを広げながら言った。
「へ−、男性用紙おむつはここが少し厚くなっているわね。男性用と女性用は少し違うわかね」
「おい、まだかよ」
 お尻を上げ続けていた健一が言った。
「あ、ごめん。さ−、いい子ね、おむつしましょうね」
 由紀は健一のお尻の下に紙おむつを入れこんだ。
「次は足を開きましょう」
 由紀は要領良く、健一の足を開くと紙おむつを当てていった。
「さ、ここを閉じて完成よ。どう紙の感じは」
「う−、少しごわごわする感じだね」
「健一、ちょっと立って歩いてみてくれる」
「要求が多いママサンだこと」
健一はそのまま立ちあがり部屋の中を歩いてみた。
「少し股がすれる感じがするね」
「判ったわ、ありがと。それとおむつを変えるときはスカ−トの方が楽だけど、健一私のスカ−トを履いてみる」
「どうして」
「どうしてって、おむつを変えるときスカ−トならただ、捲り上げればいいでしょ」
「女装の趣味まではないよ」
「そ、そうね、じゃ紙おむつの上からズボンをはいて」
 健一は少し肌寒く感じたので、急いでズボンをはいた。
その寒気からか、急に小便をもよおしたので、トイレに行こうとした。
「健一、どこへ行くの」
「トイレだよ」
「何いってるの。健一は紙おむつをしているんだから、そこで、洩らすのよ。その感じを教えてくれないと、私の仕事が進まないでしょ」
 そう言いながら由紀は健一の後ろから抱き付いた。
「本当にやるのか」
「本当に協力してください」
「そういってもここでしろって言われてもなあ」
 健一は協力してやりたいのはわかるが、実際どうすればいいのかよくわからない。
「男の人はよく立ち小便をするでしょ。その要領でやればいいじゃない。こうやっておむつの上からちんちんを押さえてすれば男の人の場合はできるでしょ」
 由紀は後ろから健一に抱き付き、健一の物を両手で押さえた。
「はい、いいわよ、立小便の要領でしてみて」
「そういってもなあ」
「出るまで待ってるから、早くして、はい、シ−よ」
 健一は何か急に赤ちゃんのようになった気分で、そこまで由紀が言うなら、仕方無いと思い始めていた。そしてしばらく、立小便の要領でふんばっていた。
 少ししてから健一はようやく出すことができた。暖かい小便が出て下腹部に流れているのかが解ったが、それもすぐさま何処に消えて行くような感じだった。
「ふ−終わったよ」
健一は由紀の手を外し、振り向いた。
「どう、健一」
「う−、洩らしたときは流れるような感覚だけど、次から次へとそれが消えて行くね。ま、吸収力がすごいよ。ズボンにまでも洩れていない様だしね。今はなんか少しじめじめするような気がするけど、別に気にしなければ何でもないようだね。でも、やっぱり少し匂うような気がするよ」
「健一悪いけど、少しそのままでいてくれる。少ししたらきれいにしてあげるから」
「え、もうシャワ−できれいにしてきていいだろ」
「だめ、少しお願い。そしたら私がきれいにしてあげる。少し時間がたったときの状態がみたいのよ。お願い。別に気持ち悪くはないんでしょう」
「そりゃそうだけど、はっきり小便を洩らしていることが解っているからやっぱり気持ちが悪いよ」
「でも、客観的にはほとんど感じないんでしょう。30分お願い。淹れたてのコ−ヒ−でも飲んでいて。今用意するから」
「由紀、赤ちゃんのおしっこと違うんだよ。大の男の小便だぞ。本当にできるのか」
「今の私におむつは仕事なの。なんでもやるよ。健一のうんちだって大丈夫だよ。だから協力してちょうだい」
「うんちもか。本当かよ。でも、うんちは肛門まで見られちゃうし、汚いし、臭いぞ」
「さっき、健一の肛門までもう見ちゃったわよ。大丈夫よ」
「へ−、そこまで言うならやってもらおうか。まずコ−ヒ−だ」
 健一がコ−ヒ−を飲んでいる間、由紀は布おむつ用のカバ−の準備をしていた。病院で買ったおむつカバ−にアップリケとレ−スのフリルをせっせと着けていた。
「ね、健一、おむつカバ−大分かわいらしくなったでしょ。見てみて」
「老人用よりは愛想が出てきたね」
「さ、ちょっと一段落したらから、紙おむつを変えましょう。健一、そこに横になってくれる」
「あ−、いいよ、さっきの言葉を試してみてあげるよ」
「その前に今の感触はどう」
「おしっこで濡れているという感覚はないけど、少し、重たいかな。結局吸収してくれるのはありがたいけど、その分重くなるのは仕方ないよな。でも、気にかかるのは、その吸収力は化学薬品だろ。その影響が肌にないことを祈っているよ」
 由紀は健一の話しを真剣に聞きながらズボンを脱がし、紙おむつをはずしていった。
「少し、匂うわね。でもただれている雰囲気は全くないわね。すごい吸収力だこと」
由紀は健一の一物や肛門の方まで、丁寧に濡れタオルで拭いてあげた。
「少し、濡れたから今、ドライヤで暖かくしてあげるね。ちょっと待って」
健一はもう、由紀の言われるままだった。
「どう、健一あったかいでしょ」
「ああ、気持ちいいよ」
由紀は濡れタオルで拭いたところを丁寧に乾かしていった。
「足を広げて、お尻の方もやってあげる」
気持ちよく、由紀のことを信頼し切っていた健一は足を広げ、膝をたたむようにした。
お尻の方にも暖かい風が拭いていた。
「う、痛て。由紀、なにをした?」
由紀は広がった肛門に浣腸をしていた。
「動かないで、そのままよ。今度はうんちの実験よ。だから我慢して。ほうらもう終わった」
「由紀、まさか浣腸をしたのか」
由紀はいつもの由紀とは違い、真剣そのものの顔であったが、同時にママさんのような顔つきでもあった。そこにはいつもの恋人の由紀の顔はなかった。
「そこまでやるのか」
「今度はうんちの実験よ。はい、おむつを当てますよ。いい子ね。うんちはしようとしてもそうそう出ないでしょ。だから、こうしたの。お願い協力してください。もう、おむつの中に漏らしても大丈夫だから」
「たく、もう、いつもの由紀とは大違いだ」
「そうよ、今はおむつが仕事なの」
 そういう会話をしている間にも健一のお腹はいつもと違いはじめていた。しばらくそのままだったが、お腹から異様な音がし始めた。
「健一、まだよ」
「まだよって、今度はトイレに行ってくるよ」
「健一、おむつは仕事なの、そこで、洩らしなさい」
 健一は余りにもキツイ言い方の由紀に唖然としてしまった。そこには、テレビでやるようないわゆるSMものの女王様のようであった。
 由紀は立ち上がろうとした健一を倒し上から抱き付いてきた。
「由紀、もうだめだ。トイレに行ってくるから」
「だめ、おむつは仕事なの。そこで洩らしなさい」
 そう言うと由紀は健一の口にキスをし始めた。
「健一、こうして気を紛らせて。そうすればお腹のことは忘れられるわ」
そういうながら、由紀は健一の頭を羽交い締めにして口をふさいだ。
 最初の内はいつもの男と女のようにしていたが、健一は由紀の唇から離した。
「本当、お腹が痛い。もうだめだ」
「いいのよ、健一、洩らしていいの。由紀がまた、さっきのようにきれいにしてあげるから。ね、いいのよ、健一」
 由紀がそういうまもなく、健一はすごい音と共に出していた。
「あ−、出ちゃったよ」
「いいのよ、健一、このまま、しばらく抱いていて」
 健一はその気持ちには成れなかったが、離れない由紀をしばらく抱いていた。
「健一、今度は布おむつをしてあげる。あのおむつカバ−かわいらしくなったわよ」
「由紀、今度はシャワ−へ行ってくるよ」
「だめよ、汚い、お風呂場が汚れたらいやだから、由紀がきれいにしてあげるから。大丈夫よ。ところで、どんな感じ?」
「おしっことは違ってぬるぬるしたような気持ち悪いな。やるなら早くしてくれ」
「だめ、今度も少し待ってみて」
「今度は気持ち悪いから、30分なんていやだよ。今すぐにできないのなら、風呂場へ行くぞ」
「健一、こういう実験はなんどもするのはいやでしょ。だから、もう少し我慢して」
「だってさっきからもう10分位経っているんじゃないか。少し気持ち悪いよ」
「そうよね、もし、これが女性なら大事なところにうんちが入ってしまうかもしれないわ。本当に健一には感謝するわ。そろそろいいかな。じゃ、準備をするからそこに横になってくれる」
由紀は大の男の下痢便もいやな顔せずに、さっさときれいにしていった。
「少し、匂ったけど、きれいになったわよ。また、ドライヤで暖かくしてあげるね」
「もう浣腸はいやだからね」
「そんなに何回もしないわよ。今度はやさしい布おむつですよ」
「まだ、やるの」
「そう一通りの実験をしてみたいの。協力してくれるんでしょ」
由紀はアップリケを着けたおむつカバ−を敷いて、その上に布おむつを広げた。
「健一、ここにお尻をついて」
健一はもう由紀の好いなりになっていた。
「ま。かわいい、おむつ。今度はどんな感じ」
「そうだな、紙おむつよりかは暖かく、柔らかいという感じだね。でも、これでオシッコをしたらおむつの間から漏れてきそうだな」
「そうね、それは言えるわね」
「それに、もし、洩らしたら、濡れた感じで直ぐに変えてもらわないともたないな」
「お風呂場で洩らしてみる?」
「もう出ないよ、勘弁してくれよ」
 

 
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