週変わり
 
また、新しい1週間が始まる。和夫は食品会社では有名な大手企業の総務部に勤務している。忙しい時期は年に数回あるが、夏の期間はそうでもない。ほぼ残業なしで帰れる日々が続く。メアリーはネイティブな英語の力を活かして、英会話学校の先生をしている。午前中も10時ごろからレッスンの予約が結構入るのだという。もちろん、残業時間のほうがもっと予約が混むが、一家の主婦としては、朝から夕方の勤務として、なるべくは残業は控える毎日だった。
だから、月曜日の朝に限らず、朝の出かける前は2人とも忙しい。メアリーは、和夫の朝食の準備に、洗濯、そして燃えるごみを整理して家の外に出す必要もある。
メアリーは、和夫のおむつが汚れていないことを確認すると、いつものように家事を始めた。和夫は、メアリーが洗濯のためにリビングからいなくなると、トイレに駆け込み、昨日のように股おむつを自分で外すと溜まっていた小さいほうと大きい方を一気に外に出す。すっきりすると、やはり昨日のように股おむつを壁をうまく使って自分自身に当てる。パジャマのズボンを穿くと、何事もなかったようにリビングに戻り、朝のテレビを番組を見る。
和夫は朝の7時半には家を出る。15分前には、スーツに着替えはじめ、ひげを電気シェーバで剃る。髪の毛を整えるといつものように家を出ていく。
「メアリー、行ってくるよ」
「行ってらっしゃい」
いつものようにメアリーの声は明るい。が、和夫は下半身を包んでいる紙おむつが気になる。ごわごわしているような感覚には土曜、日曜の2日間で多少は慣れた。が、満員電車に乗っての通勤や会社での生活には不安が残る。
和夫たちのマンションは東京都の西方向にある。駅までは、歩いて10分ほどだが、そこから私鉄に乗って30分ほどが、一番きつい。都内の山の手線内の駅に着くとほっとする。そこから、そのまま地下鉄の乗り入れており、さらに15分電車に揺られると会社の最寄り駅に着く。そこからは歩いて10分ほどだ。
いつものように会社のビルに着くと、エレベータホールに向かう。多少は膨らんで見えるのではないかと下半身が心配だが、態度に出てしまうと怪しまれるので、いつものように平然とする。5Fに上がり、自分の机に向かうと、声をかけられる。
「おはよう、相沢君」
「おはようございます」
キャリアウーマンとして、課長に昇格したばかりの福島課長が挨拶をしてくれた。いつものことなので、いつものように挨拶をする。
「相沢君、あなたちょっと太った?」
「いえ、そんなことはないです」
「そうお?、お腹が少しでたような気がするけど?」
「そうですか?昨日焼肉を少し食べ過ぎたかな?」
「肥満は仕事の敵ですよ。今日も一日がんばりましょう」
福島課長との挨拶が終わると、自分の席に着く。
「おはようございます」、若くてかわいい深尾さんが挨拶してくれる。
「おはよう」
 そして会社でのいつもの1週間が始まる。今週は会議の予定も多くないが、皆とはいつもと同じように会話し、接するように心がける。だが、下半身に存在する紙おむつがいつもと違う。それを察しられないように努めた。紙おむつを当てられているとはいえ、会社の中でお漏らしをするわけにはいかない。もし、お漏らしをしてしまったらその臭いで気づかれてしまいそうだ。だからこまめにトイレに行こうと思うが、トイレに行けば個室に入り、用を足した後は、壁を使って股おむつを当て直すのが面倒だ。だが、1日に2回くらいはトイレの個室で小便をし、股おむつを自分一人で当て直さざるを得なかった。
トイレにこんな気遣う会社生活は初めてだったが、会社での1日も終わり、それほど忙しくない会社では定時のベルが鳴ると女子から順に帰社していく。和夫もほどなく帰宅の準備を始める。会社の同僚におむつを当てていることは気づかれてはたまらない。だが、無言で帰宅するのはもっと怪しまれるかもしれない。和夫は何人かが帰宅した後に、ごく自然に帰宅の一声を発して退社する。
「お疲れ様、お先に」
そんな、1週間が過ぎていった。そして週末の金曜日。週末には飲みにいく同僚も多いが、昨今は不景気なのか、一段と少なくなったような気がする。それには、上司の課長が女性になったということもあるかもしれない。セクハラの意識は全くないが、女性の上司とのノミュニケーションはほぼない状態が続いていた。
 
「ただいま」
「お帰り、おむつ大丈夫?濡れてない?」
「ああ、大丈夫だよ。悪いけど、会社ではトイレで用を足しているから。会社でお漏らししたら臭ってばれちゃうし、大変だよ」
メアリーは理解はしてくれているようだが、それではおむつの罰にならないじゃないの、とでもいいそうな顔をしている。
「そうね、わかったわ。でもおむつは当てているのね。おりこうさんね」
和夫はおりこうさんでなくても、いい。だからおむつを外したいと思うが、そうも言えない。メアリーは和夫の着替えをさせる。スーツを脱がし、ちゃんと和夫がおむつを当てていることを確認すると、風呂を薦める。
 風呂からあがるとまた、着るものが籠の中に何もない。「やれやれ、またか」と思いつつ、バスタオルを腰に巻いてリビングに行くとメアリーが紙の股おむつを広げて待っていた。床に広げられた股おむつは異様に大きい。おむつと言えば赤ちゃん用の物しか見たことがない和夫は、こうして広げられたおむつを上の視線からみるのは初めてだ。
「和夫、こっちにいらっししゃい」
昨日と同じように素直に股おむつの上に腰をおろし、横になり天井を見る。メアリーは手際良くシッカロールをたっぷりと当てて、和夫のお股が真っ白くなるとおむつを当てていった。
「はい、お口をあけて」
和夫は何のことかと思いつつ、口をあけるとおしゃぶりを口の中に入れられた。物ごころついてからの初めてのおしゃぶりは新鮮だったが、少しゴムの臭いもしないではない。少し吸ってみると小さな穴から空気が入り、唇の感触はなかなかいい。
「いい子ね、おしゃぶりはおいしいかな?」
おむつを当てられ、おしゃぶりを吸っていると不思議な感覚になってくる。首を少し縦に振ってメアリーに返事をする。
「さ、パジャマを着たら髪の毛を乾かしますよ」
ドライヤの「ガー」という音が聞こえてくると同時に、メアリーに何もかも任せている現実がある。そうしてくつろいだ一時の後はいつものように就寝する。
そんな1週間があっと言う間に過ぎ、おむつのことが会社で知られなくてよかったと思いつつ、メアリーにも笑顔を見せた。だが、風呂に入った後のおむつとおしゃぶり、そしてパジャマの上着だけを着させてもらい、ドライヤでの紙の毛を乾かした後に変化が起きた。
「和夫、おむつを当てて1週間になるけど、お漏らしはできなかったね」
「だって、会社で臭ったら変に思われるし、わかってくれるだろ」
「そうね、それは理解してあげる。でも、お漏らしでのおむつかぶれで浮気を防止することが守られていないわ」
「そんなこと言ったって」
「だから、私が和夫のお尻を赤くしてあげる」
「え、変なことはいやだよ」
「いいから、罰を受けなさい。おむつを外すわよ」
そこで、和夫はパジャマのズボンを穿かされていない理由がわかった。でもおむつを外して何をしようというのか、それがわからない。メアリーは和夫のおむつをはずすと、すぐそばに正座して座った。
「和夫、この膝に上にうつ伏せに横になりなさい」
和夫は何が起きるのか不安を感じつつ、メアリーに近づく。メアリーは和夫のお尻が丁度おへそのあたりに横たわらせる。和夫の頭はメアリーの向かって左側、足が右側になるように、そして自分の膝の上には丁度和夫の一物があたる体制だった。メアリーは和夫の体を少し外向きに傾けると、そこには、和夫の大きくなった一物がある。それを握ると、メアリ−は自分の閉じていた両足を少し広げて、そこに入れるとすぐに両足で一物を抑え込む。抑え込まれる痛さより、和夫の体と水平な位置まで一物が押された痛さのほうが強い。
「メアリーはちょっとあそこが痛い」
「大丈夫よ、もっと痛いのはこれからよ、行くわよ」
その声が聞こえたすぐ後だった。
「ビシ、ビシ、ビシ」
メアリーは右手で和夫のお尻にピンタを3回した。それでも、すぐには和夫のお尻は赤くならない。
「痛いよ、メアリー」
「お漏らしでのおむつかぶれにならないから、私が赤くしてあげているのよ。感謝しなさい」
メアリーはまた、お尻にピンタをしようとしたが、次は両足に力を入れて、和夫の一物を締め付ける。
「あ、そっちも痛い」
「ピシ、ビシ、ビシ」
一物を痛さを感じたと思ったら、また、お尻にピンタが3回走りる。メアリーはそれを3回繰り返すと、和夫のお尻をまじまじと見る。和夫のお尻はメアリーの手の跡の形で少し赤なっていた。
「今日はこのくらいにしてあげる」
メアリーは少し満足げになると和夫を膝の上からおろし、またおむつを当てていく。
「もう、痛いよ」
「我慢しなさい」
「わかった、我慢するから、1つお願いがあるんだけど、メアリー」
「あら、何?」
「股おむつじゃなくて、パンツ式のほうがいいのだけど」
「どうして」
「会社でトイレに行くとき、用を足した後に1人で股おむつをあてるのは大変なんだ。今週何回かやって、なんとかできたけど。おしっこでも個室に入っておむつをはずして用を足して、また1人で当てるのは大変なんだよ」
「じゃ、女性の課長におむつを替えてもらったら?」
「メアリーそんなことできるわけないだろう。」
「そうね、わかったわよ、じゃ、この週末にパンツ式のおむつを買いに行きましょう。でもあれは、赤ちゃん用ならトレーニングパンツよね、大人用もあるわよね」
和夫のお尻をピンタで少し赤くできたことに満足していたメアリーは和夫の要求を聞いてあげようと思う。だが、赤ちゃんのおむつはやはり、母国のイギリスでは1枚の布で股を覆い、腰の右側と左側部分に安全ピンで止めるナピーが思いだされる。ナピーだけでは、おしっこなどは漏れてしまうので、その上からオーバーパンツを穿くのが主流だったことを思い出す。そして、日本では長方形の布おむつにおむつカバーというのが、定番であることもわかっていた。どんなおむつが和夫にふさわしいのか、イギリスで病院を経営している、ダディにメールで聞いてみようと思う。今後のこともそうだが、来週は和夫の要求通り、パンツ式の紙おむつにしてあげようと思う。
週末のスーパーでメアリーはパンツ式の紙おむつを和夫に渡す。サイズを確認し、デザインが一番無難な物を選んだ後だった。選ぶと言っても大人用のパンツ式はどれも尿漏れ対策品やお年寄り用の製品ばかりである。それでも数種類の中から選んだ物だった。和夫はメアリーからパンツ式おむつを渡され、一瞬恥ずかしさを感じるが、メアリーは購入するためのお金を財布から出すと和夫に渡した。
「レジで精算してきて、和夫、あなたのおむつだから」
和夫はおむつを自分で購入するのは恥ずかしいが、別に自分の父親用のものを買うつもりで買えばよい、と思い込む。仕方なく、紙おむつを持ってレジに向かうが、メアリーも後ろから付いてくる。レジには2名ほど並んでいたが、さほど混んでいる状態ではない。和夫の番になり、キャッシャの若い女性がおむつに機械を当ててバーコードを読ませようとしたときだった。
「すいません、この人がこのおむつを使うのですけど、もう少し若い人用のおむつはないかしら」
メアリーの突然の言葉にキャッシャの若い女性は一瞬驚き、手を止めて和夫を見る。和夫はそんな恥ずかしいことは言わないでとばかりにメアリーを見るが、メアリーはさらに次の言葉を出す。
「この人、おしっこをすぐ漏らしてしまうの。日常的に使うからもう少しデザイン的によいものがいいわ」
「お、お客様、商品のことは、売り場のほうでお聞きください。この商品はお買い上げでしょうか?」
「そうね、売り場にはなかったから、今日はあきらめるわ、それをください」
キャッシャの若い女性は再びバーコードを読み取ると、和夫から現金を受け取る。そして、レシートと一緒に商品を和夫の方に押しやると、和夫の顔をチラッと見るが、和夫はもうこれ以上の恥ずかしさは嫌だとばかりにレジを後にする。
 レジから少し遠ざかると和夫は振り向きざまにメアリーにクレームを言う。
「メアリー、レジの前であんなことを言うのはやめてくれよ」
「だって事実じゃない。今もおむつを当てているのだから。股式じゃなくて、パンツ式おむつが欲しいと言ったのは和夫でしょ」
「それにしても恥ずかしいじゃないか」
「これもお仕置きのひとつよ」
メアリーはクスと笑うと、和夫を追い越して歩いていってしまう。和夫は癪に障るが仕方なくメアリーの後を追って家へと歩いていく。
 
次の月曜日、いつものように会社への出勤が始まる。
 
「おはよう、相沢君」
「おはようございます」
「あら、少し、痩せた?お腹のあたりが少し先週よりへっ込んだように見えるけど、まだ、出てるわね。ダイエットしないさいよ。今週もがんばりましょう」
女性の福島課長は観察力が強いのか、和夫のお腹周りの変化も見逃さないようだ。他の同僚からは別に変化を感じる発言はなく、いつもの1週間が始まった。先週と違うのパンツ式の紙おむつを当てていることだ。トイレでは立ちションベンというわけにはいかない。スラックスの社会の窓を開けても、社会の窓がないおむつでは立ったまま用をたすことはできない。やはり個室にこもって用を足すが、足した後はパンツ式だから先週のような股おむつの面倒さはない。用を足すために下ろした紙おむつをパンツのようにあげればよい。いつも穿いていたトランクスと同じように簡単だ。ときどき大きな方の用も訪れるが、そういうときも同じだ。
先週より楽になったことを実感してその1週間も過ぎていく。週末も同僚からの誘いも断り、家路を急ぐ。
「ただいま」
「お帰り、和夫。イギリスのダディからプレゼントが来ているよ」
「プレゼント?」
「そう、このDHLの段ボール箱に入っていたのよ。たくさん送ってくれたわ。本当に助かるわ」
「DHL?、あ、世界的に有名な宅急便屋さんね」
「大きめの段ボウル箱でたくさん送ってくれたプレゼントって何?」
「知りたい?ナピーよ」
「ナピー?」
「そう、アメリカなどでは、ダイアパーというけど、イギリスではナピーが主流よ」
「どっちでもいいけど、ようはまたおむつですか?」
「そう、あなたのおむつよ。ダディが心配してくれて送ってくれたのよ」
「君のパパに話したのか?」
「ええ、そうよ。相談にのってもらったわ。だから証拠に和夫をナピーを当てた写真を電子メールで送るように言われているの。今日はお風呂の後でナピーを当ててあげるわ。それから来週からはナピーを当ててすごすのよ。会社に行くときも」
「え、でもナピーってどんなものかわからないから心配だよ」
「大丈夫よ。紙おむつよりやわらかい布おむつよ。そしてきれいでかわいいフリルがたくさんついた防水性のオーバーパンツよ。ふたつをまとめてナピーって感じかな?」
「ようは、布おむつか」
「和夫、日本の布おむつとおむつカバーとは違うわよ。お風呂の後で当ててあげるから楽しみにしてて」
「もう、おむつはたくさんだよ」
「和夫、約束でしょ。誓約書もあるし、まだ、お漏らしもできないでおむつかぶれにもなっていないじゃないの。だからダディにも相談したのよ。黙って楽しみにしてなさい」
せっかくの週末も早く家に帰ってもこんな会話では気が滅入ってしまう。しかし、あんな約束や誓約書はやっぱりするのではなかったと思うが、もう遅い。しかも、イギリスの両親にまで相談が言っているとなると大変だ。しばらくはメアリーの言うなりになるしかないと思うしかなかった。
その後の和夫の風呂上がりのひと時も憂鬱だった。脱衣所にはやっぱり着替えもパジャマも置いていない。メアリーの呼ぶ声に仕方なく、リビングに向かう。 だが、リビングには白っぽい布がたくさん積まれているのと、たくさんフリルのついたピンクや黄色の女性の下着のようなものが並べられている。その光景が少しは和夫の目を楽しませるが、さっきのナピーの説明の時に言われたオーバーパンツのことを思い出すとそれが自分のものかと不安に思う。
「和夫、これがナピーよ。どうこのオーバーパンツは女性の下着みたいできれいでしょう?」
「メアリーにピッタリだよ。違うのよ、これはナピーよ。布おむつにお漏らししても漏れないように防水処理がしてあるのよ。それに布おむつもすこし日本のものとは違うでしょう?日本の布おむつは長方形で股を包んで、腰にもあてるでしょう。でもナピーはもっと正方形に近くて大きくて、股と腰の両方を包んでくれる感じよ。でもお股のところが少し細くなっている感じね。正方形のままだったら、お股が大分厚くなってしまうからね
「へえ、日本の布おむつとはだいぶ違うね」
「そうよ、日本の布おむつより大きい感じがするわ。さらにこれは大人用だからさらに大きく感じるわ。お股を包んで、さらに腰の部分も包んで、両腰のところで安全ピンで留めるのよ。これがナピー。でもお漏らししたら布から漏れてしまうでしょ。だから、このオーバーパンツを穿くのよ」
メアリーはナピーを広げて和夫に説明する。その説明の仕方はメアリーの子供の頃から知っている知識らしくごく自然だ。
メアリーは和夫にパジャマの上着だけを着させると、下はバスタオルのまま、頭をドライヤーで乾かしてあげる。それが済むと、メアリーは和夫の下半身を隠しているバスタオルを引っ張る。
「おい、見えちゃうよ」
「何、言ってるのよ。また、1週間お漏らし出来なかったのだから、またお尻にピンタよ」
「え、またかよ。先週初めてピンタを受けてから2日間くらい痛かったんだから、もう止めてくれよ」
「だめ、約束したことを守らないからよ。今日は20回にしようかな?」
「そんな」
メアリーは和夫の手を取ると先週と同じように和夫をメアリーの膝の上でうつ伏せにさせて、お尻を出させた。
「ピシ、ピシ、ピシ」
「痛いよ」
メアリーは手を和夫の下半身に伸ばすと、和夫の急所をいきなり掴んで、自分の膝に挟む。そして、力を入れたり、緩めたりする。そうかと思うと、お尻にビンタをくらわす。
「私の手も痛いわ。そう、あれがあったわね」
メアリーは和夫を前へ転がすと、急に立ち上がり奥から何かを持ってきた。それは、幼児が砂場で遊ぶ小さなプラステック性のスコップだった。
「これなら、手が痛くないわ」
メアリーは和夫をもう一度膝の上に載せるとスコップで和夫のお尻にビンタをくらわした。また10回ほどビンタをくらわすと、満足したメアリーは次にナピーを当てる準備を始めた。
 「そうね、もうひとつナピーには大きな違いがあったわね」
メアリーはナピーを広げて和夫をその上に横にさせようとして気づく。和夫も何か日本の布おむつとは違うとは思いつつ言葉にできなかったことだ。それは、布の厚さだ。形は見ればすぐにわかるが、厚さも確かに違っていた。日本の布おむつは薄い布を折り曲げて1枚にしたものを漏れる量に応じて、吸枚重ねて当てるのが普通だが、ナピーは改めて見てみるとだいぶ厚い。毛布やタオルケットなどの厚さはないが、それに近いと言ってもいいすぐではないように見える。
そして、ナピーは基本的には1枚を当てて、その上からオーバーパンツを穿く。
「すこし厚くないか?」
「和夫、これは普通よ。だから日本の布おむつとは違って1枚当てればいいのよ。さ、ここにお尻を付いて座って」
手を引かれてしぶしぶナピーの上の座る和夫。しかし、そのお尻から伝わってくる感触は柔らかいものだった。通常の1枚の布より厚めのその布からはやさしさがやってくる。ましてや、メアリーにビンタをされて、赤くなって痛みを感じるお尻には特別にやさしく感じるのだった。
メアリーは和夫の股を隠すようにナピーを当てる。股を通したナピーは和夫のおへその方まで届く大きさだ。そして両腰まで伸びたナピーを安全ピンで留めていく。ずれないように当て具合を調整すると右側を留めて、少しピーンとナピーを伸ばすと、左側も安全ピンで留めた。
「よかったわ、ピッたりね。そうそう、オーバーパンツも試さなきゃね。そこに立ってみて。今日はピンクのオーバーパンツにしようか」
しぶしぶ立ち上がった和夫の足元には、ピンクのオーバーパンツがあり、それをメアリーが和夫の穿かせようとしてみた。
「はい、右足を上げて」
そろそろと足を上げると、すぐに左足も催促され、ピンクのオーバーパンツは和夫に穿かされていく。ナピーが丁度隠れるようにオーバーパンツを穿かされると、少し太ったように見える。メアリーはオーバーパンツからはみ出たナピーをパンツの中に押し込んで調整する。
「こうしないとお漏らししたときに漏れちゃうからよ。それにしても丁度いいわ、かわいいわよ」
「少し、お腹やお尻が膨らんだように見える。これじゃ、会社にいけないよ」
「あら、そんなことないわよ。これで大き目のズボンをはけば、大丈夫よ」
「メアリー、歩きにくいよ。股に何か挟まっている感じだ」
「和夫、言うことを聞くのよ。そうだ、そのままにしていてね。ダディに送る写真を撮るから。」
メアリーは構わず、前から後ろから、横からの和夫の顔を含む全身の写真を撮りまくる。
「メアリー、やっぱりこれじゃ大変だよ」
「そうね、でもダディが送ってくれたのだから、少し我慢しなさい。そうそう、オーバーパンツは脱いでくれる?」
「脱いでいいのか?」
「違うわよ。ナピーを当てて安全ピンで留めているところを写真に撮り忘れたのよ」
「なんだ」
和夫はフリルのたくさん付いたオーバーパンツを開いて見てみると、オーバーパンツの中は防水加工のせいかビニールが付いている。それを見て確認すると自分で少しずつ下にずらした。その瞬間、メアリーはデジカメを撮り始める。フラッシュの光がオーバーパンツのピンクのフリルに反射するようだ。
「もうすこし下にずらして」
両腰の安全ピンとお股を隠しているナピーまで全部見える位置まで下に下ろすとメアリーはさらにいろんな角度から写真を撮った。和夫は恥ずかしく下を向いていたが、メアリーはかまわず、顔も映るように写真をとっていった。
ナピーを装着すると確かに下半身は少し太ったようなイメージがあった。メアリーは確かに和夫の言うことも分からなくはなかったが、折角ダディーが送ってくれたナピーを当てないわけにはいかない。だが、もう少し別の方法も考えなくてあげることにする。また、後でダディに相談しようと思う。相談は後回しでも、ナピーを強制的に和夫に当てた1週間が始まった。
 
次の月曜日、いつものように会社への出勤が始まる。
 
「おはよう、相沢君」
「おはようございます」
「相沢くん、また太った?何か腰のあたりからお腹も出てきた感じがするけど」
「そうすか?少し太ったかな?ダイエットしますので」
「はーい、今週もがんばりましょう」
最初の股式紙おむつ、次の週のパンツ式紙おむつに比べて、ナピーという布おむつにオーバーパンツではやはり膨らんで見えても仕方ない。和夫は冷や冷やしながら、同僚の視線を気にするが、和夫が気にするほどのことはなかった。それより、トイレでは、今までの2倍の作業になったことが嫌だった。小用であっても個室に入り、ズボンを下ろし、オーバーパンツを下ろし、そして安全ピンを右側だけ外す。そうして小用を足すとまた、元のようにナピーを当てていく。最初の股式おむつを壁に当てる作業よりかは楽であったが、問題は時々は大きな用もあったことだ。ズボン、オーバーパンツを下ろし、ナピーの両腰の安全ピンを両方とも外して用を足すのはいいが、またナピーを1人で自分に当てるのには、また壁を利用してナピーを当てなければならなかった。それでも最初の股式おむつのときよりかはスムーズにできたが、ナピーの場合は、布おむつにオーバーパンツにズボンの3点だ。股式おむつよりも装着数が多く時間もかかるのがいやだった。
それでも、何とか無事に1週間が過ぎていく。同僚のこのトイレで姿を見られたらと思うとぞっとする。一度だけ、お前トイレ長いな、と言われビクッとしたことがあったが、幸運なことにその同僚の机にある電話が丁度鳴り、その会話はそこで終了したことが印象的だった。
週末の金曜日も無事仕事を終え、家路に帰りメアリーとの時間を過ごす。週末のお尻へのビンタも慣れてきていた。次の変化は次の土曜日の朝だった。
ピンポーン。
玄関のドアフォーンが朝の9時になった。週末の土曜、日曜は二人とも朝が遅かった。それでもメアリーは勢いよく起き上がると玄関に向かう。カメラ付きのインターフォンを覗くと世界的宅急便のDHLが先週に続き待っていた。メアリーはダディとの相談結果の贈り物と判断するとパジャマ姿にも関わらずドアを開けると荷物を受け取る。
サインをして、サンキュウと言うと、またドアを閉めるや否や段ボウル箱を見る。そこには、母国イギリスのダディの名前が記されていた。
「ダディ、日本製を送ってくれたのね。それにしても早いわ」
実はメアリーがダディと相談する前から、ダディは日本性のおむつとおむつカバーを手配していたのだった。郷に入っては郷に従え、という教訓をダディは十分知っていた。だから、最初に浮気の相談を受けたときから日本のおむつ販売店に注文をしておいたのだ。しかし、メアリーはイギリス生まれ、だからイギリスにもあるアダルトベビー用のお店でナピーを手配していたのだが、日本製を欲しがるのは時間の問題と先に注文をしておいた物がようやく日本からイギリスそして再び日本へと届いたのだった。
メアリーはダンボール箱を開けてみるとたくさんの布おむつと10種類のおむつカバーが入っていた。4個は薄い青とベージュ色の医療用、3個はかわいい花柄、もう3種類は動物の絵柄のおむつカバーだった。そして封筒が一枚あった。早速封を破って読んでみる。
 
「ディアーメアリー、
浮気という病気は治療法も難しいが、なんと言っても完治するまでが長い。だから、この日本性の布おむつとおむつカバーは役に立つと思う。ナピーもいいが、やはり日本に住む以上日本性のおむつが一番と思う。これだけでは足らないと思うが、取り急ぎ送るからがんばりなさい。
ママからも、しっかりがんばるのよと、伝言を受けている。
これ以上、がんばっても効果がなければ、次の手段を考えるから。
    親愛なるパパより。」
 
その土曜日の夜の風呂上り、いつものお尻へのビンタが終わると、メアリーはようやく今日送られてきた段ボウル箱のことを説明した。
「和夫の言うとおり、ナピーは少しお腹が膨らんで見えるから、ダディに相談したの。そうしたら、日本製の布オムツとおむつカバーを送ってくれたのよ。どう見てみて」
「また、おむつかよ」
「郷に入っては郷に従えと、日本製のおむつを送ってくれたのだから感謝してくださいね」
「そんなこと言われても」
「和夫、まだ、お漏らしによるおむつかぶれを起こして浮気を防止するところまでいってないのよ。約束してからそろそろ1か月よ。だから、いろいろと試して和夫に合うおむつを試しているのに、そういうは言い方ないでしょう」
「でも、正直、おむつを当てて会社に行く俺の身にもなってくれよ」
「わかるわ、でも自分で巻いた種でしょう。罰は受けるべきでしょう」
メアリーは、布おむつを広げていく。ナピーと違い薄い生地を折り曲げて作られているおむつを広げては重ねていく。白地に青い金魚の絵が描かれている物や、かわいい動物柄、そして花柄などのおむつが和夫の目の前に広げられる。そしてピンクや黄色のおむつカバーも広げていく。中は防水加工がしてあるのかビニールがちらほらと見える。
「医療用のおむつカバーではなくて、アダルトベビー用の特注のおむつカバーを注文してくれたわ。これなら違和感はないでしょう」
「やっぱりおむつには違和感はあるけど」
「でも日本製のほうが和夫も心身ともに安心するでしょう。和夫は日本人だから。今日からはこの日本製おむつで過ごしましょうね」
メアリーはかわいい花柄のおむつカバーを手に取ると、それを和夫の前で広げて見せてから、目の前に広げて敷いていく。その上に布おむつを3枚重ねて縦に、そして腰を包むためにも横に3枚をセットする。
「さ、準備ができたわよ。ここに座ってくれる」
メアリーは布おむつが十字になっている場所を指さすと手を和夫の方に差し出す。
「さあ、いらっしゃい。ビンタで赤くなったお尻をおむつでやさしく包んであげるわ」
「へえ、そういう風にセットするのか。勉強したの」
「そうよ。かわいい赤ちゃんへのおむつ当て方を勉強もしたし、ダディにも相談したわ」
「また、お父さんにも相談したの」
「そうよ、早くして。今度はお漏らししたおしっこで黄色くなったおむつを交換するところをビデオカメラに写して送れと言ってビデオカメラも送って来てれくれたわ。三脚付きよ。こうしてセットして、スイッチを入れておけば、私が汚れたおむつを交換するところも映してくれるわ」
「もう、勘弁してくれよ」
「ノーね。汚れたおむつを交換するシーンを見てないダディは納得しないわよ」
和夫は一言も出ない。ただ黙って下に俯く。そんな和夫にメアリーは優しく声をかける。それは納得のいかない大人の世界に少しずつ出会って自分を学んでいく小さな子供の風景に似ている。メアリーは優しく和夫の手を取ると和夫の布おむつの方に誘い込んでいく。
「さあ、和夫、大丈夫よ。やわらかいオムツの上に座って。ピンタで赤くはれたお尻を優しく包んであげるから。痛いの痛いの飛んでけ、って痛さも和らぐわよ。さあ、いらっしゃい。優しくしてあげるから。布おむつが優しく包んであげるから。ほら、いらっしゃい」
そんな言葉を聴きながら、優しく手を誘いこまれると和夫はメアリーの言うなりにおむつの上に座る。そして横になって目を閉じる。すると赤くなり痛いはずのお尻に優しい布おむつが触れてくる。メアリーはそんな和夫の姿を見ると優しく布オムツを当て始める。両足の間に存在する布おむつをお尻の方から和夫の急所を隠すようにおむつをあてがう。そして腰を包むための横置きの布おむつもおへその辺りに移動させる。次にお尻の辺りからおむつカバーを両足の間からおへその方に移動し、外羽形式のおむつカバーを腰の両方から折りたたみおむつカバーをホックで留めていく。
「パチ、パチ」
という音は普段の下着や洋服を着ている状況ではありえない音だが、おむつカバーを留める音としてはごく普通にだ。それが自分の下半身から聞こえてくることに非現実感を覚えながら和夫はおむつカバーを当てられていく。そして腰に巻かれたおむつカバー用の布製ベルトを、「キュ」と縛られる音を聞くとオムツを当てられてしまったという現実をようやく受け止める。
そうして日本製のおむつカバーが当てれらたこと以外何も変わらないいつもの週末が始まる。ナピーよりも実は日本製おむつのほうがお尻になじむことを日本人ながら感じながらいつもの会社への1週間が始まる。ナピーと同じように少し太ったように見える下半身を気にしながらの会社生活だった。そしてトイレではナピーよりも苦労をした。日本製おむつカバーをトイレの個室で自分一人で外し、用を足すところまではよかった。しかし用を足した後に、股を包む布おむつを壁に押し付けて当てて、次に腰にも布おむつを当て、その状態でおむつカバーも壁に当てた状態で当てなおすのは正直ナピーよりも難しかった。少々時間もかかったが慣れてくるとだんだん早くできるようになった。だが、いっそのことおむつを外しトランクス1枚のほうがよっぽどいいと思わざるを得なかった。だが、メアリーからの言いつけを守り、会社の同僚や上司からの疑わしき視線を撥ね退けての会社生活だった。
そんな会社生活も1週間の単位で休息がやってくる。週末だ。週末の金曜日には定時の鐘の合図とともに家路に急ぐ和夫だった。
「メアリー、ただいま」
和夫は会社のみんなにおむつのことがばれないで帰宅できたことがうれしい。メアリーは今日もお漏らしをしておむつは汚れていないと感じると、いつになったらお仕置きができるのだろう、浮気防止のおむつかぶれはいつになったらできるのだろう、と心配になるのだった。和夫はおむつのことがばれないで帰宅できたことはうれしいが、メアリーのそういう不安げな顔を見ると、これからどうしてよいものかを真剣に悩んでしまう。そんな週末の夜はいつものように訪れてくる。しかし、そういう心の不安を持ったままでの睡眠はよく以外な夢を見させるものである。
 
大人の赤ちゃん返り
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