女児

「おむつができたから、ミルクを飲みましょうか、そうそう、紙おむつ一つでは涼しすぎるわね、お洋服を着ましょうね。ロンパースは明日からママが急いで作りますから、今日はこれを着ましょうね」
と言って光江は今日デパートで買っていたミニスカートとセーラムーンのトレーナを出してきた。
「さ、今度は立っちしてね」
和夫は置きあがり、光江の用意した服を見てきょとんとしてしまった。
「その洋服はプレゼント用ではないの?」
「そうよ、あなたのために買ったのよ、かわいいでしょ。ロンパースができる前に丁度いいと思ったの。それに外出用にもいいでしょ」
和夫はおむつの次は女装かよと思い、むーとした。
「そんな顔しないのよ、私は女の子が欲しかったのよ、女の子のあかちゃんならこの服とってもいいでしょ。それにおむつを取りかえるのにズボンではいちいち脱がすのが大変だし、スカートなら捲り上げればいいでしょ、ねー最高でしょ」
最高でしょと言われても、和夫には最低にしか見えない。もうどうにでもなれ、好きにすればいう気持ちで一杯だったが、反論をした。
「俺の服はどこ、おむつまでしたのだから服ぐらい俺のを着るさ」
「かずおちゃん、お洋服は洗濯中よ、それから貴重品は、えーとここにお財布と定期とクレジットカードがあるわ。ちゃんと確認して。」
和夫は貴重品だけは確認した。
「大丈夫でしょう、全部あるでしょう。さー、まず、このセーラムーンのトレーナよ」
そういう言って光江は和夫の頭からそのトレーナをかぶし、手を通し着させた。
「次はスカートよ。足をここから通してね、はい右足、いい子ね、そして左足。」
光江は両足を通したところで、和夫のお尻近くまでスカートを上げた。
「はい、立っちして、いい子ね」
和夫は反論の甲斐もなく、しぶしぶ立った。光江はスカートを腰まで上げてホックを止めた。
トレーナはまだしも、スカートはミニもミニで超ミニであった。和夫は自分の太ももあたりをみると紙おむつがすぐにでも見えそうだ。後ろ側を見るために降りむくと光江が言った。
「少し短かったかな、後ろを振り向いただけでも紙おむつが見えちゃうわね」
光江は和夫の恥ずかしげの表情をみながら満足そうに言った。
「でも、丁度いいわね、かずおちゃんが寝ている間に寸法を測らしてもらったのよ、まあ、かわいい、これでお着替えはお終りね、さーミルクを飲みましょう」
 

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