スカートめくり

その2

「和也、夕飯にするわよ」
和也は自分の部屋でテレビを見ていた。いつもならパソコンでインターネットをしている時間であるが、おむつを当てられてセーラー服姿だと落ち着かない。今日1日いろいろなことがあったので途切れなく流れてくるテレビ番組とコマーシャルに頭を委ねているほうが楽だ。
芳江が買ってきた餃子をメインにした夕飯が終り、寛いだ時間が経過する。夜の9時になると風呂の時間だ。和也は芳江に言われて風呂の支度をしようとする。
「和也、風呂上がりの着替えは用意しておくから、ゆっくり入ってらっしゃい」
和也は体一つで風呂場に行くが、程無くしてまた、居間に戻ってくる。居間では恵子も芳江もまだテレビを見ている。
「ねえさん、ブラを取りたくても外せないよ。背中に手は届くけど、このホックを外すことはできない。どうすればいい?」
和也は生まれて初めてブラジャーを付けてもらったが、風呂に入る時になってその外し方がわからない、正確には外し方はわかるが手が届かない。
「あら、以外と体が硬いのね」
恵子は和也に近寄るとブラジャーの肩紐をずらし、和也の右手を通して外すと左側も同じように外していく。そしてブラジャーを回していく。すると背中にあったホックの部分が丁度胸の部分にやってくる。
「これでもう自分でブラジャーを外せるでしょう。夜、寝る時は外して寝ていいけど、明日の朝から自分で付けるのよ。だから、寝る前に自分で付けたり外したりして練習してみなさい」
和也はこんな付け方、外し方があるのかと感心しながら風呂場へ歩いていく。
「和也、シャンプーの後はリンスするのよ。お姉ちゃんの使っていいから。使い方はボトルに書いてあるから」
「リンスね」
和也は振り返って一言確認するとまた風呂場へと歩いていく。その姿を確認し、風呂場のドアが閉まる音を確認すると恵子と芳江は、顔を見合わせて頷くと和也の部屋に向かう。恵子は今日買ってきたものを袋から出し、芳江は和也のクローゼットから男用の下着や洋服を全てビニール袋に入れていく。クローゼットの中はむさ苦しい男用から女性用の雰囲気に変わっていく。
「この男物洋服はみんなかなり疲れているし、汚いから捨ててしまいなさい」
「ええ、そうするわ。このマンションは1日中使えるダストボックスが廊下にあるから楽だわ」
「和也の寝巻はあるの?」
「ええ、今日ネグリジェを買ってきたわ。おむつ交換も楽だし、女の子が着るには少しおませだけどいいと思うの」
恵子は一通り準備を終えると、和也の下着や洋服をダストボックスに捨てに行った。
芳江は、今日の夜に当てるおむつを1枚とネグリジェを持って居間へといくと、丁度和也も風呂から出てくる。
「着替えを用意してくれんじゃなかったの?」
「ああ、ここにあるからね。じゃ、このソファに横になりなさい」
和也は一通り頭から体をバスタオルで拭いた後、腰にそのバスタオルを巻いているだけだ。そこに恵子が戻ってくる。
「和也、まずこのネグリジェを着なさい」
恵子はネグリジェを手に取ると和也の頭から被せていく。芳江は和也の腰に巻いてあるバスタオルを外していく。和也が頭からネグリジェを被り、手を通し終ると急所が丸見えになった。和也は慌てて急所を両手で隠すが、ネグリジェが下に降りてきて膝下まで来ると和也も落ち着く。
「恥ずかしくないわよ。あなたのおちんちんはおむつ替えで何回も見てるんだから」
芳江も恵子も頷きながら和也のネグリジェをまじまじと見る。芳江は自分が薦めた股式の紙おむつをソファに広げると、さっきと同じ言葉をもう一度言う。
「じゃ、このソファに横になりなさい。このおむつの上にお尻を乗せて」
「昼間はどうしようもなかったけど、もうおむつは要らないよ」
「何言ってるの。また昔のおねしょとお漏らしが始まったのでしょう。昼間から漏らしてしまうのだから、夜は絶対に必要よ」
「要らないよ」
「大丈夫よ、またすぐにおむつとさよならできるわよ。さ、いらっしゃい」
芳江はやさしく和也の手を取ってソファに導いていく。恵子も和也にやさしく接しなければいけないと反省し、和也の後側に回っていく。
「さっきみたいにおむつを当てましょうね」
昼間はパンツ式のおむつだったが、今度は股式おむつだ。さっきのようにはいかないが、和也もやさしい言葉に素直になってくる。
恵子は後からネグリジェを捲ると和也をソファに向かって押していく。和也が恥ずかしがらないようにネグリジェを太ももの部分で止めて持っている。芳江は近付いてきた和也の左足を持ち上げるとソファの上に誘導する。
「大丈夫よ。すぐに終わるからね。いい子ね、おむつするわよ」
恵子は和也のネグリジェを持ち上げると和也をソファの上のおむつに座らせる。
「やっぱり、いやだ」
「大丈夫ですよ。そう、和也は女の子になったのだから、おちんちんは邪魔ね」
その言葉に和也は急所を見られていることも忘れて恐怖心が出てくる。女の子の格好をさせられ、おむつを当てられ、この上急所に何かしようというのか、おむつを当てられるという事も忘れて和也は落ちつかない。
「大丈夫よ、とったりしないから」
「あたりまえだろ、おれは男だ」
「でも、ときどき女の子になってみたいのでしょう」
和也はその通りのことを言われて頷きたいが、素直に頷けられない。紙おむつの上に座り、ネグリジェを着たまま、そんな会話が続く。そのとき芳江は何かに気がつく。
「和也、このおちんちんをこうしてひっくり返して股の奥に入れてごらんなさい」
芳江は和也の急所の先端の皮を握ると和也の股の奥に引っ張っていく。そしてそれを押さえたまま、両太ももを閉じると本当に女の子の股間になっていた。股を閉じることで股間には割れ目のようなものが出現する。和也は包茎ではなかったが、普段は皮を被せたままにしているので、先端は大丈夫だが、違和感がある。和也は自分で睾丸を体の奥に押し込んでみると少し違和感が消えた。
「あら、いいじゃない、和也、見てごらんなさい、ときどき女の子の完成よ」
和也もじっと自分の股間を見る。確かにときどき女の子のようだ。元に戻すには股を開けばいい。和也は太ももを開くと、股の間からまた男の急所が現れる。和也は落ち着かず、両手で元の位置に戻してまた隠す。
「あら、さっきのままにしましょうよ。このおむつは女の子用だから、おしっこの吸収位置も後ろ側にあるのよ」
「だって、歩いたり、寝たりしたらこの正常な状態になるのだから、このままでいいの」
「じゃ、タイに行って取っちゃいなさいよ」
「そういう気持ちはないよ」
「じゃ、瞬間接着材で股に貼り付けちゃおうか。最近は100円ショップで瞬間接着材売っているわよ」
「母さん、そんなこと嫌だからね」
「和也、冗談よ。でもビニールテープじゃすぐに剥がれてしまうだろうし、絆創膏も指や手なら粘着力もあるだろうけど、湿った股で歩けば擦れる場所だから、すぐに剥がれてしまうでしょうね。何かいい方法ないかしらね」
「そんなこと考えなくていいんだよ」
「和也、今日のところはわかったわ」
芳江は意味ありげな言葉を出すと、和也の両手を移動させる。すかさず恵子が両手で和也の手を押さえしまう。芳江はお尻から股に掛けておむつを回すと急所部分もおむつで覆っていく。両側からマジックテープで固定すると一息つく。
「ほら、おむつできたわよ。和也懐かしいでしょ」
「そ、そんな、でも少しごわごわする」
和也の中学までのおむつは芳江による布おむつだった。紙おむつは昼間のパンツ式から股式になってすこし優しさを感じていた。お尻を包む感覚、股の間の存在感、そして急所を包む感覚がまた戻ってきた。芳江は過去のおむつのことを思い出すと和也の紙おむつをポンポンと叩く。
「明日、家に帰ったら布おむつとおむつカバーを探してまた送るから。そしたらまた布おむつを当ててあげるわよ」
「もう、本当に要らないから」
和也はそうは言っても内心は布おむつのほうが懐かしいと思う。確かに紙おむつの肌さわりは格段によくなっているが、布の感触にはかなわない。
「さ、和也、頭を乾かすわよ」
恵子はドライヤのスイッチを入れると、和也のオカッパの髪の毛を乾かしていく。そしてブラッシングをすると、カールを付けていく。
「こうして寝ると明日の朝は内まきに髪の毛がカールしてかわいくなるわよ」
「恵子、和也の爪があまりきれいじゃないわ」
「そうね、明日はネールサロンに行って指と爪をきれいにしてもらいましょう」
「それに、さっき気がついたけど、和也の腋毛もきれいにしないと。それにおむつを当てた赤ちゃんの股の毛は要らないわね。明日きれいにしてあげるから」
恵子と芳江の明日の予定の楽しそうな会話を聞きながら、それは和也自身の女の子の身だしなみの話しだと思うと、期待するやら、恥ずかしいやらだが、明日で一度終りにしようと思う。だが、和也は既に和也の男性用の下着も洋服も靴もすべて捨てられたことに気づいていないのだった。

 

大人の赤ちゃん返り
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